心房細動と左心耳の血栓

本文の目次

  1. 心房が動くことと、血液を送り出すこと
  2. 血栓ができやすい部位は特に左心耳
  3. 形成された場所と、運ばれた先の閉塞

1. 心房が動くことと、血液を送り出すこと

心房細動では、心房が細かく動くものの、十分な収縮ができない。そのため、心房内の血液がよどみ、血栓ができることがある。心房が動いているという見た目の説明と、血液を十分に送り出す収縮の働きは分けて理解する。 血流の停滞が血栓形成に関わるという一般的な病理知識を、心房細動の具体的な心房の働きへ結びつける。正常の心臓の構造や伝導経路は既存の共通教材を参照する。

2. 血栓ができやすい部位は特に左心耳

心房細動に伴って心臓内にできる血栓は、特に左心房の一部である左心耳に多い。心房内のうっ滞という病態と、血栓の形成されやすい具体的な部位を対応させる。 左心耳に多いという説明を、全ての血栓がそこだけにできるという条件にしない。また、心房細動の全ての人に血栓ができるという説明でもない。自覚症状がなくても血栓を形成することがあるため、症状がないことを血栓の可能性がないという判断に置き換えない。

3. 形成された場所と、運ばれた先の閉塞

心房内で形成された血栓が、心臓の中から移動し、脳の血管を塞ぐと脳梗塞を生じることがある。心臓内で血栓が形成される段階と、移動先の血管が閉塞する段階は違う。 冠動脈の粥腫が破綻した部位で血栓ができる病態と、心房細動に伴う心房内のうっ滞・特に左心耳の血栓形成を区別して読む。この学習内容だけから個人の病型や血栓の有無、治療の適否を決めない。

心房細動と左心耳の血栓形成

心房細動と左心耳の血栓形成
心房細動に伴う血流のうっ滞と、特に左心耳に多い血栓形成、移動した先での閉塞の関係を示した概念図。全例で血栓や脳梗塞が生じることを意味せず、患者個人の診断や処置の手順は示さない。