血液・造血・止血の基盤

本文の目次

  1. 血液を液体と有形成分に分ける
  2. 血漿には水と溶けた成分がある
  3. 血漿タンパク質の役割を分ける
  4. 作る細胞と血中の働く場所
  5. 赤血球のくぼみと柔軟性
  6. ヘモグロビンは赤血球内で酸素を運ぶ
  7. 無核の赤血球にも代謝がある
  8. 成人で活発な造血を担う場所
  9. 幹細胞を残すことと分化すること
  10. 腎のEPOと骨髄の赤血球形成
  11. 成熟赤血球の産生と処理を分ける
  12. 回収する鉄と処理する色素
  13. 白血球は核を持つ複数の群
  14. 異物へ移動することと取り込むこと
  15. 白血球の代表役割を比べる
  16. 巨核球から生じる血小板
  17. 赤血球の三つの測り方
  18. 割合の分母を動かす模型
  19. 密度や割合から総量を読む条件
  20. 損傷した血管の局所で始まる反応
  21. 粘着・活性化・凝集の違い
  22. 酵素が作用しフィブリンができる
  23. カルシウムとビタミンKの関わり
  24. 二つの止血の働きが重なる
  25. 形成したフィブリンを分解する
  26. 操作の前後で血漿と血清を分ける
  27. ABOは赤血球の抗原と血漿の抗体を見る
  28. RhDと抗Dは別の情報
  29. 血管の内外とリンパ管の中
  30. 押す働きと逆流を防ぐ働き、異物の到達先

1. 血液を液体と有形成分に分ける

血液全体を全血といいます。液体成分の血漿と、その中にある赤血球・白血球・血小板などの有形成分に分けられます。有形成分を血球とまとめて呼ぶこともありますが、血小板は細胞の一部からできた断片です。形を持つ成分に分類されることと、一個の核を持つ細胞であることは同じではありません。血液は酸素や栄養成分、老廃物、ホルモンを運びます。熱の移動による体温の維持や、酸性・アルカリ性を表すpHの変化を抑えることにも関わります。防御と止血も、成分の働きが協力して支えています。

2. 血漿には水と溶けた成分がある

血漿の大部分は水です。その中に電解質、ブドウ糖などの栄養成分、代謝で生じた成分、タンパク質などがあります。血漿は水だけでも、タンパク質だけでもありません。赤血球の中のタンパク質と、血漿中のタンパク質も別の場所にあります。脂質の運搬には、脂質とタンパク質が組み合わさったリポタンパク質も関わります。リポタンパク質という複合体を、赤血球や、抗体の別名として扱わないようにします。

全血の液体と有形成分

淡い液体の区画に、中央が淡い閉じた赤血球、核を描いた白血球、小さく不規則な血小板がある。指示線は血漿の空白、赤血球の輪郭、白血球の輪郭、血小板本体へ届く。
全血は血漿と有形成分からなる。背景の液体が血漿で、赤血球・核を持つ白血球・細胞断片である血小板をその中に示した。個数、サイズ比、体積比は正常値を表さない。

3. 血漿タンパク質の役割を分ける

アルブミンは血漿タンパク質の一つです。血管内に保たれやすいタンパク質による膠質浸透圧に大きく関わり、水を血管側へ保つ働きを支えます。また、さまざまな物質と結合して運搬にも関わります。これは水を新しく作る働きではありません。免疫グロブリンは抗体として働くタンパク質です。抗体は、抗原と呼ぶ相手の特徴を認識して結合します。グロブリンという大きな分類の全てが抗体という意味ではありません。フィブリノゲンは凝固に関わる血漿タンパク質で、凝固の過程で線維状のフィブリンになります。アルブミンの運搬、抗体による認識、フィブリンの線維を同じ働きへまとめないことが大切です。

4. 作る細胞と血中の働く場所

アルブミンやフィブリノゲンなどを作る主な臓器は肝臓です。一方、免疫グロブリンを作るのは形質細胞です。形質細胞は、白血球の仲間であるBリンパ球から分化した細胞です。分化とは、特定の構造や働きを持つ方向へ細胞が進むことです。血漿中で働くタンパク質が全て肝臓で作られるわけではありません。作る臓器・細胞、そのタンパク質が運ばれる場所、働く場所は分けて追います。

血漿タンパク質の産生元

肝臓の名前は臓器の中にある。Bリンパ球と形質細胞の名前から、それぞれの細胞膜上端へ短い引出し線がつながる。肝臓から血漿タンパク質へ産生、Bリンパ球から形質細胞へ分化、形質細胞から免疫グロブリンへ産生の矢印があり、各過程名は矢印のそばの小枠に入る。
肝臓はアルブミンやフィブリノゲンを主に作ります。Bリンパ球は形質細胞に分化し、形質細胞は免疫グロブリンを作ります。これらのタンパク質は血漿に含まれます。

5. 赤血球のくぼみと柔軟性

正常な成熟ヒト赤血球は、両面の中央がくぼんだ円盤状です。中央を貫く穴が開いている形ではありません。赤血球は柔軟で、細い毛細血管や脾臓の網目状の場所を通る際にも変形できます。古くなり柔軟性を失った赤血球は処理されやすくなります。細胞の形や変形しやすさと、中のヘモグロビンが酸素を結合する働きは、別の特徴として整理します。

赤血球のくぼみと変形

上段は淡い中央くぼみを持つ赤血球。断面は上下の膜が中央へくぼむが途切れず、中央にも赤い細胞質が残る。下段の血管内で同じ閉じた細胞が細長く変形し、矢印は右向きの血液の流れ。
正常な成熟ヒト赤血球の表面と中央を通る断面を示す。中央は薄い細胞質を含み、細胞膜は閉じている。下段は細い毛細血管内で変形して流れる模式像で、細胞の大きさや血管との比率を実測値として示さない。

6. ヘモグロビンは赤血球内で酸素を運ぶ

ヘモグロビンは、主に赤血球の中にあるタンパク質です。タンパク質の部分であるグロビンと、鉄を含むヘムが組み合わさっています。ヘムの鉄は酸素の結合に関わります。肺の代表的な条件では酸素を結合し、組織側では放出するので、全身への酸素供給を助けます。結合した酸素を再び放出できる、可逆的な関係です。赤血球という細胞、細胞内のヘモグロビン、血漿中のアルブミンは別の階層と場所にあります。酸素を運ぶことと、細胞自身がミトコンドリアで酸素を利用することも同じではありません。

赤血球内のHbとその構成

囲まれた血漿の中に膜閉じた赤血球があり、Hbは赤血球内部、アルブミンは赤血球外の血漿にある。Hbから拡大枠へ指示線が伸び、グロビンの模式形と、鉄の文字を内包するヘムの模式形を直接ラベルする。
Hb(ヘモグロビン)は主に赤血球内にあり、血漿のアルブミンとは場所が違う。下段はHbの構成要素を示す拡大模式図で、グロビンと鉄を含むヘムを分けた。描いた形・個数は実際の立体構造、分子数、ヘムの総数、酸素結合部位数を示さない。

Hbによる酸素の結合と放出

上段は肺側で酸素からHbの鉄側へ結合する矢印。中央は血液による組織側への運搬。下段はHbの鉄側から外の酸素へ放出する矢印。構成模式形は共通で、矢印方向が異なる。
肺側の代表的な条件で酸素がHbに結合し、血液で運ばれ、組織側でHbから放出される。鉄を含むヘムをHbの一部として示す模式図で、ヘムの総数、結合部位数、結合率を示さない。結合・放出の矢印と血液による運搬の矢印は別の線幅・矢印形で分けた。可逆的であり、Hbが酸素を作る、または消費する反応ではない。

7. 無核の赤血球にも代謝がある

成熟したヒト赤血球には核もミトコンドリアもありません。それでも細胞膜と細胞質があり、グルコース(ブドウ糖)を分解する細胞質基質の解糖系でATPを作れます。ミトコンドリアの電子伝達系はATP生成につながる経路ですが、ミトコンドリアを持たない成熟赤血球では使えません。核がないことを、膜も代謝もないことへ読み替えないようにします。核とミトコンドリアのある典型的なヒト細胞の図を、そのまま成熟赤血球へ当てはめることもできません。成熟したヒト赤血球の特徴を、発達途中の細胞や全ての動物の赤血球へ一般化しないことが必要です。

無核の赤血球もATPを作る

一枚の閉じた細胞膜に囲まれた赤血球内に、細胞質基質、グルコースから解糖系へ進んでATPを作る入口を示す。核やミトコンドリアの形は描かず、無核・ミトコンドリアなしを枠内に明記する。
成熟したヒト赤血球には核もミトコンドリアもないが、細胞膜と細胞質があり、細胞質基質の解糖系でATPを作る。赤血球内部の経路は入口を示す模式図で、解糖系の全段階・収率は表さない。発達途中の細胞や全ての動物へ一般化しない。

8. 成人で活発な造血を担う場所

血球を作る働きを造血といいます。正常成人で活発な造血を担うのは、造血細胞の多い赤色骨髄です。主に脊椎、肋骨、胸骨などの軸骨格に加え、骨盤や上腕骨と大腿骨の近位部などにあります。脂肪を多く含む黄色骨髄と区別し、成人の全ての骨で同じように造血が活発だとは考えません。骨髄は骨の内部にある組織で、海綿骨の骨梁を作る硬い骨質とは別です。骨梁の間に骨髄などのある空間があります。

赤色骨髄は骨梁の間にある

骨内部を囲む枠内に、連続した太い骨梁と、梁を避けた空間の赤色骨髄を描く。骨梁の指示線は梁の幅中央へ、赤色骨髄の指示線は梁の間の造血細胞を含む区画へ届く。
骨の内部の局所断面模型。硬い骨梁と、その間にある造血細胞の多い赤色骨髄を分けた。正常成人の活発な造血は、脊椎・肋骨・胸骨などに加え骨盤、上腕骨・大腿骨の近位部などで代表され、全ての骨で一様ではない。脂肪の多い黄色骨髄とは区別する。

9. 幹細胞を残すことと分化すること

造血幹細胞は、さまざまな血球を生む出発点になる細胞です。自己複製は、幹細胞としての性質を持つ細胞を残し、幹細胞の集団を保つ働きです。分化は、特定の血球などの構造や働きを持つ方向へ進むことです。赤血球、複数の白血球、巨核球などの系列へつながります。巨核球は骨髄にある大きな細胞で、その細胞質から血小板が生じます。幹細胞が分裂するたびに全てが同じ成熟血球になるわけではありません。また、全ての血球の成熟や全機能が骨髄だけで完了するわけでもありません。

幹細胞を保つことと分化

赤色骨髄の区画に造血幹細胞があり、同じ幹細胞形を残す二方向の矢印を示す。下段では出発細胞から三系列へ分岐し、無核の赤血球、有核の白血球、大きな有核巨核球を別の形で描く。
上段は自己複製により幹細胞としての性質を持つ細胞を残す関係の模型。下段は分化が赤血球、複数の白血球、巨核球などの系列につながる入口で、中間段階を省略した。各分裂が必ず同じ二つの娘細胞を作ること、全ての成熟や機能が骨髄内だけで完了することは示さない。

10. 腎のEPOと骨髄の赤血球形成

エリスロポエチン、略してEPOは、主に腎から血液へ出るホルモンです。骨髄で赤血球の形成を促します。EPOを出す主な場所が腎であることと、赤血球を作る場所が骨髄であることを分けます。正常な調節では、腎への酸素供給が足りない情報などがEPO産生の増加につながります。骨髄の赤血球形成が進み、酸素供給を支える方向へ働く、負のフィードバックの入口です。負のフィードバックは、初めの変化を抑える方向へ応答がつながる関係です。細胞が形成されるまで時間が必要なので、EPOという情報が増えただけで赤血球の量が瞬時に増えたとはいえません。

腎からの情報で骨髄が応答

腎の形から血液区画を経由して骨髄へEPOの破線矢印が続く。骨髄枠の中に有核の形成途中細胞と成熟赤血球があり、細胞系列の進行は別の実線矢印。
腎への酸素供給が足りない情報などがEPO産生増加につながり、主に腎から血中へ出たEPOが骨髄の赤血球形成を促す。腎で赤血球が作られる図ではない。EPOの情報・作用を破線と開いた矢印、細胞系列の進行を細い実線矢印で区別した。形成には時間を要し、情報増加だけで赤血球量が瞬時に増えたとはしない。

11. 成熟赤血球の産生と処理を分ける

成熟したヒト赤血球は、通常は分裂して増えません。骨髄で新たに作られることと、古い赤血球が処理されることが更新を支えます。正常成人の赤血球の寿命は平均約120日で、全てが同じ日に一斉に入れ替わる意味ではありません。古くなった赤血球は脾臓や肝臓などのマクロファージによって処理されます。マクロファージは、異物や細胞などを取り込んで処理する細胞です。脾臓は重要な処理場所ですが、全ての赤血球が脾臓だけで処理されるとは限りません。

12. 回収する鉄と処理する色素

古い赤血球のヘモグロビンが処理されると、鉄などの材料は回収されます。鉄は血中で鉄を運ぶタンパク質のトランスフェリンへ結合し、新しいヘモグロビンの合成へ再利用されます。一方、ヘムの分解はビリルビンという色素の生成につながり、肝臓などで処理されます。ビリルビンは胆汁に含まれる色素で、脂質の消化を助ける胆汁酸塩とは別です。赤血球全体をそのまま胆汁へ流すのではありません。古い細胞を処理する場所、回収した材料の再利用、色素の処理を分けて追います。

赤血球の処理と鉄の再利用

赤血球がマクロファージ内へ取り込まれ、内部のHbの処理後に二方向へ分かれる。左は回収鉄が血中の運搬タンパク質に結合して新しいHbへ向かい、右はヘム分解からビリルビンの処理へ向かう。
成熟ヒト赤血球は通常分裂せず、正常成人の平均寿命は約120日。古い赤血球は脾臓・肝臓などのマクロファージで処理される。回収した鉄は血中のトランスフェリンへ結合して運ばれ、新しいHbの合成へ再利用される。ヘムの分解はビリルビン生成と肝臓などでの処理へつながる。下段の鉄を含むタンパク質の模式形はトランスフェリンであり、赤血球全体を胆汁へ移す関係ではない。

13. 白血球は核を持つ複数の群

白血球は核を持ち、生体防御に関わる血球です。主要な群には好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球があります。好中球・好酸球・好塩基球は、特徴的な顆粒を持つ顆粒球としてまとめられます。単球とリンパ球はこれらとは別の群として整理します。全ての白血球が同じ食作用だけを担うわけではありません。種類ごとに構造や役割が違い、同じ種類にも状態による違いがあります。

14. 異物へ移動することと取り込むこと

好中球は血管壁を越えて組織へ移動し、食作用で異物などを取り込んで分解できます。食作用は取り込んで処理する働きです。異物を取り込めたという観察だけでは、血管壁を越えて目的の場所へ移動できたことまで証明されません。血中の単球が組織へ入り、マクロファージへ分化する経路もあります。ただし、全ての組織マクロファージが血中の単球だけから生じるという意味ではありません。移動、分化、取り込みはそれぞれ別の過程です。

15. 白血球の代表役割を比べる

好酸球は寄生虫に対する防御やアレルギーの反応に関わります。好塩基球は、周囲の反応に関わる物質を放出するなどの役割を持ちます。リンパ球の主な群にはB細胞、T細胞、NK細胞があります。B細胞から分化した形質細胞は抗体を作ります。T細胞は他の細胞の反応を調節したり標的細胞に働いたりし、NK細胞も変化した標的細胞の排除に関わります。全てのリンパ球が抗体を作るわけではなく、抗体を作る働きと細胞に直接働くことは別です。

16. 巨核球から生じる血小板

血小板は、骨髄の巨核球の細胞質の一部から生じる細胞断片です。赤血球が小さく割れたものでも、小さい白血球でもありません。核はありませんが、ミトコンドリアなどの内部構造を含みます。成熟したヒト赤血球は核もミトコンドリアもないので、無核という共通点だけで両者の構造を同じにできません。血小板は損傷部に付着し、他の血小板と集まるなどの止血の働きに関わります。

巨核球から生じる血小板

巨核球の閉じた外輪郭と多葉状の核を描き、核のない細胞質突起の先から小さい血小板断片が生じる。巨核球と別の血小板拡大枠に、ミトコンドリアがあることを示す。
骨髄の大きな巨核球から、細胞質の一部として血小板が生じる入口を示す。細胞質は突起まで連続し、核は巨核球側に残る。下段は血小板の内部構造を別に拡大した模式図で、核はないがミトコンドリアを含む。全中間段階や個数・大きさの比を実測値として示さない。

17. 赤血球の三つの測り方

ヘマトクリットは、全血の体積に対して赤血球の体積が占める割合です。分子が赤血球体積、分母が全血体積で、百分率ならその比に100を掛けます。白血球と血小板の層は赤血球の体積へ含めません。赤血球数は通常、単位血液体積当たりの個数として表します。ヘモグロビン濃度は、単位血液体積当たりのヘモグロビンの質量です。体積割合、個数密度、質量濃度は別の測り方なので、一つの値で他の二つをそのまま置き換えることはできません。

赤血球を測る三つの軸

縦に三つの分数枠があり、同じ分母である全血体積に対し、分子は赤血球体積、赤血球個数、Hb質量と直接記す。
ヘマトクリットは赤血球体積/全血体積で、百分率では100を掛ける。赤血球数は単位全血体積当たりの個数、Hb濃度は単位全血体積当たりのHb質量。分母は血液体積でも、分子の対象と量の種類が違う。白血球・血小板の体積はHctの分子へ含めない。

18. 割合の分母を動かす模型

白血球と血小板の体積を計算上省略した模型で、赤血球体積30単位と血漿体積70単位があるとします。全血体積は100単位で、ヘマトクリットは30/100、つまり30%です。この赤血球体積を保ち、血漿に液体50単位だけを加えると、全血体積は150単位になります。割合は30/150、つまり20%です。赤血球の総体積が変わらなくても、分母が増えると割合は低くなります。これは量の意味を比較する模型で、人体の基準値や個人の状態を決める例ではありません。

分母が増えるとHctは下がる

同じ高さの枠を左右に置き、左は赤血球30と血漿70で100まで、右は同じ赤血球30と血漿120で150まで満ちる。各成分量・全血量と分数30/100、30/150を直接記す。
白血球・血小板体積を計算上省略した模型。赤血球30+血漿70=全血100単位で30%。赤血球体積を保ち、血漿へ液体50単位を加えると血漿120・全血150となり20%。左右は同じ幅・同じ一単位当たりの高さで描き、薄い空白は液体で満たされていない枠の部分。正常値・個人の状態の診断には使わない。

19. 密度や割合から総量を読む条件

同じ血液体積当たりの赤血球数でも、一個の赤血球の大きさが違えば赤血球体積の割合は違い得ます。また、一個の赤血球に含まれるヘモグロビンの量が違えば、同じ個数密度でもヘモグロビン濃度は違い得ます。総量を知るには、測った血液体積の範囲も必要です。赤血球総体積は体積割合に全血体積を掛け、ヘモグロビン総質量は質量濃度に全血体積を掛けて考えます。同じ割合や濃度だけで、二つの血液の総量まで等しいとは決められません。

密度と総量を読み分ける

同じ全血体積の枠に同数の小さい赤血球と大きい赤血球を比較し、大きい赤血球の方が占める面積が大きい模型。下段では割合または濃度と全血体積を掛け、総体積または総質量を求める式。
上段は同じ血液体積に同じ個数の赤血球を置いた比較模型。細胞の大きさが異なれば赤血球体積割合は違い得る。一個当たりのHb量の違いでもHb濃度は変わり得る。下段は総赤血球体積と総Hb質量に全血体積の情報が必要な関係。描いた個数やサイズは正常値を示さない。

20. 損傷した血管の局所で始まる反応

血管が損傷すると、その場所の血管が収縮して血液の流出を抑える働きが起こります。血管壁の損傷で露出した部分などへ血小板が付着する働きも始まります。血管自体の収縮と、血小板が集まることは別の働きです。血管内面を覆う正常な内皮と損傷部の条件も区別し、正常な全血管内で常に血小板の塊を作るとは考えません。

局所収縮と血管壁の損傷

同じ外径の血管壁模型で、収縮後は壁の内側の内腔が小さく描かれる。下段の縦断面は下側内皮の一部が欠け、連続する血管壁が露出し、そこに血小板が接している。内皮と露出壁を別の指示線で示す。
上段は血管横断面の収縮前後で、内腔が狭くなり局所の流出を抑える働きの模式図。下段は血管縦断面で、内皮の損傷により露出した血管壁側へ血小板が付着する入口。収縮と付着は別の働きで、正常な全血管内で常に血小板塊が形成される図ではない。

21. 粘着・活性化・凝集の違い

血小板の粘着は、血小板が損傷部の血管壁側へ付着することです。活性化では形が変わったり、周囲の反応を助ける物質を放出したりします。凝集は、血小板どうしが集まることです。付着する相手が血管壁側なのか他の血小板なのかを分けると、粘着と凝集の違いが分かります。こうした血小板を中心とする働きを一次止血といいます。血小板の集まりそのものが、フィブリンというタンパク質へ変わるわけではありません。

血小板の粘着・活性化・凝集

上段の血小板は露出した壁に接する。中央では血小板が突起の多い形に変わり、外へ小粒を放出する。下段は壁に接する小板に別の小板が接して集まり、直接指示線は小板どうしの接点へ届く。
粘着は血小板が損傷部の血管壁側へ付着すること、活性化は形の変化や物質放出、凝集は血小板どうしが集まること。上段と下段は内皮が欠けた局所の壁を共通に描き、付着相手を変えて比較した。活性化の放出物は模式粒で、分子名や量を示さない。下段は小板の集まりで、まだフィブリンの網は描いていない。

22. 酵素が作用しフィブリンができる

凝固では、凝固因子の反応が連なり、プロトロンビンという前駆体から活性な酵素のトロンビンができます。トロンビンはフィブリノゲンに作用して、線維状のフィブリンの形成につなげます。ここでトロンビンは作用する酵素で、フィブリノゲンは変化する材料、フィブリンは形成される産物です。トロンビン自体がフィブリンの材料へ変わるのではありません。凝固によるフィブリン形成に関わる働きを二次止血といいます。

酵素の作用とフィブリン形成

プロトロンビン枠からトロンビン枠へ活性化の矢印。酵素枠から右へ迂回する破線の作用矢印はフィブリノゲン本体へ向かう。フィブリノゲンから線維網へ別の実線矢印が伸び、材料の変化を示す。
凝固因子の反応を経て、プロトロンビンから酵素トロンビンができる。トロンビンはフィブリノゲンへ作用し、フィブリン形成につなげる。前駆体から酵素への活性化と、材料から産物への変化を実線矢印で示し、酵素の作用を破線の開いた矢印で別に描いた。トロンビンがフィブリンの材料になる図ではない。分子形は識別用の模式形で、全凝固因子の連鎖は省略した。

23. カルシウムとビタミンKの関わり

カルシウムイオンCa²⁺は、凝固の複数の反応段階が進むことに関わります。一方、ビタミンKは、一部の凝固因子が正常に働ける形になるための準備に必要です。反応に関わるイオンと、一部の因子が機能するための準備を分けます。どちらもフィブリンの線維そのものを作る材料ではありません。また、全ての凝固因子がビタミンKだけから作られるという意味でもありません。

Ca²⁺とビタミンKの役割

上段はCa²⁺と反応段階を囲む枠、下段はビタミンKと一部因子の機能準備を囲む別枠。反応への関わりと準備を異なる区画で比較する。
Ca²⁺は凝固の複数の反応段階が進むことに関わり、ビタミンKは一部の凝固因子が正常に働ける形になる準備に必要。上段の二枠と矢印は反応段階の入口を示すだけで、特定の凝固因子を同定しない。どちらもフィブリン線維の材料ではなく、全ての因子がビタミンKだけから作られる関係でもない。

24. 二つの止血の働きが重なる

一次止血の血小板の粘着・凝集と、二次止血の凝固によるフィブリン形成は、時間的に重なって協力します。一次が完全に終わった後でしか二次が始まらないという固定した直列ではありません。フィブリンの線維は血小板の集まりを補強し、止血を支えます。線維に赤血球や血小板なども絡んだ凝固物を血餅といいます。フィブリンというタンパク質、血小板の集まり、できた血餅全体は別の範囲です。損傷部の止血に関わる血栓を止血血栓と呼ぶこともあります。

止血の協力と血餅の範囲

一次の時間帯と二次の時間帯は横方向で重なる。損傷壁の局所では血小板断片の集まりに網状のフィブリンが重なり、網の中に赤血球もある。直接指示線は小板本体とフィブリン線維を別に指す。
上段の時間帯は一次止血と二次止血が重なることを示す模型で、開始時刻や所要時間の定量ではない。下段はフィブリン線維が血小板の集まりを補強し、赤血球なども絡んだ血餅を示す。フィブリンというタンパク質と血餅全体は別の範囲。正常な損傷部の関係で、病的血栓の形成経路は示さない。

25. 形成したフィブリンを分解する

形成されたフィブリンを分解する過程が線溶です。プラスミノゲンという前駆体が活性化され、プラスミンという酵素になります。プラスミンは、すでに形成されたフィブリンを分解する働きを持ちます。フィブリンを作るトロンビンの作用と、できた線維を分解するプラスミンの作用は別です。線溶は、血小板の凝集が起きないことの別名ではありません。血餅・止血血栓の形成と分解は、周辺の調節や修復とつながる異なる過程です。

できたフィブリンを分解する

プラスミノゲン枠からプラスミン枠へ活性化の矢印。酵素から線維比較へ作用する破線矢印が向かう。左の連続したフィブリン網に対し、右は複数の線維が途切れて離れた断片になる。
プラスミノゲンが活性化されてプラスミンになる。酵素プラスミンは、形成済みのフィブリンを切断して分解する。前駆体から酵素への活性化と線維の変化は実線矢印、酵素の作用は破線の開いた矢印。分解後の網には切断された実際の間隙を描き、形成を助けるトロンビンの作用とは分けた。

26. 操作の前後で血漿と血清を分ける

同じ全血を二つの方法で扱うことを考えます。凝固を防いでから血球を分離すると、残る液体は血漿です。血漿にはフィブリノゲンが含まれます。一方、凝固させて血餅を除いた後の液体は血清です。凝固の過程でフィブリノゲンがフィブリンになるなど、成分の状態が変わっています。血清にもアルブミンなどのタンパク質があるので、純水や全タンパク質のない液体ではありません。血清は血漿から一成分だけを機械的に除いた、厳密に同一組成の液体とも考えません。

操作から血漿と血清を分ける

同じ全血の容器から二方向へ分かれる。左は凝固を防いだ液体と血球を分離して血漿へ、右は網と細胞の血餅を作り、血餅を除いて血清へ。左右の最終液体区画の両方にタンパク質を描き、血漿にはフィブリノゲンの模式形を含む。
同じ全血を凝固を防ぐ方法と凝固させる方法へ分けた。前者で血球を分離するとフィブリノゲンを含む血漿、後者で血餅を除くと血清を得る。タンパク質を代表的な模式形で示し、血清にもアルブミンなどがある。試料の高さや個数・比率は正常値ではなく、全組成を描いていない。血清を全タンパク質のない液体、または血漿から一成分だけを機械的に除いた厳密に同じ組成とはしない。

27. ABOは赤血球の抗原と血漿の抗体を見る

ABO型は、赤血球表面のA抗原とB抗原の有無で整理します。典型的な成人では、A型はA抗原と血漿中の抗B、B型はB抗原と抗A、AB型はA・B両抗原と通常は抗A・抗Bのどちらもない血漿、O型はA・B両抗原がない赤血球と抗A・抗Bのある血漿です。O型でも他の種類の抗原はあり、全ての抗原がない意味ではありません。抗AはA抗原、抗BはB抗原を認識する抗体です。赤血球表面の抗原と血漿中の抗体を逆の場所へ置かないようにします。これは典型的成人の入口で、新生児や個別の例へ無条件に一般化はできません。

A型・B型の抗原と抗体

二つの血漿枠に赤血球と抗体がある。A型ではAを内包する円形抗原が赤血球表面につながり、血漿には抗B。B型ではBを内包する四角い抗原が表面につながり、血漿には抗A。直接指示線は表面抗原と血漿中の抗体を別に指す。
典型的成人のA型は赤血球表面のA抗原と血漿中の抗B、B型はB抗原と血漿中の抗Aで整理する。抗原は赤血球の膜表面につなぎ、抗体のY形は血漿内へ置いた。A・Bの形や個数、抗体の形は識別用の模式形で、分子立体構造・密度を示さない。新生児・個別例や輸血可否へ一般化しない。

AB型・O型も区画で読む

AB型赤血球の異なる表面に円形A抗原と角形B抗原が付き、血漿側は抗Aなし・抗Bなしと記す。O型表面には他を内包する抗原の模式形があり、血漿に二つの抗体を分けて描き、抗A・抗Bと直接記す。
典型的成人のAB型は赤血球表面にA・B両抗原があり、血漿には通常抗A・抗Bのどちらもない。O型はA・B両抗原がないが、他の抗原はある。血漿には抗Aと抗Bがある。抗原の模式形は表面につなぎ、抗体は血漿中へ置いた。AB型の通常条件は個別例へ無条件に一般化しない。

28. RhDと抗Dは別の情報

RhD陽性は赤血球にD抗原があること、RhD陰性はD抗原がないことを表します。ABOとは別の比較軸で、D陰性をRhの全ての抗原がない意味にもしません。抗DはD抗原を認識する抗体で、D抗原への曝露後などに作られ得ます。D陰性というだけで、抗Dが自然に常在すると決めることはできません。典型的成人のABO抗体の対応を、そのまま抗Dにも当てはめないようにします。

RhDの抗原と抗Dの条件

上段の陽性赤血球ではDを内包する表面抗原が膜につながり、陰性ではD抗原なしと明記する。下段の別枠はD抗原への曝露後などという条件を付け、Y形の抗Dが作られ得ることを示す。
RhD陽性/陰性は赤血球のD抗原の有無を示し、ABOとは別の軸。D陰性をRhの全抗原欠如とはしない。下段の抗DはD抗原への曝露後などに作られ得る条件を示す枠で、D陰性全例に常在する抗体を描いたものではない。模式抗原のD文字は抗原名を示し、分子密度や全Rh抗原を示さない。

29. 血管の内外とリンパ管の中

血管の中の液体成分は血漿です。血管の外で組織の細胞間にある液体は組織液、間質液ともいいます。その一部がリンパ管へ入るとリンパ液と呼びます。血漿、組織液、リンパ液は存在する区画が違います。リンパは管を進み、合流した後に最終的に静脈へ戻ります。初めから静脈内にあった血液と、組織液からリンパ管を経て戻る経路を同じにしないことが大切です。

血管内からリンパ管・静脈へ

赤血球のある血漿区画から矢印が細胞間の組織液へ向かう。組織液から入口の開く部分を通る矢印がリンパ管へ入り、管内はリンパ液と記す。リンパ管の壁は静脈の上壁の開口へ連続して接続し、流れの矢印が静脈内腔へ進む。
血管内の液体成分は血漿、細胞間の液体は組織液、その一部がリンパ管へ入るとリンパ液。上段の血管から細胞間へ向かう液体の経路と、初めから血管内にある赤血球を区別した。リンパ管の入口は壁の開く部分を模型として描き、管は下段の静脈内腔へ接続する。流量、組成の同一性、全リンパ管分布を示す図ではない。

30. 押す働きと逆流を防ぐ働き、異物の到達先

リンパ液の流れは周囲の骨格筋の収縮などによって助けられます。管の弁は逆流を防ぎます。押す力を補うことと一方向の流れを保つことは別で、全ての流れを骨格筋だけが作るわけでもありません。リンパ節はリンパ液で到達した異物への反応に関わり、リンパ球やマクロファージなどが働きます。脾臓は血液で到達した異物への反応に関わります。脾臓の生体防御と古い赤血球の処理も別の働きとして、運ばれるものと経路を追います。

押す働きと逆流を防ぐ構造

赤系の二つの骨格筋がリンパ管の外側にあり、左右から管を押す太い矢印が向かう。管内には上向きの流れと、管壁へ接続する二枚の弁がある。弁の指示線は右の弁本体に届く。
リンパ管の周囲の骨格筋が収縮し、圧迫により流れを助ける。管内の弁は逆流を防ぐ。左右から管へ向かう太い茶色矢印は圧迫、管内の上向き矢印はリンパ液の流れ。弁は壁に付着した実際の二枚の形で、中央の通路が開いた状態を模型化した。筋だけが全ての流れを作るとはしない。

脾臓とリンパ節へ届く経路

血液から脾臓へ届く異物と、リンパ液からリンパ節へ届く異物の経路を上下に示しています。
脾臓は、血液に含まれる異物への免疫応答に関わります。リンパ節は、リンパ液に含まれる異物への免疫応答に関わります。

用語を確かめる

全血
血漿と有形成分を合わせた血液全体。
血漿
血液の液体成分。大部分は水で、タンパク質や電解質などを含む。
有形成分
血液中の赤血球・白血球・血小板など、形を持つ成分。全てが有核の完全な細胞という意味ではない。
赤血球
主にヘモグロビンを含み、酸素の運搬に関わる血球。成熟したヒト赤血球には核もミトコンドリアもない。
白血球
核を持ち、生体防御に関わる複数種類の血球。
血小板
巨核球の細胞質の一部から生じる細胞断片。止血に関わる。
ホルモン
細胞や器官から放出され、他の細胞などへ情報を伝える物質。血液で運ばれるものがある。
pH
溶液の酸性・アルカリ性を表す尺度。
電解質
水に溶けてイオンになる成分。ナトリウムや塩化物などが体液中にある。
リポタンパク質
脂質とタンパク質が組み合わさった複合体。血漿中での脂質運搬に関わる。
アルブミン
主に肝臓で作られる血漿タンパク質。膠質浸透圧への寄与と物質の運搬に関わる。
膠質浸透圧
膜や壁を通りにくいタンパク質などが、水の分布に関わる浸透圧。血漿タンパク質は水を血管側へ保つ働きを支える。
グロブリン
タンパク質の大きな分類の一つ。免疫グロブリン以外も含み、全てが抗体ではない。
免疫グロブリン
抗体として働くタンパク質。Bリンパ球から分化した形質細胞が作る。
抗体
抗原の特徴を認識して結合する免疫グロブリン。抗原そのものとは別の分子。
抗原
抗体などによって認識される特徴を持つ物質。
フィブリノゲン
血漿中の凝固に関わるタンパク質。凝固の過程でフィブリンになる。
フィブリン
凝固で形成される線維状のタンパク質。血小板の集まりそのものではない。
Bリンパ球
リンパ球の一群。形質細胞へ分化して抗体の産生につながる。
形質細胞
Bリンパ球から分化し、免疫グロブリンを作る細胞。
分化
細胞が特定の構造や働きを持つ方向へ進むこと。
脾臓
血液の流れで到達した成分に関わる臓器。古い赤血球の処理と生体防御に関わる。
ヘモグロビン
主に赤血球内にある、ヘムとグロビンからなるタンパク質。酸素を結合して運ぶ。
グロビン
ヘモグロビンのタンパク質部分。
ヘム
鉄を含む構造。ヘモグロビンのヘムの鉄は酸素の結合に関わる。
解糖系
細胞質基質でグルコースを分解する反応経路。ATPを作ることにも関わる。
ATP
細胞がエネルギーを利用する反応に関わる物質。消費する働きと作って補う働きがある。
グルコース
ブドウ糖のこと。解糖系などの材料になる。
電子伝達系
電子を段階的に受け渡す反応のつながり。ミトコンドリアの電子伝達系はATP生成につながる。
造血
血球を作る働き。
骨髄
骨の内部にある組織。骨梁の硬い骨質とは別で、赤色骨髄は活発な造血を担う。
赤色骨髄
造血細胞が多く、活発な血球産生に関わる骨髄。
黄色骨髄
脂肪を多く含む骨髄。成人の活発な造血を担う赤色骨髄と区別する。
造血幹細胞
自己複製で集団を保ち、分化を通してさまざまな血球を生む出発点となる細胞。
自己複製
幹細胞としての性質を持つ細胞を残し、幹細胞集団を保つ働き。
巨核球
骨髄にある大きな細胞。その細胞質の一部から血小板が生じる。
EPO
エリスロポエチン。主に腎から血中へ出て、骨髄で赤血球の形成を促すホルモン。
負のフィードバック
初めの変化を抑える方向へ、応答がつながる関係。
マクロファージ
異物や古い細胞などを取り込んで処理する細胞。全てが血中単球だけに由来するわけではない。
トランスフェリン
血中で鉄を結合して運ぶタンパク質。
ビリルビン
ヘムの分解によって生じる色素。胆汁に含まれる。
胆汁酸塩
胆汁の成分で、脂質の消化を助ける。色素のビリルビンとは別。
顆粒球
好中球・好酸球・好塩基球をまとめた白血球の群。
好中球
組織へ移動し、食作用で異物などを取り込んで分解する白血球。
好酸球
寄生虫防御やアレルギー反応に関わる白血球。
好塩基球
周囲の反応に関わる物質を放出するなどの役割を持つ白血球。
単球
血中にある白血球の一群。組織に入りマクロファージへ分化する経路がある。
リンパ球
B細胞・T細胞・NK細胞などの群を含む白血球。
T細胞
リンパ球の一群。他の細胞の反応を調節したり標的細胞に働いたりする。
NK細胞
ナチュラルキラー細胞。変化した標的細胞の排除に関わるリンパ球の一群。
食作用
細胞が異物などを取り込んで処理する働き。
ヘマトクリット
全血体積に対して赤血球体積が占める割合。
個数密度
単位体積当たりの個数。総個数とは別の情報。
質量濃度
単位体積当たりの物質の質量。総質量とは別の情報。
内皮
血管内面を覆う細胞の層。
一次止血
血小板の粘着や凝集を中心とする止血の働き。
粘着
血小板が損傷部の血管壁側などへ付着すること。
活性化
血小板などが刺激に応じ、形の変化や物質放出などの反応を起こすこと。
凝集
血小板どうしが集まること。
二次止血
凝固によるフィブリン形成に関わる止血の働き。
凝固因子
血液凝固の反応に関わる成分。
プロトロンビン
活性な酵素トロンビンの前駆体。
トロンビン
フィブリノゲンへ作用し、フィブリン形成につなげる酵素。
カルシウムイオン
Ca²⁺で表すイオン。凝固の複数段階などに関わる。
ビタミンK
一部の凝固因子が正常に働ける形になるための準備などに必要なビタミン。
血餅
フィブリン線維に赤血球や血小板なども絡んだ凝固物。
止血血栓
損傷部の止血に関わる血栓。
線溶
形成されたフィブリンを分解する過程。
プラスミノゲン
活性な酵素プラスミンの前駆体。
プラスミン
形成されたフィブリンを分解する酵素。
血清
血液を凝固させ、血餅を除いた後の液体。アルブミンなどのタンパク質も含む。
A抗原・B抗原
ABO型の整理に使う、赤血球表面の抗原。
抗A・抗B
それぞれA抗原、B抗原を認識して結合する抗体。
D抗原
Rh型の抗原の一つ。赤血球のD抗原の有無がRhD陽性/陰性の整理に使われる。
抗D
D抗原を認識する抗体。D陰性というだけで自然に常在するとは限らない。
組織液
血管外で組織の細胞間にある液体。間質液ともいう。
リンパ液
組織液の一部がリンパ管へ入ったもの。
リンパ管
リンパ液を運び、最終的に静脈へつながる管。
リンパ節
リンパ液で到達した異物への免疫反応に関わる場所。
弁
逆向きの流れを防ぐ構造。押す力を作る働きとは別。