細胞・組織・遺伝の基盤
本文の目次
- 細胞が組織をつくる
- 材料と情報を表す言葉
- 細胞の中の区画
- ATPを使う・補う
- 典型的な細胞と成熟赤血球
- 膜の両面と内部
- 量と濃度を分ける
- 拡散は往来の差を見る
- 水が通ることと溶質が通ること
- 通り道と駆動力は別である
- 小胞は区画を作る
- 放出時の内容物と膜
- 核の内外と装置の部品
- 部品づくりとタンパク質づくり
- 作る・運ぶ・仕分ける
- 膜のある場所と反応のある場所
- 区画の中で物質を分解する
- 細胞内外の支え
- 組織がまとまって器官となる
- 筋と神経も一種類ではない
- 上皮の向きと下の層
- 細胞の間と細胞質の間
- DNAの材料と並び
- 情報と包装を分ける
- 配列の変化と影響は同義ではない
- コピーを用意してから分ける
- 対応する染色体と、そのコピー
- 相補性を使ってDNAを写す
- 核が分かれることと細胞が増えること
- セットを減らし、合わせる
- コピーと情報の利用
- mRNAを読み、材料を運ぶ
- 受け取りと応答を分ける
1. 細胞が組織をつくる
細胞は人体を構成する基本的な単位である。細胞が周囲の成分とともに関連する働きを担うまとまりが組織で、複数の組織が組み合わさると器官となる。胃や心臓を一種類の細胞だけで考えず、表面を覆う、支える、収縮する、情報を伝えるといった役割を分ける。複数の器官が協働するまとまりは器官系と呼ばれる。
2. 材料と情報を表す言葉
物質は原子や分子などの粒子からできている。電荷を持つ粒子はイオンという。タンパク質はアミノ酸がつながった物質で、細胞の構造や反応などに働く。脂質には細胞膜の材料となるものもある。DNAとRNAは、ヌクレオチドがつながった核酸である。DNAは遺伝情報を担い、RNAには情報を伝えるもの、タンパク質合成を助けるものなど複数の役割がある。物質そのものの移動と、その物質による情報の伝達は分けて考える。
3. 細胞の中の区画
典型的な核のあるヒト細胞では、細胞膜が細胞全体の境界になる。核はその内側にあり、核膜で細胞質と区切られている。細胞膜の内側から核を除いた部分を細胞質といい、小器官などを含む。細胞質の液状の部分が細胞質基質である。「細胞の中」と「核の中」は同じ範囲ではない。
4. ATPを使う・補う
ATP(アデノシン三リン酸)は、細胞がエネルギーを利用する反応に関わる物質である。ATPの分解に伴うエネルギーを、筋の収縮や一部の物質輸送などに使う。ATPを消費する働きと、別の反応でATPを作って補う働きは分けて考える。ミトコンドリアはATP生成に関わるが、ATPが作られる場所はそこだけではない。細胞質基質で糖を分解する解糖系も、ATPを作る経路の一つである。
5. 典型的な細胞と成熟赤血球
小器官は細胞の中で分業する構造で、膜に包まれるものと、膜に包まれないものがある。核やミトコンドリアを持つ典型的な有核ヒト細胞と、成熟したヒト赤血球は同じ構成ではない。成熟赤血球には核もミトコンドリアもないが、細胞膜と細胞質があり、細胞質基質の解糖系でATPを作る。小器官の種類や発達は細胞の働きに応じて異なり、典型図を全てのヒト細胞へ当てはめない。
6. 膜の両面と内部
細胞膜のリン脂質は、親水性の頭と疎水性の尾を持つ。膜の外液側にも細胞質側にも水があるので、両面の頭は水へ向き、尾は二重層内部で向かい合う。疎水性の内部があるため、イオンなどをそのまま通す水の通路とは異なる。通りやすさは物質と膜の構成に依存し、膜タンパク質や小胞の経路を区別する。
7. 量と濃度を分ける
溶けている物質が溶質で、溶質が溶けた液体全体が溶液である。物質量は粒子の数に対応する量で、molやmmolという単位を使う。物質量濃度は、溶質の物質量を溶液の体積で割った値で、「同じ体積にどれだけあるか」を表す。Lは体積の単位なので、mmol/Lは溶液1 L当たりの物質量を示す。総量が多くても、体積が大きければ濃度は低いことがある。中性溶質の拡散では、濃度と膜を通れるかを確かめる。
8. 拡散は往来の差を見る
拡散では、粒子の不規則な動きに伴って両方向の移動が起こる。中性溶質が膜を通り、温度と圧力が同じという模型では、初めの正味移動は高濃度側から低濃度側になる。正味とは、一方へ移る量から逆向きへ移る量を差し引いたものをいう。濃度が等しくなると正味移動はゼロでも、個々の粒子の往来は続く。イオンでは電位差も駆動力に関わるので、濃度差だけで常に方向を決めない。
9. 水が通ることと溶質が通ること
浸透は、選択的な膜を通じた水の正味移動である。解離しない中性溶質だけを含む希薄な溶液を、水は通すが溶質は通さない膜で分け、温度と初めの圧力を同じにすると、水は溶質の低濃度側から高濃度側へ正味として移る。水が動いても、通れない溶質まで反対側へ動くわけではない。圧力差や通れる物質が変わる場合は、その条件を別に確かめる。
10. 通り道と駆動力は別である
チャネルは膜に通路を作り、担体は運ぶ物質を結合して形を変える。どちらも膜タンパク質だが、タンパク質を使うだけで能動輸送とはならない。促進拡散は物質の電気化学的勾配に沿う受動輸送で、イオンでは濃度差と電位差が関わる。ATP分解を直接利用する一次性能動輸送の例に対し、二次性能動輸送は別のイオンなどの勾配を利用する。その勾配を作る過程が止まっても、残った勾配を利用する時点と、勾配が失われた時点では条件が異なる。
11. 小胞は区画を作る
エンドサイトーシスでは細胞膜が外側の物質を包み、小胞へ取り込む。包んだ外液に溶けていた可溶性の内容物はまず小胞内腔にあり、細胞質との間には小胞膜がある。細胞内へ入ったという位置だけで、細胞質へ直接溶けたこととはしない。膜の反転がなければ、外液を向いていた膜面が小胞内腔に向く。膜成分として取り込まれる物質は内腔の内容物とは分ける。
12. 放出時の内容物と膜
エキソサイトーシスで分泌小胞が細胞膜と完全に融合すると、内腔が細胞外と連続し、可溶性の内容物を放出できる。小胞膜の成分が融合後の細胞膜に保たれる場合、内容物の放出と膜成分の位置を同じにしない。元の内腔側は細胞外側、細胞質側は細胞質側へ続く。
13. 核の内外と装置の部品
核には、主にDNAがタンパク質とまとまった染色体として収められ、核膜が核と細胞質を区切る。核膜孔はタンパク質やRNAなどの選択的な出入りに関わる。核の中と細胞質が自由に混ざる穴ではない。核小体で新しい装置の部品を作ることと、既に細胞質にあるリボソームが働くことも別である。
14. 部品づくりとタンパク質づくり
核小体は核の中にあるが、核小体自体を包む膜はない。リボソームは、アミノ酸をつなげてタンパク質を作る構造である。リボソームには、タンパク質とrRNA(リボソームを構成するRNA)などが含まれる。核小体は多くのrRNAを作り、リボソームの構成要素を組み立てることに関わる。部品を用意する核小体の働きと、核の外でリボソームがタンパク質を作る働きは別である。
15. 作る・運ぶ・仕分ける
リボソームには、小胞体に付着せず細胞質基質中にあるものと、粗面小胞体の表面に付着するものがある。付着するリボソームは、小胞体の膜の細胞質側にある。典型的な分泌タンパク質では、リボソームでの合成と小胞体への取り込みが連携し、その後、小胞でゴルジ体へ運ばれて加工や仕分けを受ける。mRNAはタンパク質を作る情報を伝えるRNAで、リボソームがその情報を使う。mRNAの核外への移動と、できたタンパク質の分泌経路は別である。すべてのタンパク質がこの経路を通るわけではない。
16. 膜のある場所と反応のある場所
ミトコンドリアは外膜と内膜を持ち、内膜に囲まれた最も内側の区画をマトリックスという。内膜には電子伝達系やATP合成に関わる装置があり、外膜や細胞質基質と同じ場所ではない。細胞質基質の解糖系もATPを作るため、内膜の機能だけが止まった記録を全ATP産生の消失としない。滑面小胞体は表面にリボソームが付着しておらず、脂質の合成や代謝などに関わる。これらの発達の程度は細胞の種類によって異なる。
17. 区画の中で物質を分解する
リソソームは膜に囲まれた小器官で、内部は酸性に保たれている。酸性・アルカリ性の程度を表す目安がpHで、酸性は中性よりpHが低い側をいう。酵素は化学反応を進みやすくする物質で、加水分解酵素は水を使って物質を分ける反応を助ける。リソソームでは、その酸性の内部環境に合った酵素が分解に働く。細胞内の分解がすべてここで行われるわけではない。
18. 細胞内外の支え
細胞骨格は細胞内にあるタンパク質性の繊維の網で、形の支持、運動、細胞内の輸送などに関わる。微小管、アクチンフィラメント、中間径フィラメントなどが役割を分担する。細胞の外の線維や基質による支持は細胞外基質であり、細胞骨格や脂質二重層と同じ構造ではない。
19. 組織がまとまって器官となる
上皮組織は体の表面や器官内面を覆い、部位に応じて保護・吸収・分泌などを担う。結合組織では細胞外の線維や基質が支持などに関わる。筋組織は収縮に関わり、神経組織ではニューロンとグリアが情報伝達や環境維持を担う。一つの器官にも複数の組織があり、それぞれの役割がつながる。
20. 筋と神経も一種類ではない
筋組織は収縮する性質を持ち、骨格筋・心筋・平滑筋に分けられる。骨格筋は通常、意識的な運動に関わり、心筋と平滑筋は通常、意思だけで直接動かすものではない。形態の横紋の有無と、随意かどうかは別の分類軸である。神経組織には信号を受け取り伝えるニューロンと、周囲の環境維持や支持などを担うグリアがある。全てのグリアが同じ働きをするとは限らない。
21. 上皮の向きと下の層
管腔を覆う極性のある上皮細胞では、管腔に向く面が頂端側、基底膜に向く面が基底側、隣の細胞に接する面が側面である。細胞膜は一つの細胞の境界を作る脂質二重層である。基底膜は上皮の基底側にある薄い細胞外基質の層で、各細胞の細胞膜ではない。細胞外基質は細胞の外にある線維や基質などで、細胞内のタンパク質性の網である細胞骨格とも場所が違う。
22. 細胞の間と細胞質の間
上皮の密着結合は、隣接する細胞の間を物質が通る経路を制限する。ギャップ結合は細胞質どうしをつなぐチャネルで、通せる小さな分子やイオンを直接やり取りする。どの物質をどれだけ通すかは構造と条件による。細胞の間の境界を変えることと、細胞質間の連絡を変えることを同じ操作としない。
23. DNAの材料と並び
DNAは塩基・デオキシリボース・リン酸を含むヌクレオチドの鎖である。糖とリン酸が鎖の骨格を作り、塩基の並びが情報に関わる。通常の二本鎖ではAとT、GとCが対応する。塩基の個数が同じでも、並ぶ順序が違えば配列情報は異なり得る。
24. 情報と包装を分ける
核の染色体はDNAがタンパク質とまとまった構造である。遺伝子はDNA上で機能を持つ情報に関わる領域で、タンパク質をコードするものだけでなく、機能性RNAを作るものもある。一つの染色体のDNAには複数の領域があり、染色体全体を一つの遺伝子としない。DNAの全体の情報というゲノムの視点とも区別する。
25. 配列の変化と影響は同義ではない
DNAの塩基の順序が配列であり、同じ種類の塩基が同じ数だけあっても並ぶ順序は異なり得る。配列が変わることを突然変異という。タンパク質をコードする領域の変化は、できるタンパク質の性質や作られるかどうかに影響する場合がある。一方、mRNAを翻訳する際に読む3塩基のまとまりをコドンといい、別のコドンが同じアミノ酸を指定する場合もある。配列が変われば必ずアミノ酸列が変わるとはいえない。短い配列だけから個人の性質や異常を確定するものではない。
26. コピーを用意してから分ける
標準的な増殖周期はG1期、S期、G2期、M期の順に進む。S期には核DNAを複製し、M期にはそのコピーを分配する。G1・S・G2でも細胞は活動している。G0は増殖周期から外れた状態で、全ての活動が止まるという意味ではない。細胞の種類や条件により周期へ戻れる場合もあるが、全てが必ず戻るわけではない。全ての細胞が同じ時間で増殖するとも限らない。
27. 対応する染色体と、そのコピー
二倍体の動物細胞の対応する常染色体を考えると、母由来と父由来の組が相同染色体である。対応する遺伝子の位置を持つが、配列や型が全て同じとは限らない。一つの染色体がDNA複製で用意する対応するコピーが姉妹染色分体である。有糸分裂では姉妹が分かれ、娘の核へ分配される。DNAとタンパク質がまとまったものをクロマチンという。染色体の凝縮はそのまとまり方の変化であり、その時にDNAが初めて作られることではない。
28. 相補性を使ってDNAを写す
DNAの複製では親の二本鎖を分け、それぞれの鎖を鋳型にして相補的な新しい鎖を作る。AにT、GにCが対応するため、一方の鎖の配列をもとにもう一方を用意できる。複製後の二つの二本鎖DNAは、それぞれ親からの鎖1本と新しい鎖1本を持つ。この分け方を半保存的複製という。親の二本鎖を丸ごと一組へ残し、別の一組を全て新しい鎖にする分け方とは異なる。
29. 核が分かれることと細胞が増えること
核DNAを分配して核が二つになっても、一つの細胞膜の内側にあれば細胞はまだ一つである。細胞質分裂によって境界が二つに分かれると、二つの娘細胞になる。核一つのDNA量、一細胞に含まれる量、記録全体の量を分けて数える。一細胞の体積が増す成長も、DNAを写す複製も、細胞数が増えることと同義ではない。
30. セットを減らし、合わせる
典型的な二倍体の体細胞には、母由来と父由来の対応する染色体の2セットがある。減数分裂では一回のDNA複製後、第一に相同染色体を、第二に姉妹染色分体を分ける。第二の前にもう一度DNAを複製しない。配偶子である精子や卵は1セットを持ち寄り、受精で両親由来のセットを合わせる。DNAのコピー数、セット数、細胞の数を別に捉える。 ヒトの卵では第二分裂は受精に伴って完了するため、二回の分配が受精前に全て終わると一般化しない。
31. コピーと情報の利用
DNA複製ではDNAを用意し、細胞分裂に先立つコピーを作る。転写ではDNAを鋳型としてRNAを作り、タンパク質をコードする情報から作ったmRNAは翻訳に使う。リボソームはmRNAを読み、tRNAが運ぶアミノ酸から鎖を作る。DNA複製、RNA産生、タンパク質合成、細胞質の分離は異なる過程である。
32. mRNAを読み、材料を運ぶ
mRNAはタンパク質を作る情報を伝え、リボソームがその情報を使う。コドンは読取り枠の中の3塩基のまとまりで、tRNAは対応するアミノ酸を運ぶ。tRNAのアンチコドンはmRNAのコドンと対合し、材料を受け渡す関係をつなぐ。通常の標準遺伝暗号ではAUGが開始で最初のメチオニンを指定する代表的なコドンで、UAA・UAG・UGAは終止を知らせる。終止をアミノ酸として鎖へ加えない。短い模型では、示された開始位置から指定の向きに読む。
33. 受け取りと応答を分ける
受容体に結合する分子がリガンドである。分泌した細胞自身への作用は自己分泌、周辺の別の細胞への作用は傍分泌、血流などで離れた細胞へ届く方式は内分泌と呼ばれる。多くのペプチド性シグナルは膜の外側で受容体に結合し、細胞内へ情報を伝える。シグナル分子が細胞内へ移ることとは別である。細胞内で中継する小さな分子やイオンがセカンドメッセンジャーで、経路は受容体ごとに異なり得る。結合だけを確認した記録から、全ての下流応答まで完了したとはしない。
用語を確かめる
- リン脂質
- 親水性の頭と疎水性の尾を持つ脂質。細胞膜では主に二重層を形成する。
- 小胞内腔
- 小胞の膜に囲まれた内側の空間。膜の外側の細胞質とは区別する。
- エンドサイトーシス
- 細胞膜で包むなどして外側の物質を小胞に取り込む過程。
- エキソサイトーシス
- 小胞膜が細胞膜と融合し、内腔の内容物を細胞外へ放出する過程。
- 細胞骨格
- 細胞内のタンパク質性の繊維の網。形の支持・運動・細胞内輸送などに関わる。
- ヌクレオチド
- 塩基・糖・リン酸を含む核酸の基本単位。DNAの糖はデオキシリボース、RNAの糖はリボースである。
- 遺伝子
- DNA上で機能を持つ情報に関わる領域。タンパク質をコードするものや機能性RNAを作るものがある。
- 染色体
- DNAとタンパク質がまとまった構造。核DNAの包装と分配に関わる。
- 二倍体
- 対応する染色体のセットを二つ持つ状態。姉妹染色分体のコピー数とは区別する。
- 半数体
- 染色体のセットを一つ持つ状態。通常の配偶子は一セットを受精へ持ち寄る。
- 減数分裂
- 一回のDNA複製後、相同染色体と姉妹染色分体を順に二回分配する過程。
- 密着結合
- 隣接する上皮細胞の間の経路を制限する接着構造。
- ギャップ結合
- 隣接する細胞の細胞質どうしをつなぐチャネル構造。通過できる小さな分子やイオンを直接移動させる。
- 細胞
- 生体の基本的な構成単位。細胞膜で囲まれ、物質を変化させたり情報を受け取ったりする。
- 組織
- 関連する働きを担う細胞と周囲の成分からなるまとまり。
- 器官
- 複数の組織が組み合わさり、まとまった働きを担う構造。
- 器官系
- 複数の器官が協働し、一つの機能を担うまとまり。
- 細胞質
- 細胞膜の内側から核を除いた領域。細胞質基質や小器官などを含む。
- 細胞質基質
- 細胞質の液状の部分。小器官の内腔とは区別する。
- 小器官
- 細胞内で特定の働きを担う構造。膜で囲まれるものと、囲まれないものがある。
- イオン
- 電荷を持つ原子や分子などの粒子。
- タンパク質
- アミノ酸がつながった物質。細胞の構造、輸送、反応などに働く。
- アミノ酸
- タンパク質を構成する材料となる物質。
- 溶質
- 溶液に溶けている物質。
- 濃度
- 一定の体積などに含まれる物質の量の割合。物質量濃度は溶質の物質量を溶液体積で割る。
- 正味移動
- 逆向きの移動を差し引いた移動。正味ゼロでも両方向の往来はあり得る。
- 電気化学的勾配
- イオンの移動に関わる濃度差と電位差を合わせた駆動力。
- ATP
- アデノシン三リン酸。分解に伴うエネルギーを他の反応や輸送などに利用する。
- 酵素
- 化学反応を進みやすくする物質。働く条件は種類によって異なる。
- 加水分解
- 水を使って物質を分ける化学反応。
- 細胞外基質
- 細胞の外にある線維や基質などの成分。支持や細胞の周囲の環境に関わる。
- 基底膜
- 上皮の基底側などにある薄い細胞外基質の層。各細胞の細胞膜とは別である。
- グリア
- 神経組織で支持や周囲の環境維持などを担う細胞群。種類によって役割は異なる。
- DNA
- デオキシリボ核酸。通常は2本のヌクレオチド鎖を持ち、塩基の配列が遺伝情報に関わる。
- RNA
- リボ核酸。情報を伝える、アミノ酸を運ぶ、リボソームを構成するなど種類に応じた役割を持つ。
- 塩基
- 核酸のヌクレオチドを構成する成分。通常のDNAではA・T・G・Cで表す。
- 糖・リン酸の骨格
- DNAやRNAの鎖をつなぐ糖とリン酸の部分。そこに付く塩基の順序とは別の性質である。
- ゲノム
- 生物が持つ遺伝情報の全体を表す語。この単元ではDNAの全体の情報として扱う。
- 相同染色体
- 二倍体で母由来と父由来の対応する染色体の組。対応する遺伝子座を持つが、配列が全て同じとは限らない。
- 姉妹染色分体
- 一つの染色体がDNA複製によって用意した対応する二つのコピー。分離前の関係を表す。
- DNA複製
- DNAを鋳型としてDNAのコピーを用意する過程。RNAを作る転写と区別する。
- 転写
- DNAの情報に基づいてRNAを作る過程。タンパク質をコードする遺伝子ではmRNAにつながる。
- 翻訳
- mRNAの情報を使ってアミノ酸鎖を作る過程。リボソームで行われる。
- mRNA
- タンパク質を作る情報を伝えるRNA。リボソームで読まれる配列を持つ。
- tRNA
- アミノ酸を運び、アンチコドンを通じてmRNAのコドンとの対応をつなぐRNA。
- コドン
- 翻訳の読取り枠の中の3塩基のまとまり。アミノ酸や終止などを指定する。
- リボソーム
- mRNAの情報に基づいてアミノ酸をつなぐ構造。rRNAとタンパク質などからなる。
- 受容体
- シグナル分子を受け取り、細胞の応答につなげる分子。結合と下流応答の確認は別である。
- リガンド
- 受容体に結合する側の分子。
- セカンドメッセンジャー
- 受容体が受け取った情報を細胞内で中継する小さな分子やイオン。
- 微小管
- 細胞骨格を作るタンパク質性の構造の一つ。細胞内の輸送や染色体の分配などに関わる。
- アクチン
- 細胞骨格の繊維を作るタンパク質。細胞の形の変化や運動などに関わる。
- 中間径フィラメント
- 細胞骨格の構成要素の一つ。細胞の機械的な支えなどに関わる。
- 鋳型
- 新しい鎖などを作る際に、並び方の対応のもととなる鎖。
- 半保存的複製
- 親の各DNA鎖に相補的な新鎖を作り、複製後の各二本鎖が親1本と新1本を持つ分け方。
- ペルオキシソーム
- 膜で囲まれた小器官。酸化反応や過酸化水素の処理などに関わる。
- カタラーゼ
- 過酸化水素の分解を助ける酵素。リソソームの酸性加水分解とは別のしくみである。
- 過酸化水素
- 酸化反応などで生じ、細胞内で処理される物質。水と同じ物質ではない。
- 5′/3′
- 核酸の鎖の両端を区別する表記。mRNAのコドンは指定した開始位置から通常5′→3′の向きに読む。
- クロマチン
- DNAとタンパク質がまとまったもの。凝縮の状態の変化と、DNAの複製は別の過程である。
- 配偶子
- 受精に持ち寄る精子や卵などの細胞。典型的な二倍体動物の配偶子は染色体1セットを持つ。
- 受精
- 精子と卵の遺伝情報が合流し、新しい個体につながる過程。この単元では染色体セットの合流を扱う。
- 有糸分裂
- 複製した姉妹染色分体を分け、娘の核へDNAを分配する過程。細胞質の分離と区別する。
- 細胞質分裂
- 細胞質を区切って娘細胞に分ける過程。核の数の増加だけで完了したとはしない。