器官の表面と袋の壁を分ける

胸膜・心膜・腹膜の「膜」は、体内の表面を覆う組織の薄い層であり、一個の細胞の脂質二重層である細胞膜とは違う。漿膜の「葉」は膜の層の呼び名で、壁側葉は腔や袋の壁側、臓側葉は器官の表面側にある。胸膜と腹膜では壁側葉が体壁側を覆う。漿膜性心膜では壁側葉が線維性心膜という袋の内面、臓側葉が心臓表面にある。二葉はふだん近接し、その間の狭いすき間に少量の液がある。この潜在間隙が胸膜腔・心膜腔・腹膜腔である。肺や心臓などの器官そのものを入れた大きな空洞という意味ではない。

胸膜の二葉と、間のすき間

一つの肺を囲む局所の関係を拡大して描く。中央の肺の表面には臓側葉が密着する。外側の胸壁の内面には壁側葉がある。二葉の間だけを点模様で示し、胸膜腔とする。肺そのものはこの点模様のすき間の中に置かれていない。胸膜腔を読み取るため、実際には近接している二葉の間を大きく広げている。胸壁と肺が向かい合う部分を描き、肺門で二葉がつながる部分は省略している。
胸壁と肺が向かい合う部分の位置関係の模式です。二葉はふだん近接しています。すき間を見やすく拡大し、肺門で二葉がつながる部分などは省略しています。肺の大きさや胸膜腔の容積を示す図ではありません。

漿膜性心膜と、線維性の袋

外側を斜線模様の線維性心膜という袋として描く。その内面に漿膜性心膜の壁側葉を実線で示す。中央の心臓の表面を臓側葉が覆う。二葉の間の点模様だけが心膜腔であり、心臓そのものを収めた大きな空洞という意味ではない。二葉間は位置関係を示すため広げてある。壁側葉は胸壁ではなく、線維性心膜の袋の内面にある。大血管の付け根で二葉がつながる部分は省略している。
線維性の袋と漿膜性心膜の二葉を区別する模式です。壁側葉は袋の内面、臓側葉は心臓表面にあります。点模様のすき間は見やすく拡大し、大血管の付け根で二葉がつながる部分などは省略しています。心臓・袋の形や寸法は簡略化しています。