代理権の濫用と相手方の目的認識
法令基準日:2026年4月1日。適用時点は限定的に確認しています。 2026年4月1日を基準とする民法107条の代理権濫用の基本。代理人の自己又は第三者の利益を図る目的、代理権の範囲内の行為、相手方がその目的を知り又は知ることができるかを条件として与える。同条による無権代理のみなしの有無を読み、実際の目的・認識可能性・代理権の範囲、行為全体の有効性・取消しや追認の成立、表見代理・第三者保護や旧法の扱いは評価しない。
本文の目次
1. 代理権の範囲内でも目的を確認する
107条は、代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で、代理権の範囲内において行為をした場面を定める。本人以外の利益を図る目的だけで、すべての行為に同じ結果を広げない。ここでは目的と権限内であることを条件として与え、実際の認定はしない。
2. 相手方が目的を知るか知り得るか
同条には、相手方がその目的を知り、又は知ることができたという条件もある。現実に知らないというだけで条件を否定せず、知ることができたかを区別する。逆に、相手方が目的を知らず知ることもできなかったと与えられた場合は、この条件を満たさない。
3. 条件がそろうと無権代理の行為とみなす
利益目的、代理権の範囲内の行為、相手方が目的を知り又は知り得るという条件がそろうと、その行為は代理権を有しない者がした行為とみなされる。自己の利益だけでなく、第三者の利益を図る目的も対象である。無権代理とみなすという効果を、当然無効や取消し成立へ置き換えない。
4. 相手方の認識等がないときの限界
相手方が目的を知らず知ることもできないと条件を与えた場合は、107条による無権代理のみなしは生じない。これは同条だけの条件の確認であり、行為全体が有効であることや、他の制度の要件をすべて満たすことまで判断した結果ではない。
5. 実際の事実と別の代理制度は切り分ける
この単元では、実際の目的、認識可能性、代理権の範囲を調べて認定しない。表見代理や第三者保護、追認の成立は別の条件を確認する。107条の条件を読み、みなしが生じる場面と、相手方の認識等を欠く場面を区別するところまでを確かめる。