大動脈弁狭窄症の石灰化と開放制限
本文の目次
1. 石灰化した弁が硬くなる
大動脈弁狭窄症では、現在は加齢による弁の変性や石灰化が主な原因として挙げられる。以前はリウマチ熱が主な原因であったが、その原因によるものは減少している。原因として挙げられる疾患と、現在主な原因として説明されるものを分けて読む。 石灰化して硬くなった大動脈弁は、血液を送り出すときに開きにくくなる。弁の病的な構造変化と、その動きの制限をつなげて理解する。原因には先天性や後天性のものがあり、全ての大動脈弁狭窄症が加齢や石灰化によるという説明ではない。
2. 開きにくいことで前へ流れにくくなる
弁が開きにくくなると、血液が大動脈へ送り出される通り道が十分に開かず、流れが妨げられる。石灰化・硬化、開放の制限、血流の障害という順につなげると、弁の変化が心臓の働きへ影響する仕組みが分かる。 正常の弁が圧力差に応じて開閉する仕組みや、心臓内の血流の経路は、共通の循環教材と合わせて読む。ここでは、病的に硬くなった大動脈弁の動きに注目する。
3. 開放の制限と、閉鎖の不全を分ける
狭窄症では、弁が開きにくくなって前向きの血流が妨げられる。閉鎖不全症では、弁が十分に閉じないことで逆流が生じる。同じ弁の病気でも、どの動きが障害されるかが違う。 既に学んだ僧帽弁逆流の一経路では、腱索の断裂や延長により弁尖の接合に隙間ができる。大動脈弁の石灰化・硬化から開放が制限される経路と、接合の隙間から逆流が生じる経路を区別する。これらの説明だけで患者個人の原因や重症度を判断することはできない。