舌・咽頭・喉頭の筋

本文の目次

  1. 口から声門までをつなぐ筋
  2. 付着と神経の読み方
  3. 舌の形を変える内舌筋
  4. 上縦舌筋:上へ反らせる
  5. 下縦舌筋:下へ曲げる
  6. 横舌筋:幅を狭くする
  7. 垂直舌筋:薄く広げる
  8. 舌の位置を変える外舌筋
  9. オトガイ舌筋:前方から扇状に広がる
  10. 舌骨舌筋:舌骨から側面へ
  11. 茎突舌筋:後上方へ引く
  12. 口蓋舌筋:口峡の前の弓
  13. 軟口蓋は上がるだけではない
  14. 口蓋帆張筋:腱の向きが変わる
  15. 口蓋帆挙筋:軟口蓋を持ち上げる
  16. 口蓋垂筋:正中部を短く厚くする
  17. 咽頭壁の輪走と縦走
  18. 上咽頭収縮筋:上の壁を取り囲む
  19. 中咽頭収縮筋:舌骨から広がる
  20. 下咽頭収縮筋:食道入口へつながる
  21. 口蓋咽頭筋:後ろの弓を下がる
  22. 茎突咽頭筋:収縮筋の間から入る
  23. 耳管咽頭筋:耳管側から続く
  24. 運動支配の例外を位置と結ぶ
  25. 喉頭の枠と声帯
  26. 二つの関節で違う動きをつくる
  27. 輪状甲状筋:前外側から張力を変える
  28. 後輪状披裂筋:声門裂を広げる
  29. 外側輪状披裂筋:膜間部を狭める
  30. 横披裂筋:後ろの隙間を狭める
  31. 斜披裂筋と入口へ続く部分
  32. 甲状披裂筋:声帯に沿って短くする
  33. 声帯筋:内側の細かな調節
  34. 開閉と張力を組み合わせる
  35. 嚥下では通路の形も変わる

1. 口から声門までをつなぐ筋

舌は口の中で形と位置を変え、咽頭は鼻や口の後ろの通路を取り囲みます。喉頭は咽頭の前下方で気管へ続く軟骨の枠です。これらの筋は、口の中の内容物を送る動きや発声の形づくりで協調します。まず、動く対象が舌、咽頭壁、軟骨のどれかを見分けましょう。

2. 付着と神経の読み方

筋の起始と停止は、筋がどこからどこへつながるかを示す目印です。舌の中の筋では骨ではなく結合組織に付くこともあります。一方の端が安定すると他方をその端へ引きますが、固定する側が変われば作用も変わります。舌骨は舌の下にある骨、靱帯は骨などをつなぐ結合組織です。舌下神経XII、舌咽神経IX、迷走神経X、三叉神経の下顎神経V3という番号は脳神経の名称です。運動線維は筋を動かす命令を伝えます。

3. 舌の形を変える内舌筋

内舌筋は舌の中を主に走る筋です。前後、左右、上下に走る線維が交わり、舌を短くする、狭くする、平らにするなどの形の変化をつくります。舌中隔は左右の間にある結合組織の仕切り、粘膜下組織は舌の表面の粘膜のすぐ内側の組織です。舌尖は先端、舌背は上面です。

4. 上縦舌筋:上へ反らせる

上縦舌筋は舌根寄りの粘膜下組織や舌中隔付近から舌尖・舌縁へ、舌背のすぐ下を前後に走ります。短くなると舌全体を短くし、舌尖や舌縁を上へ反らせます。運動神経は舌下神経XIIです。

5. 下縦舌筋:下へ曲げる

下縦舌筋は舌根付近から舌尖へ、舌の下面寄りを走ります。舌骨に連なる線維もあり、舌骨舌筋とオトガイ舌筋の間を通ります。舌を短くするとともに舌尖を下へ曲げ、舌下神経XIIから運動線維を受けます。

6. 横舌筋:幅を狭くする

横舌筋は中央の舌中隔から左右の粘膜下組織へ広がります。横方向の距離を短くするので舌は狭くなり、長くなります。舌を横に広げる筋と取り違えないよう、線維の方向から考えます。運動神経は舌下神経XIIです。

7. 垂直舌筋:薄く広げる

垂直舌筋は主に舌の前方で、舌背側の粘膜下組織と舌下面側の組織を上下につなぎます。上下方向を短くすると舌が薄く、幅広くなります。横舌筋などと交わって形を調節し、舌下神経XIIから運動線維を受けます。

舌内の四方向と、形の変化

上段は舌根から舌尖へ走る二筋と曲がる方向、下段は横と上下の収縮と形の違い。単一の形だけを四筋へ一律に対応させず、線維が交わる関係を読む。
上段は舌根から舌尖へ走る二筋と曲がる方向、下段は横と上下の収縮と形の違い。単一の形だけを四筋へ一律に対応させず、線維が交わる関係を読む。

8. 舌の位置を変える外舌筋

外舌筋は下顎骨、舌骨、茎状突起、軟口蓋(口の天井の後ろの動く部分)など舌の外から舌へ入る筋です。位置の変化を中心に働きますが、形にも影響し、内舌筋と協調します。舌骨は舌の下にある骨、茎状突起は側頭骨から下へ伸びる突起です。

9. オトガイ舌筋:前方から扇状に広がる

オトガイ舌筋は下顎骨の内側の上オトガイ棘から、舌の広い範囲と舌骨へ扇状に広がります。主に舌を前へ出し、中央部を下げます。すべての線維が同じ向きではなく、舌尖側の線維と後方の線維では引く対象が異なります。左右の筋は正中近くにあり、舌下神経XIIに支配されます。

10. 舌骨舌筋:舌骨から側面へ

舌骨舌筋は舌骨の体と大角から舌の側部へ上がる薄い板状の筋です。舌を下げ、後ろへ引くのを助けます。舌下神経XIIから運動線維を受けます。舌の横には血管や神経も走り、筋の運動支配と近くを通る神経を同じ意味にはしません。

11. 茎突舌筋:後上方へ引く

茎突舌筋は茎状突起と近くの茎突下顎靱帯から前下方へ走り、舌の側部へ入ります。収縮すると舌を後ろへ引き、側縁を持ち上げます。舌下神経XIIの運動線維を受けます。前方へ伸びる走行と、収縮時に後方へ引く作用を分けて読むと理解しやすくなります。

12. 口蓋舌筋:口峡の前の弓

口蓋舌筋は軟口蓋の結合組織の板である口蓋腱膜から、舌の側部へ下がります。この筋を含む粘膜の盛り上がりが口蓋舌弓で、その間の口から咽頭への開きが口峡です。軟口蓋を安定させると舌の後部を上げて口峡を狭め、舌側が安定すると軟口蓋を下げます。ほかの代表的な舌筋と違い、運動線維は迷走神経Xから咽頭神経叢を介して来ます。

舌を外から引く、四つのつながり

上段は舌へ入る三筋の付着対応図。位置を一断面に実寸再現した図ではない。下段は口蓋舌筋の固定側と作用を比較する。茎状突起からの走行と収縮時の後上方への力を分ける。
上段は舌へ入る三筋の付着対応図。位置を一断面に実寸再現した図ではない。下段は口蓋舌筋の固定側と作用を比較する。茎状突起からの走行と収縮時の後上方への力を分ける。

13. 軟口蓋は上がるだけではない

硬口蓋は口の天井の前方の骨性部分、軟口蓋はその後ろの動く部分です。後ろの正中に口蓋垂が下がります。軟口蓋を張る働きと持ち上げる働きは別で、咽頭の後壁へ近づく動きと組み合わさって鼻側と口側の通路の関係を変えます。耳管は中耳と咽頭をつなぐ管です。

14. 口蓋帆張筋:腱の向きが変わる

口蓋帆張筋は蝶形骨の舟状窩・棘と耳管軟骨付近から下がります。腱は蝶形骨の翼突鈎という曲がった突起を回って内側へ向かい、口蓋腱膜へ付きます。軟口蓋を張り、耳管の開きを助けます。運動線維はV3の内側翼突筋神経の枝で、咽頭神経叢の筋との違いです。

15. 口蓋帆挙筋:軟口蓋を持ち上げる

口蓋帆挙筋は側頭骨錐体部の下面と耳管軟骨付近から前下内方へ走り、口蓋腱膜へ入ります。張筋より内側を通り、軟口蓋を持ち上げて咽頭後壁へ近づけます。運動線維は迷走神経Xから咽頭神経叢を介して来ます。張筋の腱が翼突鈎を回る走行とは異なります。

16. 口蓋垂筋:正中部を短く厚くする

口蓋垂筋は硬口蓋の後端にある後鼻棘と口蓋腱膜から、口蓋垂の粘膜下組織へ続きます。正中近くに左右の線維が並び、口蓋垂を短くして軟口蓋正中部を厚くします。迷走神経Xから咽頭神経叢を介する運動線維を受けます。

軟口蓋を張る・上げる・厚くする

囲みごとに張筋、挙筋、口蓋垂筋の付着と作用を分ける。張筋の腱の方向転換を曲線で示す。三筋は別本体で、張筋のV3とほかの二筋のXを区別する。
囲みごとに張筋、挙筋、口蓋垂筋の付着と作用を分ける。張筋の腱の方向転換を曲線で示す。三筋は別本体で、張筋のV3とほかの二筋のXを区別する。

17. 咽頭壁の輪走と縦走

咽頭は鼻の後ろ、口の後ろ、喉頭の後ろへ続く筋性の通路です。外側の収縮筋は前方の骨や軟骨から後ろの正中の咽頭縫線へ回り込み、通路を狭めます。縦走する筋は咽頭を引き上げて広げます。咽頭縫線は左右の筋が合わさる結合組織の継ぎ目です。

18. 上咽頭収縮筋:上の壁を取り囲む

上咽頭収縮筋は翼突鈎、翼突下顎縫線、下顎骨の顎舌骨筋線後方、舌側部付近から後方へ回り、咽頭縫線へ付きます。上部は後頭骨下面の咽頭結節付近へ続きます。咽頭上部を狭め、下へ内容物を送る連続した収縮に加わります。運動線維は主に迷走神経Xから咽頭神経叢を介します。

19. 中咽頭収縮筋:舌骨から広がる

中咽頭収縮筋は舌骨の大角・小角と茎突舌骨靱帯付近から、扇状に後方の咽頭縫線へ広がります。上収縮筋の一部に重なり、咽頭中部を狭めます。運動線維は迷走神経Xから咽頭神経叢を介します。

20. 下咽頭収縮筋:食道入口へつながる

下咽頭収縮筋では、甲状軟骨の斜線付近から咽頭縫線へ向かう甲状咽頭部と、輪状軟骨の外側から食道入口を取り巻く輪状咽頭部を区別します。前者は内容物を下へ送り、後者は上部食道括約機構の一部として静止時の閉鎖と嚥下時の弛緩に関わります。運動線維は主に迷走神経Xで、咽頭神経叢に加えて外上喉頭神経や反回神経などの枝も関わります。部の名前が違っても一筋を二本体には数えません。

21. 口蓋咽頭筋:後ろの弓を下がる

口蓋咽頭筋は硬口蓋後方と口蓋腱膜から下がり、咽頭壁と甲状軟骨後縁付近へ付きます。口蓋咽頭弓はこの筋を含む後ろの粘膜の弓で、前の口蓋舌弓との間に口蓋扁桃があります。咽頭と喉頭を引き上げ、壁を近づけます。固定条件により軟口蓋も下げます。運動線維は迷走神経Xの咽頭神経叢から来ます。

22. 茎突咽頭筋:収縮筋の間から入る

茎突咽頭筋は茎状突起から下がり、上・中咽頭収縮筋の間を通って咽頭壁と甲状軟骨後縁付近へ付きます。咽頭と喉頭を引き上げ、咽頭を広げます。運動神経は舌咽神経IXで、周囲の迷走神経支配の筋との違いです。

23. 耳管咽頭筋:耳管側から続く

耳管咽頭筋は耳管軟骨の咽頭側下部から、耳管咽頭ヒダの中を下がります。口蓋咽頭筋に合流して咽頭壁へ続き、咽頭を引き上げるのを助けます。運動線維は迷走神経Xの咽頭神経叢を介します。

24. 運動支配の例外を位置と結ぶ

舌下神経XIIは内舌筋と、オトガイ舌筋・舌骨舌筋・茎突舌筋へ運動線維を送ります。口蓋舌筋はX、口蓋帆張筋はV3、茎突咽頭筋はIXです。咽頭神経叢は咽頭周囲で神経の枝が合わさる網で、筋への運動線維の主な由来はXです。舌や咽頭の感覚を伝える枝まで、この運動支配の表に置き換えることはできません。

咽頭壁の輪走と、縦へのつながり

上段は収縮筋の後方正中への付着を高さで分けた模式で、実際には互いに重なる。下段は縦走三筋の上方の支えと咽頭壁へのつながり。輪状咽頭部は下収縮筋の部分で別本体ではない。
上段は収縮筋の後方正中への付着を高さで分けた模式で、実際には互いに重なる。下段は縦走三筋の上方の支えと咽頭壁へのつながり。輪状咽頭部は下収縮筋の部分で別本体ではない。

25. 喉頭の枠と声帯

甲状軟骨は前方の大きな枠、輪状軟骨はその下の輪で、後ろの板が広くなっています。左右の披裂軟骨は輪状軟骨後方の上に乗ります。披裂軟骨の前方の声帯突起に声帯靱帯が付き、外側の筋突起に動かす筋が付きます。声帯とその間の声門裂が声門をつくり、上方の前庭ヒダとは区別します。喉頭蓋は喉頭入口側の軟骨です。

26. 二つの関節で違う動きをつくる

輪状披裂関節では披裂軟骨が回転したり滑ったりし、声帯突起の間隔が変わります。輪状甲状関節では甲状軟骨と輪状軟骨の角度が変わり、声帯の前後の距離が変わります。声門裂を開閉することと、声帯を長くして張ることを分けて考えましょう。

声帯を動かす、枠と二つの突起

上段は前を上にした声門の上面模式。声帯は甲状軟骨側から左右の披裂軟骨声帯突起へ続く。下段は高さと突起の役割の比較で、前庭ヒダを声門に含めない。空気の流れを筋の牽引線と取り違えない。
上段は前を上にした声門の上面模式。声帯は甲状軟骨側から左右の披裂軟骨声帯突起へ続く。下段は高さと突起の役割の比較で、前庭ヒダを声門に含めない。空気の流れを筋の牽引線と取り違えない。

27. 輪状甲状筋:前外側から張力を変える

輪状甲状筋は輪状軟骨の前外側から甲状軟骨の下縁・下角付近へ付きます。直部と斜部があり、一筋の部分です。収縮で軟骨間の角度を変えて声帯を伸ばし、張ります。運動神経はXの上喉頭神経外枝です。上喉頭神経内枝が主に声帯より上の粘膜の感覚を伝えることとは区別します。

28. 後輪状披裂筋:声門裂を広げる

後輪状披裂筋は輪状軟骨の後面から披裂軟骨の筋突起へ上がります。筋突起を引いて披裂軟骨を動かし、声帯を外転させて声門裂を広げます。声帯を開く主要な筋です。運動神経はXの反回神経から続く下喉頭神経です。

29. 外側輪状披裂筋:膜間部を狭める

外側輪状披裂筋は輪状軟骨の弓の上縁付近から、後上方の披裂軟骨筋突起へ走ります。後輪状披裂筋と同じ筋突起へ付いても引く方向が違い、声帯を内転して主に声門裂の膜間部を狭めます。膜間部は左右の声帯靱帯の間の前方の部分です。運動神経は反回神経から続く下喉頭神経です。

30. 横披裂筋:後ろの隙間を狭める

横披裂筋は一方の披裂軟骨の後面・外側縁から、他方の後面・外側縁へ横に渡る不対性の筋です。左右の披裂軟骨を近づけ、後方の軟骨間部を狭めます。左右から反回神経に由来する下喉頭神経の線維を受けます。膜間部を主に狭める外側輪状披裂筋と協調します。

31. 斜披裂筋と入口へ続く部分

斜披裂筋は一方の披裂軟骨の筋突起付近から反対側の頂付近へ走り、左右の線維が後面で交差します。披裂軟骨を近づけ、喉頭入口を狭めるのを助けます。喉頭蓋側へ続く披裂喉頭蓋筋部はこの筋の部分として位置づけます。運動神経は反回神経から続く下喉頭神経です。

同じ軟骨へ、違う方向から引く

各囲みで動く対象と狭まる場所を分ける。左右の矢印は声帯の外転・内転の方向で空気の流れではない。後輪状披裂筋、外側輪状披裂筋、横披裂筋、斜披裂筋の働きを同じ一作用へまとめない。
各囲みで動く対象と狭まる場所を分ける。左右の矢印は声帯の外転・内転の方向で空気の流れではない。後輪状披裂筋、外側輪状披裂筋、横披裂筋、斜披裂筋の働きを同じ一作用へまとめない。

32. 甲状披裂筋:声帯に沿って短くする

甲状披裂筋は甲状軟骨の角の内側付近から、披裂軟骨の前外側へ声帯の外側を走ります。声帯を短くして張力を調節し、内転も助けます。喉頭蓋側へ向かう甲状喉頭蓋筋部は入口を広げるのを助ける部分です。運動神経は反回神経から続く下喉頭神経です。

33. 声帯筋:内側の細かな調節

声帯筋は甲状披裂筋の内側の特殊化した線維です。甲状軟骨の角の内側付近から披裂軟骨の声帯突起へ、声帯靱帯に沿って付着し、一部ごとの張力を細かく調節します。運動神経は反回神経から続く下喉頭神経です。名前を分けて学んでも、甲状披裂筋と完全に離れた二つの塊として描くと位置を誤ります。

34. 開閉と張力を組み合わせる

空気が通る幅を変えるのは声帯の外転・内転です。声帯の長さと局所の張力は別の筋の組合せで変わります。呼気の流れと声帯の振動、さらに舌・唇・軟口蓋の形が組み合わさって声や言葉になります。一筋が縮めば必ず同じ高さの声になる、という単純な対応ではありません。

声帯の長さと、局所の張力

上段は輪状甲状筋による角度と長さの関係。中央は声帯筋が甲状披裂筋の内側で靱帯に沿う配置の対応図。青線は声帯靱帯の対応で空気流ではない。下段は運動枝と感覚枝の違い。
上段は輪状甲状筋による角度と長さの関係。中央は声帯筋が甲状披裂筋の内側で靱帯に沿う配置の対応図。青線は声帯靱帯の対応で空気流ではない。下段は運動枝と感覚枝の違い。

35. 嚥下では通路の形も変わる

舌が口蓋へ内容物を押し送り、軟口蓋が上がって鼻側への開きを小さくし、咽頭を引き上げる筋と収縮筋が順に協調します。喉頭の上昇、声帯などの閉鎖、喉頭入口の形の変化、食道入口の弛緩も組み合わさります。喉頭蓋一枚だけがすべてを閉じる仕組みとして考えず、骨格筋への運動出力と通路全体の連携で理解しましょう。

一枚のふたではなく、通路の協調

三囲みで口・咽頭・喉頭の協調する構造を分ける。時間を実測した工程表や患者の訓練手順ではない。口峡、咽頭壁、声帯と喉頭入口、食道入口の作用は別々の対象に対する働き。
三囲みで口・咽頭・喉頭の協調する構造を分ける。時間を実測した工程表や患者の訓練手順ではない。口峡、咽頭壁、声帯と喉頭入口、食道入口の作用は別々の対象に対する働き。

用語を確かめる

舌根
舌の後ろで咽頭へつながる部分。
咽頭
鼻腔・口腔の後方から食道と喉頭へ続く筋性の通路。
喉頭
咽頭と気管をつなぐ軟骨と筋などの構造。
起始
筋の付着を記す一方の目印。必ず不動の端という意味ではない。
停止
筋の付着を記すもう一方の目印。
運動線維
筋を収縮させる命令を伝える神経線維。
脳神経
脳に出入りする神経の名称のまとまり。番号は名称の識別に用いる。
内舌筋
舌の中を主に走り、形を変える筋のまとまり。
舌中隔
舌の左右の間にある結合組織の仕切り。
粘膜下組織
粘膜の内側にある結合組織など。
舌尖
舌の先端。
舌背
舌の上面。
舌縁
舌の左右の端。
外舌筋
舌の外から舌へ入り、位置や形に作用する筋。
舌骨
舌の下方にある骨。
茎状突起
側頭骨から下方へ伸びる突起。
上オトガイ棘
下顎骨前方の内側にある、オトガイ舌筋の付着の目印。
口蓋腱膜
軟口蓋を支える結合組織の板。
口蓋舌弓
口蓋舌筋を含む口峡前方の粘膜の弓。
口峡
口腔から咽頭へ続く開き。
咽頭神経叢
咽頭の周囲で神経の枝が合わさる網。
硬口蓋
口の天井の前方の骨性部分。
軟口蓋
口の天井の後ろに続く動く部分。
口蓋垂
軟口蓋の後ろの正中から下がる部分。
耳管
中耳と咽頭をつなぐ管。
翼突鈎
蝶形骨の翼突突起の先の曲がった目印。張筋の腱が回る。
錐体部
側頭骨の、内耳などを囲む部分。
後鼻棘
硬口蓋後端の正中の骨の突起。
咽頭縫線
咽頭後方の正中で左右の筋が合わさる結合組織。
輪走
通路の周りを取り囲む方向の走行。
縦走
通路の長さに沿う方向の走行。
翼突下顎縫線
翼突鈎と下顎骨付近の間の結合組織の帯。
咽頭結節
後頭骨下面で咽頭上部の付着の目印となる部位。
甲状咽頭部
下咽頭収縮筋の甲状軟骨からの部分。
輪状咽頭部
下咽頭収縮筋の輪状軟骨から食道入口を取り巻く部分。
括約機構
通路を閉じたり開いたりする複数の構造の働き。
甲状軟骨
喉頭前方の大きな軟骨。
輪状軟骨
喉頭下方の輪状の軟骨。後ろの板が広い。
口蓋咽頭弓
口蓋咽頭筋を含む、口蓋舌弓の後方の粘膜の弓。
口蓋扁桃
前後二つの口蓋の弓の間にあるリンパ組織。
披裂軟骨
輪状軟骨後方の上にある左右の軟骨。声帯の位置を変える。
声帯突起
披裂軟骨前方の、声帯靱帯が付く突起。
筋突起
披裂軟骨外側の、動かす筋が付く突起。
声帯靱帯
甲状軟骨から披裂軟骨声帯突起へ続く結合組織。
声門裂
左右の声帯などの間の開き。
声門
声帯とその間の声門裂からなる部位。
前庭ヒダ
声帯より上にある粘膜のヒダ。声帯と区別する。
喉頭蓋
喉頭入口側の弾性軟骨。
輪状披裂関節
輪状軟骨と披裂軟骨の間の関節。
輪状甲状関節
輪状軟骨と甲状軟骨の間の関節。
外転
声帯を左右の外方へ離す動き。
内転
声帯を正中側へ近づける動き。
膜間部
声門裂の、左右の声帯靱帯の間の前方の部分。
軟骨間部
声門裂の後方で、左右の披裂軟骨の間の部分。
張力
組織が張られたときの引く力の程度。
反回神経
迷走神経から分かれ、喉頭へ戻る枝。下喉頭神経へ続く。
上喉頭神経外枝
主に輪状甲状筋の運動を担う迷走神経の枝。
上喉頭神経内枝
主に声帯より上の粘膜の感覚を伝える迷走神経の枝。
嚥下
口から咽頭を通して食道へ内容物を送る動き。