補助開始・本人の同意と特定の法律行為
法令基準日:2026年4月1日。適用時点は限定的に確認しています。 この単元では、2026年4月1日以後の新たな補助開始の審判と、同日以後の法律行為を考えます。法令の基準日は2026年4月1日です。
本文の目次
1. 補助開始の原因を後見・保佐と区別する
15条1項は、精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者について、同項に掲げる者からの請求により、家庭裁判所が補助開始の審判をすることができると定める。7条又は11条本文の原因がある者は除かれる。後見の能力を欠く常況、保佐の著しく不十分という原因と区別して読む。具体的な人の能力を、この説明だけで判断するものではない。
2. 本人以外からの請求には本人の同意
本人以外の者の請求で補助開始の審判をするには、15条2項により本人の同意が必要である。17条1項の同意を要する旨の審判も、本人以外の者の請求で行うなら、17条2項により本人の同意が必要となる。同意を必要とする二つの審判を、本人以外からの請求という条件で結び付ける。
3. 開始とともに行う審判
15条3項により、補助開始の審判は、17条1項の同意を要する旨の審判又は876条の9第1項の代理権を付与する旨の審判とともにしなければならない。開始審判だけで済むという規定ではない。両方を必ず必要とする、又は一方だけに限るという限定を加えない。
4. 被補助人と補助人
16条は、補助開始の審判を受けた本人を被補助人とし、その本人に補助人を付すると定める。審判を受ける本人と付される者を区別する。本人という呼び方と、制度上の被補助人という呼び名は同じ人を指す。
5. 同意の対象を特定の一部に定める
17条1項では、15条1項本文に規定する者、補助人又は補助監督人の請求により、家庭裁判所は特定の法律行為に補助人の同意を必要とする旨の審判をすることができる。その対象は13条1項に規定する行為の一部に限る。保佐の13条2項のように列挙以外の行為へ同意の対象を追加する規定とは区別する。
6. 同意に代わる許可の条件
同意が必要な行為について、補助人が本人の利益を害するおそれがないのに同意しない場合、17条3項により、家庭裁判所は被補助人の請求で同意に代わる許可を与えることができる。必要な同意、本人の利益を害するおそれがないこと、拒否、本人の請求を対応させる。拒否だけで許可が自動的に生じるという説明ではない。
7. 取消し得る対象と許可を得た行為
17条4項は、補助人の同意が必要な行為を、その同意又は代わる許可を得ないでした場合、取り消すことができるとする。必要な同意又は許可を欠く対象行為と、許可を得た行為を分ける。本人のすべての行為を取り消せる、あるいは最初から当然に無効という規定ではない。許可を得たことだけで、ほかの無効・取消し原因まで一切ないと保証するものでもない。