不在者の財産目録と財産保存の処分
法令基準日:2026年4月1日。適用時点は限定的に確認しています。 この単元では、2026年4月1日以後に、不在者の財産管理人の目録作成や財産保存の処分を判断する場合を考えます。法令の基準日は2026年4月1日です。
本文の目次
1. 裁判所が選任した管理人の目録
27条1項は、25条又は26条により家庭裁判所が選任した管理人に、管理すべき財産の目録を作成する義務を定める。目録は管理する財産を一覧にするものである。管理人が作成したい場合にだけ作ればよい、という規定ではない。
2. 目録の費用はどこから出すか
1項の目録作成の費用は、不在者の財産の中から支弁する。目録を作成するのは管理人であり、費用の支弁元は不在者の財産である。作業をする人と、費用を出す財産を混同しない。
3. 本人が置いた管理人への目録作成命令
不在者の生死が明らかでない場合に、利害関係人又は検察官の請求があるときは、家庭裁判所は、不在者が置いた管理人にも1項の目録作成を命じることができる。27条2項の本人設置管理人に対する条件付きの命令を、1項の裁判所選任管理人の作成義務と分ける。
4. 目録以外の財産保存の処分
27条3項は、前二項に定めるもののほか、家庭裁判所が管理人に対し、不在者の財産の保存に必要と認める処分を命じることができると定める。目録作成だけに対象を狭めず、命じることができるという文言を必ず命じなければならないへ変えない。
5. 命令の条件を条文ごとに読む
2項は、生死不明と利害関係人又は検察官の請求という条件を列挙する。3項の文言には同じ請求条件が列挙されていない。この違いを読んでも、手続上の条件が一切ないことや、具体的な保存処分が自動的に命じられることを意味するわけではない。
6. 選任主体・義務・費用・処分を対応させる
裁判所が25条又は26条により選任した管理人は、1項の目録作成義務と不在者財産からの費用支弁に対応する。本人が置いた管理人には、2項の条件を満たすと目録作成を命じることができる。3項は、目録とは別に財産保存に必要と認める処分を命じることができるという規定である。