占有の訴えの提起期間と工事の例外

法令基準日:2026年4月1日。適用時点は限定的に確認しています。 2026年4月1日を基準とする民法201条全3項。保持は妨害存続中又は消滅後1年以内、工事による損害時は着手1年経過又は完成の提起禁止を分ける。保全は危険存続中で、工事損害のおそれの場合は1項ただし書を準用する。回収は占有を奪われた時から1年以内を読む。直接評価はこの三つの条文対応だけ。現実の工事・危険・侵奪の認定、具体日付の期間算定、手続実務・本権訴訟期間・勝訴・判例旧法は評価しない。

本文の目次

  1. 保持の期間と工事による損害の例外
  2. 保全の期間と工事の例外の準用
  3. 回収の起点と1年以内
  4. 訴えの種類から対応する期間へ進む
  5. 工事の例外を保持から保全へ結ぶ

1. 保持の期間と工事による損害の例外

201条1項本文では占有保持の訴えを妨害の存する間又はその消滅後1年以内に提起する。ただし工事により占有物に損害を生じた場合、その工事に着手した時から1年を経過し、又は工事が完成したときは提起できない。工事の例外における二つの条件を「又は」で読む。

2. 保全の期間と工事の例外の準用

201条2項では妨害の危険の存する間、占有保全の訴えを提起できる。工事により占有物に損害を生ずるおそれがあるときは1項ただし書を準用する。危険の存する間という本文と、工事について準用する規定を併せて読む。

3. 回収の起点と1年以内

201条3項の占有回収の訴えは、占有を奪われた時から1年以内に提起する。起点を占有物の所在を知った時へ変えず、この1年をすべての占有の訴えへ広げない。

4. 訴えの種類から対応する期間へ進む

前章までに区別した保持・保全・回収の名称を、その訴えに対応する提起期間へ結ぶ。保持は妨害の存する間又は消滅後1年以内、保全は危険の存する間、回収は占有を奪われた時から1年以内である。回収の起点を保持や保全にそのまま移したり、保全に危険消滅後1年という期間を付け加えたりしない。具体的な暦日の計算や現実の妨害・危険・侵奪の認定は別の課題として扱う。

5. 工事の例外を保持から保全へ結ぶ

工事による損害がある場合の1項ただし書は、着手から1年経過又は完成を提起できない条件としている。両方がそろうことを必要としない。2項では工事による損害のおそれがあるとき、このただし書を準用する。図では保持の工事例外と保全への準用の関係を別々に結び、本文の期間だけで判断を終えない。現実の工事が条文の条件に当たるか、訴えが具体的に認められるかは、この対応では判定しない。

保持の期間と工事例外、保全への準用、回収の起点1年を各対象へ結ぶ

保持の期間と工事例外、保全への準用、回収の起点1年を各対象へ結ぶ
保持の期間と工事例外、保全への準用、回収の起点1年を各対象へ結ぶ