第11章 三陰三陽:総称と整理の軸を読む
本文の目次
- 既に読んだ名称を、別の問いで見る
- 既に読んだ名称を、別の問いで見る
- 総称・呼称・正式名称を分ける
- 総称・呼称・正式名称を分ける
- 経脈理論という文脈を確かめる
- 経脈理論という文脈を確かめる
- 同じ名前でも、まとめる軸が違う
- 同じ名前でも、まとめる軸が違う
- 言葉の役割を添えて読もう
- 言葉の役割を添えて読もう
1. 既に読んだ名称を、別の問いで見る
第7章では、正経十二経脈の正式名称を手・足と陰・陽で整理しました。手の陰経、手の陽経、足の陰経、足の陽経という四群です。名称の中には、太陰、少陰、厥陰、太陽、陽明、少陽という語もありました。この章では十二の名称を追加せず、その語をまとめる呼び方と、整理の仕方の違いを読みます。
2. 既に読んだ名称を、別の問いで見る
たとえば本を著者別に並べた棚と、同じ本を題材別に探す索引を考えてみましょう。一冊の本でも、著者を見ればある棚に入り、題材を見れば別の本と同じ見出しに載ります。どちらが正しいかを競うのでなく、何を共通の条件にしているかを読むことが大切です。経脈名の整理でも、先にこの条件を確かめます。
3. 総称・呼称・正式名称を分ける
三陰三陽は、陰側と陽側の六つの呼称をまとめる総称として読みます。太陰、少陰、厥陰が陰側、太陽、陽明、少陽が陽側の呼称です。ここで「総称」とは、まとめられる言葉の上に置く呼び方を指します。三陰三陽を、どれか一つの経脈の正式名称と取り違えないようにしましょう。
4. 総称・呼称・正式名称を分ける
三陰三陽、太陰、手の太陰肺経を一列に書いても、三つの言葉は同じ大きさの名称ではありません。三陰三陽は総称、太陰はその中の一つの呼称、手の太陰肺経は第7章で読んだ正式経脈名です。「太陰」とだけ書けば手の太陰肺経の全文になる、とはいえません。足の太陰脾経にも同じ語が含まれるためです。
5. 経脈理論という文脈を確かめる
WHO2007の六つの呼称の項目には、五運六気の理論と経脈理論という二つの文脈が区別されています。言葉を見つけたら、どちらの説明を読んでいるかを先に確かめます。本章は経脈理論の語義だけを使い、第7章の正式名称へ結びます。もう一方の理論の説明を、経脈の説明へそのまま移しません。
6. 経脈理論という文脈を確かめる
この文脈では、太陰は肺経と脾経、少陰は心経と腎経、厥陰は心包経と肝経を参照します。陽側は、太陽が小腸経と膀胱経、陽明が大腸経と胃経、少陽が三焦経と胆経を参照します。次の図では、それぞれを既に学んだ手・足を含む正式名称で示します。これは同じ十二名を探すための手がかりです。
7. 同じ名前でも、まとめる軸が違う
図の一つのカードでは、呼称を見出しにし、その下の「手」「足」の欄から正式名称を読みます。太陰のカードなら、手の太陰肺経と足の太陰脾経が載っています。カードの上下や呼称の並びは探しやすさのための配置です。身体の経路や時間の順番を示す線や矢印として読むものではありません。
呼称の見出しから既経脈名を探す
8. 同じ名前でも、まとめる軸が違う
同じ二名を第7章の四群で見ると、手の太陰肺経は手の陰経、足の太陰脾経は足の陰経に分かれます。本章の呼称の索引では、共通する「太陰」を手がかりに同じカードへ載せます。同じ欄に入るかどうかは、採用した整理の軸によって変わります。名前そのものが変わったり、二つの経脈が一つになったりするわけではありません。
9. 言葉の役割を添えて読もう
学習メモには「総称」「呼称」「正式経脈名」や「手足と陰陽による群」「共通の呼称による索引」と、言葉の役割を添えると読み違いを減らせます。まず何をまとめているかを確かめ、次にどの理論文脈を読んでいるかを確かめます。この二段階を保てば、既に知っている名称を別の整理で使っても、知識が増えた部分と見せ方を変えた部分を分けて理解できます。
10. 言葉の役割を添えて読もう
本章はWHO2007の局所的な経脈語義を、2026年出題基準の日本語名称を手がかりに読む導入です。国内現行教科書の正式な定義対訳と同じだとは確認できていません。身体の陰陽配当全体や、六経病の病位・病期、診断・施術は別の内容です。ここで確かめた総称や索引の並びから、その詳しい説明を補わないでください。
用語を確かめる
- 三陰三陽
- 本章では陰側/陽側の六呼称をまとめる総称として読む。
- 呼称
- 太陰など、総称でまとめられる側の語を指す本章の整理語。
- 正式経脈名
- 手の太陰肺経など、第7章の手・足を含む名称。呼称単独と区別する。
- 整理の軸
- 何を共通の条件として同じ欄へ置くかという、作者の読解上の整理語。
- 理論文脈
- 同じ語を、どの理論の説明として読んでいるかという条件。