代理をした者の責任規定の適用除外と2号但書
法令基準日:2026年4月1日。適用時点は限定的に確認しています。 2026年4月1日を基準とする民法117条2項の全3号と2号但書。契約をした者が無権限であることについて、相手方の既知や過失による不知と契約をした者自身の認識を条件として与える。契約をした者の行為能力制限も与件とする。2号但書は2号本文の適用除外にならないことだけを評価し、他の条件なしに1項の責任を確定しない。認識・過失・行為能力制限・証明・追認・履行・損害の具体的成立、他の責任原因、取引全体の効力・判例や旧法は評価しない。
本文の目次
1. 2項は1項の適用されない場合
117条2項は、前項の規定が適用されない場合を三つ挙げる。1号と2号では、契約をした者が無権限であることについての相手方の認識を読む。3号では他人の代理人として契約をした者の行為能力を読む。各号の主体を混ぜない。
2. 1号:相手方が無権限を知っていた
契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、1号により1項は適用されない。この単元では知っていたという事実を条件として与え、具体的な証拠から認識を判断しない。他の責任原因までないとは判定しない。
3. 2号本文:相手方の過失による不知
契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかったときは、2号本文が1項の適用除外を定める。ただし2号には但書があるため、相手方の過失による不知だけを見て読み終えない。
4. 2号但書:契約をした者自身の認識
他人の代理人として契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたときは、2号但書により2号本文の除外にならない。本人の認識ではなく、契約をした者自身の認識である。導入問題のXとYは相手方の過失による不知を共通とし、契約をしたAの認識を分ける。
5. 3号:契約をした者の行為能力制限
他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていたときは、3号により1項は適用されない。本人の行為能力を条件に読み替えない。行為能力制限を受けていたかは与件とし、具体的な認定はしない。
6. 2号の除外にならないことと責任の確定
2号但書から読み取るのは、2号本文の除外にならないということまでである。1項の他の条件や2項の他の号を確認せずに、1項の責任が必ず生じるとは決めない。各号の具体的な成立や他の責任原因、取引全体の効力はこの単元では評価しない。