喉頭のヒダ・腔と声帯の層

本文の目次

  1. 上下のヒダを目印にする
  2. 喉頭室は外側へくぼむ
  3. 声帯の下から気管へ続く
  4. 腔面から、上皮・結合組織・筋へ
  5. 声帯靱帯は固有層の一部

1. 上下のヒダを目印にする

前庭ヒダより上は、喉頭入口から続く喉頭前庭です。さらに下へ目を移すと、前庭ヒダと声帯ヒダの二段を区別できます。前庭ヒダが上、声帯ヒダが下という目印を使い、ヒダの間と下方の腔を見ていきましょう。

2. 喉頭室は外側へくぼむ

喉頭室は、前庭ヒダと声帯ヒダの間から外側へ入り込むくぼみです。左右それぞれのヒダの間にあり、中央の空気の通り道に接しています。外側のくぼみと、左右の声帯ヒダの間を通る声門裂を、同じ一本の管としてつなげないように見てください。

3. 声帯の下から気管へ続く

声門下腔は、声帯ヒダより下方から輪状軟骨の下縁までの腔で、さらに気管の内腔へ続きます。上下の位置は、前庭ヒダ、ヒダ間の外側のくぼみ、声帯ヒダ、その下の腔と読めます。ただし、空気が喉頭室へ必ず入り、その後に声門下腔へ進むという順番ではありません。中央の通路と外側のくぼみを分けると、腔の形がつながります。

ヒダと、外側・下方の腔

前庭ヒダと声帯ヒダの上下、両ヒダ間の外側の喉頭室、声帯ヒダの下方の腔を分ける模式断面。
中央の空気通路は声門裂から声門下腔、気管へ続きます。喉頭室は両ヒダ間の外側のくぼみで、通過が必須の直列管ではありません。軟骨や腺などを省略し、実際の縮尺は示しません。

4. 腔面から、上皮・結合組織・筋へ

声帯ヒダの腔面は、被覆上皮で覆われています。その深い側には結合組織の粘膜固有層があり、さらに深い側に声帯筋の成分があります。表面の上皮、靱帯を含む結合組織、深い側の筋を、別の成分として読みましょう。声帯筋の付着や運動神経は、既存の喉頭筋の説明とつなげて考えられます。

5. 声帯靱帯は固有層の一部

粘膜固有層は、表層・中間層・深層に分けて整理します。中間層と深層が声帯靱帯をつくり、表層は上皮とその靱帯の間に残ります。声帯筋はさらに深い側にある筋の成分で、靱帯そのものではありません。ここでは声帯靱帯に沿う前方の膜性部を扱います。実際の厚さや形は部位や個体で変わるため、後ろの披裂軟骨に近い部分まで同じ断面に固定しません。

声帯ヒダの層と靱帯

膜性部の腔面から上皮、固有層の表・中間・深層、声帯筋へ深くなる模式図。中間・深層を括弧で声帯靱帯へ結ぶ。
膜性部の層を模式的に分けます。固有層の中間層と深層が声帯靱帯をつくり、表層は上皮との間に残ります。筋はさらに深い側の別の成分で、厚さは部位や個体で変わります。

用語を確かめる

前庭ヒダ
声帯ヒダより上にある粘膜のヒダ。声帯ヒダと分けて位置を読む。
声帯ヒダ
声帯筋や声帯靱帯などを含み、腔面を粘膜が覆う下方のヒダ。
喉頭前庭
喉頭入口から前庭ヒダまでの上方の腔。
喉頭室
前庭ヒダと声帯ヒダの間から外側へ入るくぼみ。中央の通路とは区別する。
声門下腔
声帯ヒダより下方から輪状軟骨下縁までの腔。気管へ連なる。
被覆上皮
腔面を覆う細胞の層。下の結合組織や筋と区別する。
粘膜固有層
被覆上皮の深い側にある結合組織。声帯ヒダでは層を分けて読む。
表層
声帯の固有層で、上皮のすぐ深い側にある層。声帯靱帯との間に残る。
中間層
声帯の固有層で、表層より深く、深層より浅い層。深層とともに声帯靱帯をつくる。
深層
声帯の固有層の深い部分。中間層とともに声帯靱帯をつくる。
声帯靱帯
声帯の固有層の中間層と深層が構成する結合組織の成分。筋や上皮とは別。
声帯筋
声帯靱帯の近くで、その深い側に位置する筋の成分。付着と支配は既存の喉頭筋教材を参照する。
膜性部
ここでは声帯ヒダの前方で声帯靱帯に沿う部分。局所の層構成を扱う。