ギラン・バレー症候群:病型と傷害対象

本文の目次

  1. AIDPは末梢神経の髄鞘を傷害する型
  2. AMANとAMSANは軸索の対象範囲を分ける
  3. 病型と傷害対象の対応をまとめる

1. AIDPは末梢神経の髄鞘を傷害する型

ギラン・バレー症候群(GBS)は、免疫応答によって末梢神経が傷害される疾患である。病型によって傷害の対象となる構造が異なるため、全てのGBSを同じ構造の傷害としてまとめない。 AIDP(急性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー)では、末梢神経の髄鞘が免疫応答によって傷害されると説明される。髄鞘の正常な構造や伝導の働きを知ることに加え、AIDPという具体的な病型との対応を読む。

2. AMANとAMSANは軸索の対象範囲を分ける

AMAN(急性運動性軸索型ニューロパチー)では、運動ニューロンの軸索が傷害される。AMSAN(急性運動感覚性軸索型ニューロパチー)では、運動ニューロンに加えて感覚ニューロンの軸索も傷害されると説明される。 両者とも軸索を対象とするが、運動軸索への傷害と、運動・感覚軸索への傷害を区別する。軸索の傷害という共通点だけで、この二つの病型の対応を交換しない。

3. 病型と傷害対象の対応をまとめる

AIDPは末梢神経の髄鞘、AMANは運動軸索、AMSANは運動・感覚軸索を傷害対象として対応させる。これはGBSの病型の対応であり、中枢脱髄疾患であるMSや、上位・下位運動ニューロンの変性を扱うALSの説明へ置き換えない。 この対応だけで個人の病型や経過を決めたり、検査結果の判定を行ったりしない。型から型へ順に進行するという説明でもない。全てのGBSで軸索傷害が必須、全患者が同じ症状や回復経過をとるとはしない。

GBS病型と末梢神経の傷害対象

GBS病型と末梢神経の
傷害対象。AIDP
末梢神経の髄鞘。AMAN
運動ニューロンの軸索。AMSAN
運動・感覚ニューロンの軸索
GBS病型と傷害対象の対応を整理する概念図。型間の進行や個人の病型判定規則を示すものではない。