腎から膀胱へ:組織・血管・尿路のつながり

本文の目次

  1. 背側の腎を左右で読む
  2. 前方の隣接は左右で異なる
  3. 腎の外側の層と、後腹壁
  4. 腎門の先に腎洞がある
  5. 腎門の前後を三つの道で分ける
  6. 皮質・髄質と、錐体の間
  7. 乳頭から腎杯、腎盂へ
  8. 大動脈から入り、大静脈へ戻る
  9. 腎内の動脈を位置と合わせる
  10. 血管と尿路を別の内腔でたどる
  11. 尿管は後腹膜から骨盤へ下る
  12. 狭くなり得る位置を目印で読む
  13. 膀胱壁を斜めに通る
  14. 恥骨の後ろで、上方へ広がる
  15. 三つの開口を入口と出口で分ける

1. 背側の腎を左右で読む

腎は腹膜より後方、脊柱の左右に位置する一対の臓器である。通常は肝臓との関係から右腎が左腎よりやや低い。前から見る図では本人の右が画面左にくる。腎の高さは呼吸や姿勢、個体差でも変わり、二つの腎を同じ水平線上に固定して読まない。

2. 前方の隣接は左右で異なる

右腎の前方には肝臓、十二指腸、結腸の右側の部分などが関係する。左腎の前方には胃、脾臓、膵、結腸の左側の部分などが関係する。同じ臓器が左右へ鏡のように並ぶ配置ではない。上方の副腎は腎の一部ではなく、腎と別の臓器として位置を読む。

3. 腎の外側の層と、後腹壁

腎実質のすぐ外に線維性被膜があり、その外の腎周囲脂肪と腎筋膜の層が腎の位置に関係する。後方には横隔膜や後腹壁の筋、内側には大腰筋などがある。被膜・脂肪・筋膜は尿が流れる管腔ではない。後腹膜の腎を、腸の内腔や腹膜腔の中に浮く内容物として扱わない。

腎の左右の高さと、後腹膜の位置

上は前から見た位置模式で本人の右が画面左。肝臓の下方の右腎を左腎よりやや低く置き、左右の副腎を腎とは別の記号で上方に示す。脊柱や臓器の高さ・形は省略し、胃脾膵など前方の全隣接を投影しない。下は独立した前後位置の横からの模式で画面左が前、右が後。腸の位置記号、腹膜の線、その後ろの腎と後腹壁を別に示す。膜・脂肪・筋膜の全反転や全筋は省略。矢印による血流や尿流はない。
前面では本人の右が画面左です。通常の右腎の低さを左右で読み、下の独立した前後模式では腹膜の後ろに腎を置きます。隣接の全投影、腎の高さと形の個体差は省略しています。

4. 腎門の先に腎洞がある

腎門は腎の内側のくぼんだ縁にあり、血管や尿路などが出入りする場所である。その内側に続く腎洞には腎杯・腎盂や血管、脂肪などが入る。腎洞という構造を含む空間と、腎盂の尿が流れる内腔は別である。腎洞の全体を尿で満たされた大きな腎盂とはしない。

5. 腎門の前後を三つの道で分ける

主要な腎門構造は通常、前から腎静脈、腎動脈、腎盂の順に読む。腎静脈は血液の帰還側、腎動脈は流入側、腎盂は尿を集め尿管へ続く側である。前後を表す図では、左右の表示と別に前・後の軸を確認する。血管の枝や合流には型の違いがあり、出入りする全構造が常に三本だけとは限らない。

6. 皮質・髄質と、錐体の間

腎皮質は外側の組織領域、髄質は内側の領域である。髄質の腎錐体の間へ皮質の組織が続く部分が腎柱である。腎柱を尿で満たされた空のすき間や、単なる結合組織の板とはしない。錐体の頂点の腎乳頭は、腎の外側の皮質へ突き出す先ではなく、尿を受ける小腎杯側に向く。

7. 乳頭から腎杯、腎盂へ

集合管の出口側からの尿は腎乳頭を経て小腎杯へ渡る。小腎杯が集まって大腎杯へ、さらに腎盂へ続き、腎盂が狭まる先が尿管である。小腎杯は乳頭側を受ける位置、大腎杯は複数の受け口をまとめる位置として読む。乳頭そのものを袋の腎杯や血管の枝と取り替えない。

皮質・錐体・乳頭と、腎門の前後

上は本人の右腎の前額断面の位置模式。外側の皮質と内側の髄質の錐体を分け、錐体の間の腎柱へ指示線を置く。錐体の内側の頂点の乳頭に小腎杯が向き、その枝が大腎杯、腎盂、尿管へ続く。腎洞は尿路などを含む空間の位置として示し、全体を尿だけの管腔にしない。血管や脂肪の実断面、全錐体数・全枝は省略。下はこれと独立した前後順の模式で画面左が前、右が後。主要な腎静脈、腎動脈、腎盂の通常の順を箱で示す。上断面の左右と下の前後を混同しない。色は組織や管の区別で酸素量ではない。
断面の組織と尿の受け口を分けます。腎柱は錐体間に続く皮質で、乳頭側から腎杯・腎盂・尿管へ続きます。下は独立した前後順の模式で、主要な腎静脈→腎動脈→腎盂を前から後へ並べています。

8. 大動脈から入り、大静脈へ戻る

腎動脈は腹大動脈から腎へ向かう血液の流入路で、腎静脈は下大静脈へ戻る帰還路である。左右の腎はそれぞれ流入と帰還の道を持つ。尿を集めた腎盂から腎静脈へそのまま排出する構造ではない。動静脈の通常の主経路と、追加の血管や分岐の型の違いは分ける。

9. 腎内の動脈を位置と合わせる

腎動脈から区域へ向かう枝が分かれ、その先の葉間動脈は腎柱側を通る。弓状動脈は皮質と髄質の境付近を弧状に走り、そこから皮質へ向かう小枝が分かれる。血管の名前の並びを、腎盂や腎杯へ尿を送る順序と混ぜない。血管の弧と、尿を受ける腎杯の輪郭は別の構造である。

10. 血管と尿路を別の内腔でたどる

腎の血液は動脈から入り、腎内の血管を通って静脈へ戻る。一方、形成された尿は集合管の出口側から腎杯・腎盂・尿管へ進む。二つの道が腎門や腎洞で近くにあっても、同じ一つの内腔にはならない。腎静脈へ戻る血液と、尿管を下る尿の向きを分けると、流入・帰還・尿の出口を取り違えにくい。

腎動静脈の血液と、腎杯からの尿

上の主経路は腹大動脈から腎動脈を経て腎内の血管へ入り、腎静脈から下大静脈へ血液を戻す別の流入帰還を示す。下は集合管の出口側から小腎杯、大腎杯、腎盂、尿管へ続く尿の別の道。上と下は同じ内腔の分岐としてつながない。箱は位置・長さ・腎実質の形の投影ではない。赤青は直接名付けした動静脈の別で酸素量ではなく、尿路には別の直接名を置く。糸球体や再吸収の全機序、微小血管の全配列は省略。
血液は腎動脈から腎内の血管を通り腎静脈へ戻ります。形成された尿は別の管腔で腎杯・腎盂・尿管へ進みます。近くにある二つの道を、同じ内腔として結びません。

11. 尿管は後腹膜から骨盤へ下る

尿管は腎盂から続き、後腹膜を下る。通常は大腰筋の前面付近を通り、骨盤縁の腸骨血管との交差付近から骨盤内へ進む。骨盤内では外側の壁寄りを通った後、膀胱に近づくと内側へ曲がる。尿管の左右の管と、膀胱から出る尿道は別である。

12. 狭くなり得る位置を目印で読む

腎盂から尿管へ移る部分、骨盤縁の腸骨血管との交差付近、膀胱壁へ進入する部分は、尿管の狭くなり得る位置として挙げられる。これらは通る場所の目印であり、全例で同じ程度に狭い三つの輪が並ぶという意味ではない。位置や太さには幅があり、管の曲がりと内腔の狭さも同じものではない。

13. 膀胱壁を斜めに通る

尿管は膀胱の壁を斜めに通り、内面の尿管口へ開く。壁内に長さを持つ斜行路は、尿が膀胱へ入る道の形に関係する。尿管口を独立した括約筋の輪と同じ構造にしない。斜めに通るという配置と、常に一つの状態で閉じているという説明も区別する。

尿管の目印と、膀胱壁への進入

上は一本の尿管の通常の経路の目印の模式で、腎盂尿管移行部から後腹膜を下り、腸骨血管との交差付近から骨盤内へ、膀胱壁進入部へ続く。交差する血管線には尿管の両側に空白を設け、血管と尿管の合流ではないことを示す。三つの同じ狭窄輪や全例の高位・狭さは描かない。下は独立した壁内通路の断面の模式で、画面左が外側、右が内側。尿管の二つの側壁が膀胱壁を斜めに通って内面の尿管口へ開き、内腔に閉鎖板を置かない。独立した括約筋輪や絶対的な逆流阻止を示さない。前後の全臓器投影、左右の骨盤内全隣接は省略。
上は経路の目印で、腸骨血管と尿管は空白を隔てた交差です。全例同じ狭窄輪とはしません。下の独立した断面では、尿管が膀胱壁を斜めに通って開く内腔を示します。

14. 恥骨の後ろで、上方へ広がる

空に近い膀胱は主に骨盤内の恥骨の後方にある。尿がたまると上方へ広がり、上面の腹膜との関係も変わる。壁には排尿筋という平滑筋があり、内面は伸展に対応する尿路上皮で覆われる。全表面を同じ腹膜被覆で囲んだ袋や、硬い容器として固定しない。

15. 三つの開口を入口と出口で分ける

膀胱の内面で、左右の尿管口と下方中央の内尿道口を三つの頂点として読む領域が膀胱三角である。この部分の内面は比較的なめらかで、周囲の粘膜のひだと区別できる。左右の尿管口は尿の入口、内尿道口は尿道への出口である。二つの尿管が互いに合わさって一つの尿管口になるのではなく、膀胱に別々に開く。

膀胱三角の二つの入口と、一つの出口

上は独立した横からの位置模式で画面左が前、右が後。恥骨の後方に膀胱を置き、上面の腹膜と、たまると上方へ広がる向きを矢印で示す。この矢印は尿流や血流ではない。下は膀胱内面の三つの開口の配置を広げた模式で精密な前後投影ではなく、右尿管口を画面左、左尿管口を画面右に置く。左右の尿管口と下方中央の内尿道口の三点を破線で結び膀胱三角を示す。破線は独立した管や壁ではない。下の矢印だけが内尿道口から尿道へ進む尿の向き。尿道性差、骨盤内の生殖器隣接や支持・括約筋の全構造、粘膜の全ひだは省略。
上は恥骨の後ろの膀胱の位置と、上面の腹膜の関係です。下の開口配置は左右の尿管口を入口、内尿道口を出口として分けます。三角の破線は位置の目印で、尿が通る独立した管ではありません。

用語を確かめる

線維性被膜
腎実質を直接覆う結合組織性の膜。
腎門
腎の内側のくぼんだ縁で、血管・尿路などが出入りする部位。
腎洞
腎門の内側に続き、腎杯・腎盂や血管、脂肪などを含む空間。
腎皮質
腎の外側の組織領域。
腎髄質
腎の内側の組織領域で、腎錐体がある。
腎柱
錐体の間へ続く皮質の組織。
腎錐体
腎髄質の錐体状の部分で、頂点が腎乳頭となる。
腎乳頭
錐体の頂点で、集合管の出口側が小腎杯へ向く部位。
小腎杯
乳頭側からの尿を受ける尿路の受け口。
大腎杯
複数の小腎杯が集まってでき、腎盂へ続く部分。
腎盂
腎杯からの尿をまとめ、尿管へ続く尿路。
腎動脈
腹大動脈から腎へ向かう血液の流入路。
腎静脈
腎から下大静脈へ血液を戻す帰還路。
葉間動脈
腎柱側を通る腎内の動脈の枝。
弓状動脈
皮質と髄質の境付近を弧状に走る動脈の枝。
尿管口
尿管が膀胱内面に開く入口。
膀胱三角
左右の尿管口と内尿道口を三つの頂点として読む内面の領域。
内尿道口
膀胱から尿道へ続く内面の出口。