内閣の組織と職務

法令基準日:2026年4月1日。適用時点は限定的に確認しています。

本文の目次

  1. 内閣はどの機関か
  2. 総理の指名と任命を分ける
  3. 国務大臣を任命・罷免する主体
  4. 総辞職が必要になる条件
  5. 総辞職後も職務は続く
  6. 総理の職務と内閣の職務
  7. 内閣の事務には条件が付く
  8. 署名・連署と在任中の訴追

1. 内閣はどの機関か

行政権は内閣に属します。内閣は法律の定めるところにより、首長である内閣総理大臣とその他の国務大臣で組織されます。総理もその他の国務大臣も文民でなければなりません。行政権の行使について、内閣は国会に対して連帯して責任を負います。各大臣の担当事務が分かれていることと、内閣の連帯責任を分けて考えます。

2. 総理の指名と任命を分ける

国会は国会議員の中から総理を指名します。この指名は他のすべての案件に先立って行います。両院が異なる指名をしたとき、法定の両院協議会を開いても一致しなければ、衆議院の議決を国会の議決とします。別に、衆議院の指名議決後、国会休会中の期間を除いて10日以内に参議院が指名の議決をしない場合も同じ扱いです。二つの経路を両方同時に満たす必要はありません。その指名に基づく天皇の任命は、指名とは別の段階です。

3. 国務大臣を任命・罷免する主体

国務大臣を任命するのは総理です。その過半数を国会議員の中から選ばなければなりません。例えば総理が任命する国務大臣が10人なら、5人は半数であり不足し、6人以上の国会議員が必要です。国会議員でない大臣にも文民の条件は及びます。総理は任意に国務大臣を罷免できます。国会による総理の指名と、総理による大臣の任命を取り違えないようにします。

4. 総辞職が必要になる条件

衆議院が不信任決議案を可決し、又は信任決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、内閣は総辞職しなければなりません。総理だけの辞職ではなく、義務の主体は内閣です。これと別に、総理が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会が召集されたときにも総辞職が必要です。選挙当日を初回召集の日と取り違えません。

5. 総辞職後も職務は続く

69条・70条の場合には、内閣は新しい総理が任命されるまで引き続き職務を行います。総辞職の義務が生じることと、引き続き職務を行うことは両立します。後任が国会で指名された段階で終わるのではなく、任命が終期です。総辞職したというだけで、行政の職務がすべて直ちに停止するという理解は避けます。

6. 総理の職務と内閣の職務

総理は内閣を代表して国会に議案を提出し、一般国務・外交関係を国会に報告し、行政各部を指揮監督します。一方、内閣は法律を誠実に執行し国務を総理すること、外交関係を処理することなどを行います。「外交関係について報告する総理」と「外交関係を処理する内閣」は、同じ職務を書き換えたものではありません。国会への連帯責任という関係も、総理個人だけへの責任に置き換えません。

7. 内閣の事務には条件が付く

内閣は条約を締結しますが、事前に、時宜によっては事後に、国会の承認を経る必要があります。時宜は承認時点の扱いであり、承認そのものを省いてよい条件ではありません。官吏に関する事務は法律の定める基準に従い、予算は内閣が作成して国会に提出します。予算には毎会計年度の作成・国会の審議と議決という86条の規定もあります。政令は憲法・法律の規定を実施するために制定し、特にその法律の委任がある場合を除いて罰則を設けられません。大赦などの決定も内閣の事務です。決定と天皇の認証は別に整理します。

8. 署名・連署と在任中の訴追

法律と政令には、主任の国務大臣の署名と総理の連署が必要です。担当を区別する規定であり、署名の時間的な順序をここから決めません。国務大臣は在任中、総理の同意なしに訴追されません。ただし、この扱いによって訴追の権利が害されることはありません。在任中の同意条件を、退任後も永久に続く免責や訴追権の消滅と読み替えないようにします。

総辞職の条件と職務続行

総辞職の条件と職務続行
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