左心房の後方と食道の前方

胸部食道は気管より後ろを通り、さらに下方では左心房の後方に位置します。心房と食道の間には心膜などがあり、食道が心房の血液の内腔へ開くわけではありません。前後の隣接と、管の連続を分けて読むと、左心房側の血液と食道側の内容物を同じ通り道にしません。

心膜を目印に下縦隔の前後を分ける

前を画面左、後を画面右に置いた胸部の側方配置。胸骨角とT4–T5椎間付近の面を破線の高さで表し、上縦隔と下縦隔を分ける。下側で胸骨と心膜の間を前縦隔、心膜と心臓を中縦隔、心膜と胸椎の間を後縦隔として淡い領域で示す。気管の後方に食道が下り、左心房の後方へ続く関係を示す。胸部下行大動脈は椎体近くを下るが、左寄りの血管を側方の投影へ広げているため、精密な正中矢状断ではない。心尖側の輪郭は前下方へ向ける。領域色は別々の膜を意味せず、心房・食道・血管の内腔を合流させない。胸管・奇静脈系・胸椎列は一部だけで、全胸椎や全区画内容は省く。
下縦隔の三区分は、胸骨・心膜・胸椎との前後関係で読みます。食道は左心房の後方に隣接しますが、二つの内腔は別です。