身体区分・体腔と器官の位置

本文の目次

  1. 身体の区分
  2. 骨に囲まれた神経の空間
  3. 胸腹の境界と腹骨盤の連続
  4. 胸郭の中央と膜の間隙
  5. 腹部の位置と腹膜との関係
  6. 骨盤部の位置と腹膜の間隙
  7. 文字の模型で位置をたどる

1. 身体の区分

人体の大きな部位は頭部・頸部・体幹・上肢・下肢に分けて表せる。体幹には胸部・腹部・骨盤部を含み、左右の上肢と下肢をまとめて四肢という。観察時に手が胸部の前へ重なっても、上肢という所属は変わらない。

2. 骨に囲まれた神経の空間

脳は頭蓋骨内の頭蓋腔に、脊髄は脊柱内の脊柱管に位置する。頭部・頸部・体幹は身体の部位名であり、頭蓋腔・脊柱管は内部の区画を表す。脊柱管は頸部から体幹にも続くため、一つの体腔名を一つの体表部位だけに置き換えない。

3. 胸腹の境界と腹骨盤の連続

横隔膜は胸腔と腹腔を隔てる筋性の境界で、正常な換気で上下に動く。食道や血管などが通る開口を持つため、物質を一切通さない密閉壁という意味ではない。腹腔と骨盤腔は、胸腹を隔てる横隔膜のような構造では隔てられず、両者は連続している。

4. 胸郭の中央と膜の間隙

左右の胸膜嚢の間にある胸郭内の中央領域は縦隔であり、心臓などが位置する。肺の表面を覆う臓側胸膜と胸壁側の壁側胸膜との間が胸膜腔で、通常は少量の液を含む潜在的な間隙である。肺の実質そのもの、胸膜の間隙、胸郭内全体を同じ意味の空間としてまとめない。

胸部:両肺の間の縦隔と心臓

胸腔を正面から見た模式で、図の左は本人の右。左右の肺を左右に描き、その間の縦隔を破線と斜線の中央領域として示す。心臓はこの縦隔に描く。縦隔は肺そのものではなく、心臓などがある領域であり、空のすき間を表した塗りではない。肺・心臓・縦隔の輪郭や大きさは簡略化し、左右が完全に同じ形・体積であることや正確な器官境界を示していない。
胸腔を正面から見た位置関係の模式です。両肺の間が縦隔で、その中に心臓があります。中央領域の塗りは空洞や膜間の液のすき間を示すものではありません。器官・縦隔の形や比率は簡略化しており、個人の正確な位置・左右の対称性は判定できません。

5. 腹部の位置と腹膜との関係

腎臓は横隔膜の下で脊柱の左右に位置し、腹膜との関係では後腹膜にある。横隔膜や脊柱との方向、腹膜との位置は別の基準である。腹部にある臓器がすべて腹膜腔という膜の間隙に入っているわけではない。肝臓は横隔膜の直下に位置する。

6. 骨盤部の位置と腹膜の間隙

正常な成人の空に近い膀胱は骨盤腔に位置する。腹腔と骨盤腔が連続していても、領域の位置を区別して表せる。腹膜腔は壁側腹膜と臓側腹膜の間にある潜在的な間隙であり、腹部や腹骨盤腔の領域全体と同じ意味ではない。

7. 文字の模型で位置をたどる

文字の模型では、点の初期位置、越えた境界、越えていない境界を順番に確認すると、到達する区画を分けられる。胸膜の順序では、壁側と臓側のどちらから始めても、両膜の間に到達すれば同じ間隙にある。模型の点は実際の臓器の移動や人体への操作を指示するものではない。

用語を確かめる

体幹
胸部・腹部・骨盤部を含む人体の中心部分。頭部・頸部・上肢・下肢とは区分する。
四肢
左右の上肢と左右の下肢の総称。
頭蓋腔
頭蓋骨に囲まれ、脳が位置する空間。
脊柱管
脊椎の配列によって囲まれ、脊髄が通る管状の空間。
横隔膜
胸腔と腹腔を隔て、正常な換気で動く筋性の境界。食道や血管などが通る開口もある。
縦隔
左右の胸膜嚢の間にある胸郭内の中央領域。
胸膜腔
肺を覆う臓側胸膜と、胸壁側の壁側胸膜との間にある潜在的な間隙。
後腹膜
腹膜の後ろ側にある位置を表す語。腎臓などが位置する。
骨盤腔
腹腔に連続する、骨盤部にある体腔の領域。成人の空に近い膀胱などが位置する。
腹膜腔
壁側腹膜と臓側腹膜の間にある潜在的な間隙。腹部や腹骨盤腔の領域全体と同一ではない。