たんぱく質の代謝と収支
本文の目次
1. 量と代謝回転
体たんぱく質は、合成と分解を繰り返して動的平衡を保つ。合成はたんぱく質を作り、分解はそれをアミノ酸へ戻す。総量が一定に見えることと、その内部で合成と分解が続くことは別の観点である。分解後のアミノ酸の一部は、尿素などとして体外へ失われる。
2. 摂取と排出をそろえる
窒素出納の測定では、同じ期間の実際の摂取量と、全経路からの排出量をそろえる。食べこぼしや皿に残った分を摂取した量へ入れると、摂取量が高く見積もられる。尿と便のほか、皮膚、汗、落屑、毛髪、爪などからの損失もあるため、これらを漏らすと総排出量が低く見積もられる。
3. 偏りの方向と差の符号
摂取量を高く、排出量を低く見積もると、摂取量から排出量を引いた差は正の側へ偏る。誤差の量が分かれば、それぞれを補正して差を求め直せる。偏る方向だけが分かり量が未測定の場合は、補正後の差が正・ゼロ・負のどれになるかを、見かけの正の差だけからは決められない。
用語を確かめる
- 動的平衡
- 合成と分解が進みながら、量の釣合いが保たれる状態。総量の記録と、各過程が進む量を区別する。
- 窒素出納
- 一定期間の窒素の摂取と排出を測定して比較すること。実際の摂取と全排出をそろえることが必要である。
- 測定の偏り
- 摂取の過大見積もりや排出の過小見積もりなど、測定結果を一定の方向へずらす要因。方向と未確認の量は区別する。