病原体を減らすことと、移る道筋を分ける
感染を予防するには、病原体を含む感染源、病原体が移る経路、受け手である宿主の条件を分けて考えます。洗浄は付着した汚れなどを物理的に取り除き、消毒は病原微生物を減らす又は不活化し、滅菌は芽胞を含むすべての微生物を除去又は死滅させ、感染性のあるウイルスも不活化することを目指します。物を介して移る道筋では、物の表面から受け手へ渡る区間が予防の作用点になります。その区間で病原体が移る機会を減らすことと、すでに宿主で成立した感染や症状がなくなることは、別の結果です。
感染源の出口から宿主の入口へ
呼吸器からの分泌物に病原体が含まれる代表例では、送り手側の出口、空気中を運ばれる経路、受け手側の入口をたどれます。感染源は病原体を含む人などで、病原体そのものとは別です。受け手へ届くことと、その後に感染が成立することは分けて確認します。直接渡る区間と、物を介する区間
上段は人どうしの接触で病原体が直接渡る道筋、下段は病原体が付着した物を介して渡る道筋です。一つの系列にも異なる区間があり、それぞれの受け手へ届く道筋を分けます。接触で届いたことだけでは、その後の定着や感染、症状の有無は決まりません。移る機会を減らす働きと、手指の衛生
標準予防策は診断や症状の有無にかかわらず適用し、接触や飛散が予想される条件に応じて予防の働きを組み合わせます。物表面の処理、手指衛生、防護は目的が異なります。伝播の機会を減らすことと、既に成立した感染や症状が消えることは別です。