クッシング病と異所性ACTHの腫瘍性経路
本文の目次
1. クッシング病は下垂体のACTH産生腫瘍による型
コルチゾールの過剰が長く続いて起こる病態をクッシング症候群という。腫瘍が体内のホルモン産生を増やして起こす内因性の型には、複数の原因がある。 下垂体の腫瘍がACTHを過剰に作ると、副腎が刺激されてコルチゾールの産生が増える。この下垂体ACTH産生腫瘍による型をクッシング病という。クッシング病とクッシング症候群の名称は、同じ範囲を指すものではない。
2. 下垂体の外の腫瘍もACTHを作ることがある
肺など、下垂体の外に生じた腫瘍がACTHを産生する場合もある。異所性ACTHの経路では、そのACTHが副腎に働き、コルチゾールの産生を増やす。通常ACTHを分泌する下垂体とは別の場所が、病的なACTHの供給元になる。 ACTHを通じて副腎のコルチゾールが増えるという結果が共通しても、ACTH産生腫瘍の場所は異なる。ACTHが過剰になる全ての型を、下垂体のクッシング病へまとめない。
3. 腫瘍の場所と分泌する物質をつなげて読む
二つの経路を比べるときは、腫瘍から出るACTHと、副腎から出るコルチゾールを分ける。下垂体のACTH産生腫瘍はクッシング病に対応し、肺などの下垂体外ACTH産生腫瘍は異所性ACTHの経路に対応する。 この二つだけがクッシング症候群の原因ではない。副腎の腫瘍自体がコルチゾールを過剰に作る型などもある。下垂体や肺の全ての腫瘍がACTHを分泌するという意味ではなく、個人の検査値から腫瘍の場所を決める説明でもない。