取消権の二つの期間と起点

法令基準日:2026年4月1日。適用時点は限定的に確認しています。 2026年4月1日を基準とする民法126条の二つの期間と起点の基本。追認をすることができる時から5年と、行為の時から20年を区別する。5年側の不行使と経過期間は条件として与え、具体的な起点の認定・暦日計算・個別事件の消滅成立、期間の法的性質・完成猶予や更新・援用・特則の優先、旧法の行為や経過規定、将来改正の適用は評価しない。

本文の目次

  1. 二つの期間には別々の起点がある
  2. 5年は追認をすることができる時から
  3. 20年は行為の時から
  4. 与えられた経過期間を二条件に対応させる
  5. 期間の識別と具体的な消滅成立を分ける

1. 二つの期間には別々の起点がある

126条は、取消権について、追認をすることができる時から5年間行使しないときは時効によって消滅すると定める。また、行為の時から20年を経過したときも同様とする。ここでは二つの起点と期間の対応を確かめる。期間の数字だけを覚えて、両方を同じ起点に置き換えない。

2. 5年は追認をすることができる時から

5年の起点は、追認をすることができる時である。その時から5年間行使しないという条文条件を読み、単なる経過だけに置き換えない。行為の時から5年と読み替えない。実際にいつ追認をすることができるようになったかを確かめるには、追認の要件と具体的な事情を別に読む。この単元では起点と経過期間を条件として与え、暦日を数える問にはしない。

3. 20年は行為の時から

20年の起点は、行為の時である。追認をすることができる時から20年と読み替えない。どの時点を起点とし、その時点からどの期間が経過したのかを、5年の場合と分ける。20年の法的性質や特則を、この数字の対応だけで認定しない。

4. 与えられた経過期間を二条件に対応させる

Xで追認可能時から5年間取消権を行使しておらず、行為時から20年が未経過なら、Xの与件は5年の期間条件を示す。Yで追認可能時から5年が未経過し、行為時から20年が経過していれば、Yの与件は20年の期間条件を示す。二つの条件を逆にしたり、両方の起点を同じにしたりしない。具体的な取消権消滅の成立は、この対応だけでは判定しない。

5. 期間の識別と具体的な消滅成立を分ける

起点と期間の対応を読めても、完成猶予・更新・援用や行為の特則などを含む個別事件の結論まで確認したことにはならない。旧法の行為や経過規定を現在の条文だけで扱うことも、この単元の範囲外である。問題は仮定として与えた経過期間の識別であり、実際の過去年月日や将来改正の適用を認定するものではない。

追認をすることができる時から5年と、行為の時から20年という別々の起点と期間の対応

追認をすることができる時から5年と、行為の時から20年という別々の起点と期間の対応
追認をすることができる時から5年と、行為の時から20年という別々の起点と期間の対応