無効・取消し・追認の基本的な効果
法令基準日:2026年4月1日。適用時点は限定的に確認しています。 2026年4月1日を基準とする民法119条・121条・122条の基本的な効果。事例では、元の行為が無効か取り消すことができるか、無効を知った追認、取消権者による有効な追認や有効な取消しという条件を与える。追認者の資格や追認・取消しの具体的な成立、新たな行為の具体的な有効性、第三者・登記・返還の扱い、法定追認・期間制限は扱わない。
本文の目次
- 無効と取消しの出発点を分ける
- 無効な行為は追認だけで元の効力を生じない
- 無効を知った追認は新たな行為というみなし
- 取消可能な行為を有効に追認した後
- 取り消された行為は初めから無効というみなし
- 対象・条件・効果を一組にして読む
1. 無効と取消しの出発点を分ける
初めに、元の行為が無効なのか、取り消すことができる行為なのかを分ける。無効な行為の追認は119条、取り消すことができる行為の追認は122条を読む。追認という同じ言葉が使われても、対象と法律上の効果が同じとはしない。具体的な無効原因や取消原因の成立は、別の単元の条件として確かめる。
2. 無効な行為は追認だけで元の効力を生じない
119条本文は、無効な行為は追認によってもその効力を生じないとする。追認という名の行為をすれば、無効な元の行為がすべて有効になるわけではない。ただし書に条件があるので、原則だけで後の効果を判断しない。
3. 無効を知った追認は新たな行為というみなし
当事者がその行為の無効であることを知って追認したときは、119条ただし書により新たな行為をしたものとみなす。元の行為が当然に初めから有効になるという説明とは違う。新たな行為とみなすことと、その新たな行為が具体的に有効かどうかは分けて考える。
4. 取消可能な行為を有効に追認した後
122条は、取り消すことができる行為について120条に規定する者が有効に追認したとき、以後取り消すことができないとする。ここでは124条などの追認の有効要件を満たす条件を与える。資格のない者による追認や必要な条件を欠く追認まで、この効果が生じるとはしない。
5. 取り消された行為は初めから無効というみなし
121条は、取り消された行為は初めから無効であったものとみなすと定める。取り消すことができる段階と、有効な取消しがされた後の効果を区別する。取消しがされた日からだけ無効とする規定ではない。取消しの具体的な成立や第三者・登記・返還の扱いは、ここでの基本効果とは別に確かめる。
6. 対象・条件・効果を一組にして読む
無効な行為では119条本文とただし書の無効を知った追認を分ける。取消可能な行為では、有効な取消しなら121条の初めから無効というみなし、有効な追認なら122条の以後取消不可という効果を読む。追認する人や追認の有効要件、法定追認、期間制限、原状回復は、それぞれの条件を別に学ぶ。