全例の進行や実際の手技へ広げない

Dupuytrenの病変は、手掌の結節の段階から拘縮へ進まない患者もいる。結節があれば全例で必ず索状組織が発達し、重い拘縮へ至るという経過にはしない。ばね指でも、引っ掛かりがあれば全例で同じ形の隆起や狭小化が確認できるとはしない。 本章は疾病の病的構造を理解する教材である。曲がった指を自分で強く伸ばす、引っ掛かりを誘発する、注射・手術・装具・運動の適否を選ぶ手順を示さない。新しい機能変化や生活の支障を名称だけで片付けず、必要な医療評価へ共有する。

ばね指とDupuytren拘縮の別々の病的対応

ばね指
屈筋腱とA1の
大きさが不適合。滑走に引っ掛かり
ロックが起こる。Dupuytren
手掌筋膜が
肥厚・短縮。指が手掌側へ曲がり
伸ばしにくくなる
屈筋腱とA1プーリーの不適合による滑走障害、及び手掌筋膜の肥厚・短縮による拘縮を、独立した二経路として示す独自概念図。ばね指からDupuytrenへ進むという図ではない。正常な解剖図、全患者の必須経過、実際の伸展操作や治療選択を示さない。