悪意占有者の果実返還・代価と準用対象
法令基準日:2026年4月1日。適用時点は限定的に確認しています。 2026年4月1日を基準とする民法190条全2項。悪意の占有者の果実そのものの返還と、既に消費し、過失によって損傷し、又は収取を怠った果実の代価償還を分ける。2項は暴行若しくは強迫又は隠匿によって占有をしている者に1項を準用する。直接答える範囲は現に保持する未消費・未損傷の果実の返還、怠収果実の代価、2項の準用対象という三対応に限る。既消費・過失損傷の代価は説明で読むがその直接事例評価はしない。現実の占有・善悪意・果実分類・暴行等の認定、金額計算、全返還要件・判例旧法は評価しない。
本文の目次
1. 果実そのものの返還
190条1項は悪意の占有者が果実を返還する義務を定める。返還の基本問題は現に保持する未消費・未損傷の果実を与件として、この返還義務を読む。現実の悪意や果実の分類は別に扱う。
2. 消費・過失損傷・収取怠りの代価
1項は果実の返還に加えて、既に消費し、過失によって損傷し、又は収取を怠った果実の代価を償還する義務を定める。基本問題で直接答える代価対応は収取を怠った場合に限る。既消費や過失損傷の事例認定や代価計算は別に扱う。
3. 前項を準用する占有方法
190条2項は暴行若しくは強迫又は隠匿によって占有をしている者について、1項の規定を準用する。悪意を現実認定する課題と混同せず、条文の準用対象を読む。暴行等の実認定、果実分類、返還の全要件は別に扱う。
4. 果実の返還と代価の償還を分ける
前章の善意の占有者の扱いに続き、190条1項では悪意の占有者の果実を扱う。条文は果実を返還することと、既に消費した果実、過失によって損傷した果実、収取を怠った果実の代価を償還することを結び付けている。果実の返還と代価の償還を同じ答えにせず、何が残っているか、どの条文上の条件を読むかを与件で確かめる。この章で直接答える返還・代価の対応は、現に保持する未消費・未損傷の果実の返還と、収取を怠った果実の代価である。消費・損傷の現実の認定や具体額の計算は別に扱う。
5. 善意という区分だけで準用の有無を決めない
2項は、暴行若しくは強迫又は隠匿によって占有をした者にも1項を準用する。前章の善意の占有者の一般的な扱いだけから、こうした占有者を常に1項の対象外と決めない。まず問題がどの占有の条件を与件としているかを確認し、2項に当たる与件なら1項の返還・代価償還の対応へ進む。図でも悪意の場合と2項による準用の場合を分けて結ぶ。現実の行為が暴行・強迫・隠匿に当たるかや、全返還要件の成立は別の課題として扱う。