不足を抑える代償と、元の障害

代償は、身体の応答が不足を抑える方向に働くことです。組織への酸素供給が不足する条件では、腎で作られるエリスロポエチンという赤血球形成を促す合図が増え、骨髄の形成を促す方向へ働きます。この応答が赤血球数の変化につながるには時間が必要で、骨髄が応答できることや材料が足りることも関わります。心拍数や呼吸の変化なども、条件によって不足を抑える方向に働きますが、速くなったという所見だけで十分な供給が得られたとは決まりません。代償によって症候が目立たなくなっても、失われた組織や元の構造障害が修復されたこととは別です。元の障害、補う応答、実際に満たせた働きを分けて考えます。

同じ安静時でも、残る余力は違う

同じ線形仮想尺度で能力上限80と50を比較する。安静需要30は両者の範囲内、負荷需要60は甲の80以内で乙の50を超える。下段は組織への酸素供給不足から腎のエリスロポエチンの合図が血液を介して骨髄の形成を促す条件。細胞系列の進行と合図の作用は別の矢印。時間・材料・骨髄の能力が関わり、代償は元の構造障害の修復とは別にある。
本文の同じ仮想尺度で、安静需要30は能力上限80・50の両者で満たせます。負荷需要60では上限50を超えます。下段の赤血球形成を促す応答には時間・材料・骨髄の能力が関わり、代償と元の構造障害の修復は別です。