肩側上腕二頭筋腱断裂とPopeye変形

本文の目次

  1. 肩側の腱が支える上腕二頭筋
  2. 張って保てない筋腹は肘寄りに見える
  3. 形態の変化と筋全体の機能を分ける

1. 肩側の腱が支える上腕二頭筋

上腕二頭筋は上腕の前側にあり、腱を介して骨とつながっている。肩側の腱は、筋を張った状態に保つ役割も担う。 肩側で腱が切れると、この支えが失われ、筋腹の見え方が変わることがある。腱の断裂と筋腹の形の変化を、別々の情報ではなく、つながった仕組みとして読む。

2. 張って保てない筋腹は肘寄りに見える

肩側の上腕二頭筋腱が断裂すると、切れた腱は筋を張って保てなくなる。その結果、上腕の筋腹が肘に近い位置へ寄り、肘の少し上に膨らみが見えることがある。 この形態はPopeye変形と呼ばれる。対応は「肩側の腱断裂→筋を張って保てない→筋腹が肘寄りに膨らんで見える」であり、肩寄りの膨隆と取り違えない。

3. 形態の変化と筋全体の機能を分ける

上腕二頭筋には肩側に二つの腱の付着があり、長頭腱が完全に断裂しても、短頭側の付着が残ることがある。そのため、筋腹の形が変わることと、上腕二頭筋の機能がすべて失われることは同じではない。 Popeye変形は腱断裂で現れ得る形態であり、すべての断裂で必ず見えるとは限らない。形の説明だけで個々の人の断裂を確定することはできない。

肩側の腱断裂から筋腹の形態変化へ

肩側の腱断裂から筋腹の形態変化へ
肩側の腱断裂に伴って現れ得るPopeye変形の概念図。筋を張って保てないことと、筋腹が肘寄りに膨らんで見えることを結ぶ。解剖図や自己検査の手順を表すものではなく、すべての断裂で同じ形になることを示していない。