保佐開始・同意とこれに代わる許可
法令基準日:2026年4月1日。適用時点は限定的に確認しています。 この単元では、2026年4月1日以後の新たな保佐開始の審判と、同日以後の法律行為を考えます。法令の基準日は2026年4月1日です。
本文の目次
1. 保佐開始の原因と後見との区別
11条本文は、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者について、本人など11条本文に掲げる者の請求により、家庭裁判所が保佐開始の審判をすることができるとする。7条に規定する、能力を欠く常況にある者という原因がある場合は、11条ただし書によって除かれる。条文の条件と家庭裁判所の審判を対応させて読む。
2. 被保佐人と保佐人
12条は、保佐開始の審判を受けた本人を被保佐人とし、その本人に保佐人を付すると定める。審判を受ける本人と、本人に付される者の呼び名を入れ替えない。
3. 同意が必要となる行為の範囲
13条1項は列挙する行為について、原則として保佐人の同意を得なければならないとする。借財又は保証はその2号に挙げられる。一方、日用品の購入その他日常生活に関する行為は同項ただし書で除かれる。同意を必要とする対象と、この例外を併せて読む。
4. 列挙以外の行為に対する追加審判
13条2項では、11条本文に規定する者、保佐人又は保佐監督人の請求により、家庭裁判所は1項各号の列挙以外の行為にも保佐人の同意を必要とする旨の審判をすることができる。この追加審判でも、日用品の購入その他日常生活に関する行為は除かれる。列挙以外の行為には同意が必要となる余地が一切ない、あるいはすべての行為に一律に同意が必要、という読み方にしない。
5. 同意に代わる家庭裁判所の許可
同意が必要な行為について、本人の利益を害するおそれがないにもかかわらず保佐人が同意しないときは、13条3項により、家庭裁判所は被保佐人の請求に基づいて同意に代わる許可を与えることができる。必要な同意・利益へのおそれがないこと・拒否・本人の請求を結び付ける。拒否だけで自動的に許可が生じる規定ではない。
6. 必要な同意又は許可を欠く行為
13条4項は、保佐人の同意が必要な行為を、その同意又は代わる許可を得ないでした場合、取り消すことができるとする。必要な同意又は許可を欠く対象行為という条件を落とさない。取消し得ることは初めから当然に無効であることとは異なる。意思能力を欠く場合の3条の2の無効は、別の規律として区別する。