第72章 悪性貧血の自己免疫性原因とB12吸収低下
本文の目次
1. 内因子やその産生細胞への免疫攻撃
悪性貧血の代表的な自己免疫性の原因では、免疫系が内因子そのもの、または内因子を作る胃粘膜の細胞を攻撃する。胃粘膜の産生細胞が傷害される経路では、内因子を十分に作れなくなる。 ここでは、自己の何が攻撃されるかと、その働きがどう失われるかを一組にして読む。単に免疫が関係するという説明から、赤血球が直接攻撃される経路へ置き換えない。
2. 内因子の不足からB12吸収低下へ
内因子が不足すると、腸でのビタミンB12の吸収が妨げられる。自己免疫性の胃粘膜病変によって内因子を作れなくなり、B12の吸収が低下することが、悪性貧血のこの経路である。 この場合は、食事からB12を摂っていることだけでは、吸収の問題が解消されるとはいえない。B12が体に入る量と、食事中に含まれる量を分けて考える。
3. 代表的な原因の経路として整理する
「内因子やその産生胃粘膜細胞への免疫攻撃―内因子の不足―腸でのB12吸収低下」を、代表的な自己免疫性の病態経路として結び付ける。内因子を作る細胞への傷害は胃で起こり、B12吸収への影響は腸に現れる。 まれな先天性の例もあるため、悪性貧血のすべてを自己免疫性と断定しない。また、B12不足にはほかの原因もあり、B12不足という情報だけで個人を悪性貧血と判断する説明ではない。