肺胞の空気と血液の間の薄い壁

肺胞の空気は外界につながる空気側にあり、体液ではない。その周囲を肺の毛細血管が走る。空気と血液の間には、薄いI型肺胞細胞でできた上皮、その下の基底膜などの薄い境界、毛細血管の内皮がある。内皮は血管内面を覆う細胞の層である。酸素などのガスはこの薄い壁を越える。壁を作る各細胞にも細胞膜があるが、肺胞から血液までの壁全体を一個の細胞膜と同一には扱わない。血液は血管内を流れ、ガスは空気側と血液側の境界を越える。

空気と血液は、壁の両側

上に肺胞の空気、下に毛細血管内の血液を置き、その間を三つの別の薄い層に分けた断面模式。上の層はI型肺胞上皮、その下の斜線の層は基底膜など、その下の層は毛細血管内皮。右の破線の酸素矢印は空気側から三層を越えて血液側へ、二酸化炭素の破線矢印は血液側から空気側へ向かう。血液領域の下では太い実線矢印を横向きに置き、血管に沿う血流と壁越え移動を分ける。各層の名称は短い引出線で対応し、一個の細胞膜を三層全体と同一には扱わない。空気側は体液ではなく、血液がそのまま空気側へ流れる矢印もない。ガスの向きは通常の肺の条件で、各ガス自身の分圧差による。壁の各厚さは見やすい拡大で、胸膜二葉の間隙をこの壁の一層に混ぜていない。
肺胞壁の一部を拡大した断面です。空気と血液の間のI型肺胞上皮、基底膜などの薄い境界、毛細血管内皮を分けます。破線矢印は壁を越えるガス、実線矢印は血管内血流です。細胞と壁の厚さ・隙間は読めるように広げ、実寸や量を表しません。胸膜の図とは別の拡大です。