神経系の区分と基本回路

本文の目次

  1. 細胞とその突起を分ける
  2. 中枢は頭の中だけではない
  3. 一本の神経にも多くの線維がある
  4. 灰白質と白質は成分の偏り
  5. 内側と外側は場所によって違う
  6. 細胞体の集まりと線維の束
  7. 求心と遠心は中枢を基準にする
  8. 情報の到着と実際の作用
  9. 反射と意思による運動
  10. 反射弓と数える接続
  11. 局所の応答と上位への枝
  12. 骨格筋へ達する体性の出力
  13. 自律の節前と節後
  14. 二ニューロン型ではない例
  15. 交感系と副交感系の入口
  16. いつも正反対とは限らない
  17. 放出する場所と物質名
  18. どの情報で分類したか

1. 細胞とその突起を分ける

ニューロンは一個の神経細胞で、細胞体と突起を持つ。軸索はその突起の一つで、活動電位を他の場所へ伝える。細胞体に続く長い軸索を、別の一個の細胞として足すわけではない。ニューロンどうしの連絡では、別の細胞との接続をシナプスという。神経組織には、ニューロンの働きや環境を支えるグリア細胞もある。細胞、細胞の一部分、細胞が集まる組織という大きさの違いを最初に分けて読む。

2. 中枢は頭の中だけではない

脳と脊髄を合わせて中枢神経系(CNS)という。脊髄は頭部の外にあっても中枢である。中枢につながる末梢の神経や神経節は末梢神経系(PNS)に属する。神経節は、末梢に神経細胞の細胞体が集まる構造である。頭部にも末梢の神経があるので、頭の内外だけで中枢と末梢を決めない。この構造上の区分と、情報がどちらへ向かうかという区分は別に読む。

3. 一本の神経にも多くの線維がある

末梢神経は、多数の軸索などが支持組織とともに束を作る構造である。軸索とその周囲の構造を合わせた細い経路を神経線維と呼ぶ。一つのニューロンの軸索と、多数の線維を含む一本の末梢神経は同じ大きさではない。感覚の情報を中枢へ送る線維と、中枢からの出力を運ぶ線維が同じ束に含まれるものを混合神経という。束が一本という記録から、ニューロンが一個、情報の向きが全て同じとは決められない。

一個の細胞と線維の束

上の一個のニューロンは、枝のある丸い細胞体と、それに連続した一本の長い軸索で描く。細胞体内の小さい丸は核で、軸索を別の細胞として数えない。軸索の一部を括弧で選び、破線の拡大対応矢印で下の神経束の一部へ結ぶ。下の外側の輪郭が一本の末梢神経を表し、その中には複数の線維と支持組織がある。太く選んだ軸索を含む線維は束の一部であり、束全体が上の一個のニューロンという意味ではない。斜線部は支持組織と直接ラベルで示す。丸い細胞体、長い軸索、束の外側の輪郭を別の大きさの構造として読む。拡大矢印は同じ部分の対応で、物質や信号の移動経路ではない。髄鞘や血管などの細部を全て描く図ではなく、全ての線維が有髄・全神経が混合という意味も含めない。
上は一個のニューロン、下は多数の線維を含む一本の末梢神経の模式です。上の選んだ軸索が下の束の一部となる対応を拡大矢印で示します。斜線部は支持組織の模式で、線維数・長さ・支持組織の割合は実測値ではありません。

4. 灰白質と白質は成分の偏り

灰白質にはニューロンの細胞体、樹状突起、シナプスなどが多い。樹状突起は、他の細胞からの入力を受けることに関わる突起である。白質には主に髄鞘を持つ軸索が多い。髄鞘は軸索を包み、活動電位の伝導に関わる構造である。これらは多い成分の違いを示す呼び方で、灰白質が細胞体だけ、白質が有髄軸索だけという意味ではない。どちらにもグリアなどがあり、白質を細胞のない場所とは呼ばない。

5. 内側と外側は場所によって違う

大脳の表面の皮質は灰白質で、その内側には白質がある。ただし、大脳の内部にも細胞体が集まる灰白質の領域がある。脊髄の断面では、中央寄りに灰白質、外側に白質がある。この二つの典型例でも内外の配置は同じではない。中枢神経系のどこでも、外側は灰白質、内側は白質と固定して読まない。

灰白質と白質の位置

上に大脳の模式断面、下に脊髄の模式横断を描く。大脳の外側の帯が皮質の灰白質で、内側の白質とは別に、内部にも灰白質の集まりを描く。灰白質の点模様は組織領域の区別で、一個の細胞核の印ではない。下の脊髄では内側の蝶形に近い領域が灰白質、その周りが白質。大脳と脊髄で内外の配置が違うことが上下の図から読める。点模様の灰白質と斜線の白質は色を使わなくても識別できる。灰白質は細胞体、樹状突起、シナプスなどが多く、白質は有髄軸索が多いという成分の偏りを示す。両方にグリアなどの細胞があり、白質が細胞のない空間ではない。中枢の全ての部位が同じ配置という意味ではなく、典型的な二例を比べる。切断方向・形・面積比は簡略化した模式である。
大脳と脊髄の典型的な断面の模式です。大脳では表面の皮質と内部の集まりが灰白質、脊髄では内側が灰白質です。点模様は灰白質、斜線は白質を区別します。灰白質には細胞体など、白質には有髄軸索が多いという成分の偏りで、どちらにもグリアなどがあります。形・面積比・細部の位置は実測を示しません。

6. 細胞体の集まりと線維の束

中枢で神経細胞の細胞体が集まる領域を神経核、末梢で集まる構造を神経節という。ここでの神経核は、多数の細胞体の集まりであり、一個の細胞の中にある核とは別の意味である。情報を運ぶ線維の束は、末梢では神経、中枢では伝導路などと呼ばれる。細胞体の集まりと、線維が通る束を区別する。神経節という名前だけで、その場所に必ず別のニューロンへのシナプス中継があるとも決めない。

7. 求心と遠心は中枢を基準にする

中枢神経系へ向かう情報を求心性、中枢から末梢へ向かう情報を遠心性という。ここでの「心」は心臓を目印にする意味ではない。頭側・足側や、一個のニューロンの細胞体へ近づくかどうかでも決めない。感覚ニューロンの細胞体が末梢の感覚神経節にあっても、そこから脊髄へ続く枝を進む情報は中枢へ向かうので求心性である。この神経節では、同じ感覚ニューロンの末梢側と中枢側の枝が連続しており、細胞体があることを別ニューロンへの中継と取り違えない。

場所の区分と情報の向き

左の中枢領域の中に上の脳と縦長の脊髄を描き、頭部の外にある脊髄も中枢に保つ。右は末梢領域で、上には感覚神経節内の細胞体の一例を拡大して描く。核を含む丸い細胞体から短い枝が下へ伸び、左右に続く感覚枝につながる。細胞体と枝は一個のニューロンの連続する部分で、この神経節に別細胞への必須シナプス中継は描かない。太い線はこの感覚枝の連続を示す。上の破線矢印は末梢から中枢へ向かう求心性の情報で、感覚神経節の細胞体から離れる区間でも中枢へ向かう。下の実線矢印は中枢から末梢へ向かう遠心性の情報の別の経路例である。矢印は情報方向の表示で、物質一粒の全長移動ではない。構造の領域と情報方向は別の記号で示す。中枢・末梢の枠は実際の体表や細胞膜ではなく、所属を示す模式。頭部の内外や細胞体との距離を中枢・末梢や求心・遠心の定義へ置き換えない。
脳と脊髄は中枢、右の神経節と経路は末梢です。感覚神経節内の一細胞を拡大した例では、細胞体の脇を通る枝が連続しています。求心・遠心は中枢を基準にした情報の向きで、細胞体への近さとは別です。輪郭や配置は所属の模式で、実寸・神経の全走行・体積比は示しません。

8. 情報の到着と実際の作用

受容器は刺激を受け取り、神経の入力へつなぐしくみである。入力は求心性経路を通って中枢へ入り、中枢では複数の情報が処理されて出力につながる。この処理を統合という。遠心性経路の先で、力を出す筋や分泌する腺などを効果器と呼ぶ。腺は物質を作り、分泌する組織である。受容器の入力、神経の出力、効果器が実際に働いた記録は別々で、一段階の到着だけでは残り全てを測ったことにならない。心筋や平滑筋、腺などの働きを調節するのが自律神経系である。この調節にも中枢の統合や出力があり、自律神経系を末梢だけの働きとしない。

9. 反射と意思による運動

ここでは、中枢を含む基本反射を読む。反射は受容器への刺激をきっかけに、神経回路を通って生じる非随意の応答である。非随意とは、その応答を起こすために意思による開始の判断を必要としないことを指す。速い動きや、本人が意識しなかった動きという特徴だけでは、反射の回路を確認したとはいえない。骨格筋が効果器になる体性反射も、内臓の働きに関わる自律反射もある。骨格筋へ向かう体性の出力を、随意運動だけに限らない。自律の調節も、反射だけで起こるわけではない。

10. 反射弓と数える接続

基本反射では、受容器から求心性経路、中枢での処理、遠心性経路、効果器へとつながる。この一連の経路を反射弓という。中枢内で感覚ニューロンから運動ニューロンへ直接一回のシナプスを介する経路が単シナプス性である。間に情報をつなぐ介在ニューロンがあれば、複数のシナプスを介する多シナプス性の経路になり得る。全反射に一個の介在ニューロンが必須という意味ではない。中枢内の神経細胞間シナプスだけを数えるときは、神経から筋への神経筋接合部をその数に混ぜない。

中枢内で数える接続

上下に同じ大きさの中枢内の枠を描く。上は単シナプスの指定模型で、左から入る感覚ニューロンの軸索が一回の神経細胞間接続を介し、運動ニューロンにつながる。接続を短い二本線で示し、その間へ指示矢印と一回という数を対応させる。運動ニューロンは丸い細胞体から軸索を右へ伸ばし、枠外の筋につながる。下は多シナプスの指定模型で、感覚の軸索と運動ニューロンの間に別の介在ニューロンを置く。感覚から介在へ、介在から運動へと二回の接続があり、一と二の指示をそれぞれへ対応させる。ここでは中枢内の神経細胞間シナプスを数え、右側の神経筋接合部は数に含めない。感覚ニューロンの細胞体は省略し、細胞体が描かれていない線を別の細胞として増やす意味ではない。情報は連続した軸索と接続を介して進むが、物質の一粒が全長を移動する図ではない。上は一回、下は二回という指定例で、全ての多シナプス性反射が二回、全反射に一個の介在ニューロンが必要という意味ではない。
一回と二回の中枢内接続を比べる指定模型です。淡い枠の中で、神経細胞間の短い二本線の接続だけを数えます。下の介在ニューロンは別の細胞で、感覚の軸索と運動ニューロンの間をつなぎます。右の筋への接続は、この数の外です。実際の全反射の型・細胞数・走行やシナプスの寸法は示しません。

11. 局所の応答と上位への枝

脊髄や脳幹でつながる局所の経路は、大脳での意識的な判断が先に行われなくても反射の応答を起こせる。脳幹は脳の一部で、脊髄と他の脳の領域を結ぶことにも関わる。反射を全て脊髄だけの働きともしない。感覚入力には、局所の回路へ入る枝と、脳の上位の領域へ向かう枝がある場合がある。また、上位からの入力で局所反射の起こり方が調節されることもある。局所経路があることは、脳から独立して一切調節されないという意味ではない。別の枝が保たれると明示された模型では、一枝の変化を全ての経路の消失へ広げない。

局所の応答と上位への枝

左の受容器から情報の矢印が局所の中枢へ入り、統合の箱へつながる。統合は複数の情報を処理して出力へつなぐ段階を表す。そこから別の実線矢印が局所の中枢の外へ出て、下の筋などの効果器へ達する。同じ入力の途中から上へ分かれる破線矢印を上行枝とし、上位中枢へ向かわせる。上位中枢から局所の統合へ戻る別の破線矢印は、上位からの調節を表す。上行と上位からの入力は反対の方向の別の経路である。局所経路、上行枝、上位の調節を同時に図示することで、局所の応答が可能であることと、上位の影響がないことを取り違えない。全ての反射がこの接続数、同じ位置、同じ上行枝を持つという意味ではない。円や箱は受容器、処理、効果器の段階の模式で、ニューロン数を数える記号ではない。矢印はいずれも情報方向を示す。
一つの入力から局所の経路と上行枝が分かれる指定回路の模式です。局所の中枢から効果器へつながり、上位からの調節も別の矢印で示します。実線・破線の矢印はいずれも情報の向きで、物質の移動ではありません。枠は処理の段階で、細胞の数や実際の神経路の走行は示しません。局所の中枢には脊髄や脳幹などがあり、脳からの影響がないという意味ではありません。

12. 骨格筋へ達する体性の出力

骨格筋へ達する末梢の体性遠心の典型では、中枢に細胞体を持つ一個の運動ニューロンの軸索が筋へつながる。神経筋接合部では、神経の終末から放出されたアセチルコリン(ACh)が筋側の受容体へ作用する。数えているのは、中枢から骨格筋までの末梢の運動出力である。その上流の中枢内の情報処理が、全て一個のニューロンでできるという意味ではない。同じ骨格筋への出力は、意思による運動にも体性反射にも使われる。呼吸に使う横隔膜も骨格筋で、自動的な呼吸と意識的に変える呼吸のどちらも、この筋への体性の運動出力を使う。

13. 自律の節前と節後

心筋、平滑筋、腺などへ向かう典型的な自律遠心は、二個のニューロンを介する。中枢に細胞体を持ち、末梢の自律神経節へ軸索を伸ばすのが節前ニューロンである。神経節でその入力を受け、効果器へ軸索を伸ばすのが節後ニューロンである。節前の軸索が中枢の外を通る部分と、中枢にある節前の細胞体は、一個のニューロンの別の部分である。典型的な自律神経節では節前から節後へのシナプスがあり、感覚神経節に細胞体があることとは接続の意味が違う。

末梢への出力を比べる

上下で中枢の枠を同じ左側に置き、効果器を右側に置く。上は体性の典型的な末梢運動出力で、中枢内の丸い運動ニューロンの細胞体から一本の軸索が枠の外へ伸び、骨格筋につながる。中枢内の細胞体と末梢を通る軸索を二個の細胞と数えず、一個のニューロンとして読む。下は典型的な自律遠心の出力で、中枢内の節前ニューロンの細胞体から軸索が伸び、末梢の自律神経節へ入る。神経節の中には別の節後ニューロンの細胞体があり、節前の終末との間に短い二本線のシナプスを描く。節後の軸索がさらに右の心筋、平滑筋、腺などの効果器へ続く。この二細胞の接続は、同じ細胞の枝が連続する感覚神経節とは別である。上を一個、下を二個と数えるのは、指定した中枢から効果器への末梢出力で、その上流の中枢内統合が全て一個または二個という意味ではない。形、距離、軸索長や神経節の位置の実測は示さない。
中枢から効果器までの典型的な末梢出力を比べます。上は一個の運動ニューロンが骨格筋へ、下は節前から自律神経節の節後ニューロンを介して心筋・平滑筋・腺などへつながります。丸い細胞体とその軸索は同じ一個の細胞です。数える範囲より上流の中枢処理や、全ての例外は描いていません。

14. 二ニューロン型ではない例

典型的な自律遠心の二ニューロン型には、別の構成をとる例もある。腎臓の上方にある副腎の中心部を副腎髄質という。ここでは交感系の節前線維が分泌細胞へつながり、その細胞がアドレナリンなどを血液へ放出する。神経による入力から、血液で運ばれるホルモンへという連絡である。この分泌細胞を、臓器へ軸索を伸ばす通常の節後ニューロンとして付け足して数えない。

神経の入力から血液へ

左の中枢内に節前ニューロンの細胞体を置き、その軸索が右の副腎髄質の分泌細胞へつながる。軸索に沿う上側の破線矢印で、神経による入力を示す。右の副腎髄質内に丸みを帯びた分泌細胞を一例として描き、入力の先はこの分泌細胞で止まる。分泌細胞から他の臓器へ伸びる軸索は描かない。分泌細胞内から下の血管内へ向かう実線矢印と丸印は、アドレナリンなどのホルモンを血液へ放出する別の経路である。血液の中の横向き矢印は血流による運搬を示す。丸印はホルモンの模式記号で、分子数や分泌量の比率を示さない。情報の破線矢印と物質の丸印付き矢印を、色がなくても区別する。副腎髄質は副腎の中心部で、ここでは位置や境界を拡大簡略化している。通常の節後ニューロンではない分泌細胞への連絡なので、この例を典型的な二ニューロン型と同じに数えない。
副腎髄質の構成を示す別の例です。交感系の節前線維は分泌細胞へ入力し、分泌細胞はアドレナリンなどのホルモンを血液へ放出します。神経の情報は破線矢印、ホルモンの経路は丸印と実線矢印で区別します。分泌細胞を、臓器へ軸索を伸ばす通常の節後ニューロンとして数えません。形・位置・分泌量・時間は模式です。

15. 交感系と副交感系の入口

自律遠心には交感系と副交感系がある。代表的な節前ニューロンの細胞体が出る領域は、交感系では脊髄の胸腰部、副交感系では脳幹と脊髄の仙髄である。胸腰部と仙髄は脊髄の区分名であり、同名の骨の高さをそのまま示すものではない。この区分は、神経の出発点と接続に基づく。交感系を気持ちの緊張だけ、副交感系を安心だけに置き換えない。両系の活動は、その時の体の状態や臓器によって変わる。

16. いつも正反対とは限らない

心拍数の一般的な調節では、交感系は増やす向き、副交感系は減らす向きに働く。これは全臓器の全作用が必ず反対になるという法則ではない。例えば、唾液腺の分泌には両系が関わり、分泌の量や性質の変化を心拍数と同じ一つの増減へ置き換えられない。汗を出すエクリン汗腺は主に交感系に支配される。全臓器が常に両系から同じ程度に支配されるとも決めない。臓器と、比べる働きを一緒に確かめる。

17. 放出する場所と物質名

交感系と副交感系の典型的な節前ニューロンは、どちらも神経節などでAChを放出する。節後では、典型的な交感系の多くがノルアドレナリンを、副交感系がAChを使う。ただし、エクリン汗腺を支配する交感系の節後ニューロンはAChを使う。骨格筋へ達する体性の運動ニューロンもAChを使う。物質名だけで副交感系と決めず、どの細胞がどこで放出し、どの相手へつながるかを合わせて読む。同じ物質でも、受け手の受容体や下流のしくみで作用は違い得る。

18. どの情報で分類したか

一本の末梢神経という構造、そこに含まれる求心性の線維、細胞体のある神経節、効果器の応答は別の観測である。名前が一つ分かっても、全ての情報方向、接続、働きが分かったとはいえない。入力が中枢へ到着した記録だけでは、遠心性経路や効果器が実際に働いたことは未確認である。逆に、効果器の応答が一つ見えても、候補となる入力経路や原因が複数あるなら、それだけで一つへ特定できない。構造、向き、接続、応答の記録を分けて、直接確かめた範囲を読む。

用語を確かめる

ニューロン
一個の神経細胞。細胞体と突起を持つ。
軸索
ニューロンの突起の一つ。活動電位を他の場所へ伝える。
末梢神経
多数の軸索などが支持組織とともに束を作る末梢の構造。
神経線維
軸索とその周囲の構造を合わせた細い経路。
混合神経
求心性と遠心性の線維を同じ束に含む末梢神経。
中枢神経系(CNS)
脳と脊髄を合わせた構造上の区分。
末梢神経系(PNS)
中枢につながる末梢の神経や神経節などの構造上の区分。
灰白質
細胞体、樹状突起、シナプスなどが多い神経組織の領域。これらだけからなるという意味ではない。
白質
主に髄鞘を持つ軸索が多い神経組織の領域。グリアなどもあり、細胞のない場所ではない。
神経核
中枢で神経細胞の細胞体が集まる領域。一個の細胞の核とは別。
神経節
末梢で神経細胞の細胞体が集まる構造。名前だけではシナプス中継の有無は決められない。
伝導路
中枢で情報を運ぶ線維の経路。
求心性
中枢神経系へ向かう情報の方向。
遠心性
中枢神経系から末梢へ向かう情報の方向。
受容器
刺激を受け取り、神経の入力へつなぐしくみ。
統合
中枢などで複数の情報を処理し、出力へつなぐこと。
効果器
神経の出力などを受け、力や分泌などの実際の作用を示す筋・腺など。
非随意
その応答を起こすために、意思による開始の判断を必要としないこと。
反射
受容器への刺激をきっかけに、神経回路を通って生じる非随意の応答。ここでは中枢を含む基本反射を扱う。
反射弓
基本反射の受容器から、求心性経路、中枢での処理、遠心性経路、効果器へつながる経路。
介在ニューロン
他のニューロン間で情報をつなぐニューロン。
単シナプス性
ここでは、反射経路の中枢内の神経細胞間シナプスを一回介すること。
多シナプス性
複数の神経細胞間シナプスを介すること。数える経路と範囲を確かめる。
脳幹
脳の一部。脊髄と他の脳の領域を結ぶことにも関わる。
体性遠心
骨格筋へ向かう運動出力。随意運動だけでなく体性反射にも使われる。
自律遠心
心筋・平滑筋・腺などへ向かう出力。典型的には節前と節後の二ニューロンを介する。
節前ニューロン
典型的な自律遠心で、中枢に細胞体があり末梢の自律神経節などへ軸索を伸ばすニューロン。
節後ニューロン
典型的な自律遠心で、末梢の自律神経節に細胞体があり効果器へ軸索を伸ばすニューロン。
副腎髄質
副腎の中心部。交感系の節前線維による入力を受けた分泌細胞がホルモンを血液へ放出する。
交感系
自律神経系の一部。代表的な節前細胞体の出る領域は脊髄の胸腰部。
副交感系
自律神経系の一部。代表的な節前細胞体の出る領域は脳幹と脊髄の仙髄。
エクリン汗腺
汗を出す腺の一種。主に交感系に支配され、節後でAChを使う代表例。
アセチルコリン(ACh)
神経の伝達物質。両自律系の節前や、体性の神経筋接合部など複数の経路で使われる。
ノルアドレナリン
典型的な交感系の節後の多くで使われる伝達物質。物質名だけで全経路の分類を決めない。