外側上顆炎:代表的な腱病変と過用傷害

本文の目次

  1. 代表的な病変はECRB腱の付着部
  2. 過用に関係する変性と微小傷害
  3. 病変部位と傷害の関係を合わせる

1. 代表的な病変はECRB腱の付着部

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)では、短橈側手根伸筋(ECRB)腱の外側上顆への付着部が、代表的な病変として説明される。腱の名称と肘外側の病変部位を一組で読む。 日本整形外科学会は、主に短橈側手根伸筋の起始部の傷害と説明している。これは代表的な病変の説明であり、ほかの組織の関与が全くない、全患者で同じ腱だけが傷害されるという意味ではない。

2. 過用に関係する変性と微小傷害

AAOSは、外側上顆炎を過用に関係する病態として説明し、前腕伸筋腱の変性や、一部の場合の微小断裂を示している。ECRB腱の外側上顆付着部に、過用に伴う微小傷害が関わるという具体的な関係を読む。 一般的な部分断裂と完全断裂の程度を分類するだけでは、この疾病の説明にならない。また、原因は十分には解明されておらず、認識できる反復外傷がない例もある。全例に過用歴や断裂があるとは決めない。

3. 病変部位と傷害の関係を合わせる

代表的なECRB腱付着部病変と、過用に関係する変性・場合による微小断裂を対応させる。急性外傷で骨片を伴って付着部が剥がれる病態だけへ、この説明を置き換えない。 肘外側の痛みという症候だけで個人の病態を確定しない。この対応を学ぶことから、症状を誘発する検査や運動負荷、治療の方法を導くこともしない。

外側上顆炎の代表病変と傷害の対応

短橈側手根伸筋(ECRB)腱の
外側上顆付着部の病変。過用に関係する変性
場合による微小断裂
外側上顆炎で説明される代表的な病変部位と傷害の対応を示す概念図。全例に同じ腱の病変、過用歴、断裂があるという意味ではない。