一拍の動脈圧の高い時期と、低い時期

血圧は、血液が血管の壁へかける圧です。一拍の動脈圧の最高を収縮期血圧、最低を拡張期血圧として読みます。順序を「収縮期/拡張期」とすると、一周期の最大と最小を対応させた記録になります。心室が送り出していない時期にも、動脈の壁が弾性で戻り、蓄えた血液を末梢へ押し出せます。そのため、一拍で圧が低くなる時期を、全身の流れが止まった時期と同じには扱いません。流れの量には圧差と血管の抵抗も関わります。

動脈の拍動と、一拍の圧

二時点の動脈で壁の膨らむ場所が末梢側へ移る。破線矢印は拍動の伝播、管内の実線矢印は血流。下段の動脈圧曲線では山が最高、周期末が最低になる。
動脈の圧や壁の変化が末梢へ伝わる拍動と、血管内を流れる血液を分けます。下段は一拍の動脈圧の模式的な推移で、最高と最低を収縮期・拡張期へ対応させます。縦軸は個人の血圧値を示す数値尺度ではありません。

広がって蓄え、戻って送る

同じ弾性動脈の部分を二段で比較する。上段の駆出中は左右の管の間で動脈の壁が広がり、大きい内腔に貯留増と直接書く。左から入る血流矢印と右へ出る血流矢印を管内に置く。下段は駆出していない時期と直接表示し、同じ左右の接続の間の動脈が小さい内腔へ戻った形にする。下段の左には流入0と書いて流入矢印を描かず、右の管には末梢側への流出矢印と流出ありの文字を置く。下段の内腔には貯留減と表示する。上から内向きの矢印は壁の戻りで、右向きの血流矢印とは別の対象へ向かう。広がった動脈の内腔に前に蓄えた血液が後で出るため、流入0から流出0と推定しない。段階の形・間隔は模式で、血液生成や体積比・圧の数値・全部の非駆出期が同じ弛緩段階という主張はない。
弾性動脈の部分模式です。駆出中に壁が広がって蓄え、心室からの流入が0の時期にも、壁が戻り末梢への流出を支えます。この後の区間では貯留が減ります。非駆出を全て弛緩期という名前に固定せず、壁が血液を新しく作る意味にもなりません。形は大小の関係を示し、量比や瞬間の流量は表しません。