隣接細胞の接触依存型の情報伝達

本文の目次

  1. 膜に残るリガンドと、隣の受け手
  2. 結合を受け取り、内側へつなぐ
  3. 近くにあるだけでは方式は決まらない

1. 膜に残るリガンドと、隣の受け手

受容体に結合する相手の分子をリガンドといいます。送り手の細胞膜に保たれたリガンドが、隣接する細胞の膜受容体に直接触れて働く方式が、接触依存型の情報伝達です。リガンドを細胞外へ遊離して広げる方式とは違います。ここでは送り手の膜上の分子と、受け手の膜上の受容体の二つを分けて見ます。

2. 結合を受け取り、内側へつなぐ

この方式では、送り手側に保たれたリガンドが受け手側の受容体に結合し、受け手はその情報を細胞内へ伝え得ます。リガンド自身が受け手の細胞内へ入ることを必須とする説明ではありません。ただし、結合を記録したことと、指定した下流応答の完了を確認したことは別です。どの応答まで確かめたかは、受け手の内部の記録も合わせて考えます。

3. 近くにあるだけでは方式は決まらない

分泌されたシグナルが細胞外液を通って周辺の別の細胞へ働くのは、傍分泌です。一方、ギャップ結合は隣接細胞の細胞質どうしをつなぐチャネルで、小さな分子やイオンが直接行き来できます。膜上のリガンドと受容体の結合、細胞外液を通る分泌、細胞質間の直接移動は別の関係です。細胞が近くにあるという位置だけで、どの方式か決めないようにします。

送り手の膜に保たれたリガンドと隣接受容体の結合

送り手の細胞を左、受け手を右に配置し、細胞膜はそれぞれ二本線、間は細胞外と表示。左膜に付いたリガンドが右膜の受容体の外側部分に触れる。右細胞内に情報伝達と直接ラベルした点線矢印。下方のリガンド/送り手膜上と受容体/受け手膜上の枠を、対象分子へ線で結ぶ。細胞質間の通路とは別と説明。
送り手の膜に保たれたリガンドが、隣接受け手の膜受容体に結合します。受け手は細胞内へ情報を伝え得ますが、リガンド自身が受け手の細胞内へ入ることを必須とする方式ではありません。細胞質どうしをつなぐギャップ結合の通路とは別です。特定の下流応答の完了は、結合だけで確認できません。

用語を確かめる

リガンド
受容体に結合する相手の分子。
受容体
リガンドを受け取るタンパク質。ここでは受け手の細胞膜にある。
接触依存型の情報伝達
ここでは、送り手の膜に保たれたリガンドが隣接細胞の受容体に直接触れて働く方式。
細胞外液
細胞の外側にある体液。細胞質の中とは別の区画。
分泌
細胞が分子を外へ出すこと。膜に保たれた分子との接触とは分ける。
傍分泌
分泌されたシグナルが、周辺の別の細胞へ局所的に働く方式。
ギャップ結合
隣接する細胞の細胞質をつなぎ、小さな分子やイオンを直接やり取りできるチャネルを持つ結合。
細胞質
細胞膜の内側のうち、核の内部を除く部分。
下流応答
ここでは受容体で受け取った後、細胞内のしくみを経て起こる指定の反応。