代理行為の要件・直接効果と本人のための表示
法令基準日:2026年4月1日。適用時点は限定的に確認しています。 2026年4月1日を基準とする民法99条・100条の基本。事例では、代理権と権限内の行為、本人のためにすることの表示の有無、相手方の認識・認識可能性という条件を与える。代理権や顕名の具体的な認定、商法等の特則、代理行為の瑕疵・代理人の行為能力・復代理・代理権濫用・表見代理・無権代理は扱わない。
本文の目次
- 本人・代理人・相手方の役割
- 1項は権限内と本人のための表示を求める
- 2項は第三者から代理人への表示にも準用する
- 本人のためと示さない表示は100条を読む
- 知り又は知ることができた場合のただし書
- 基本条件と代理の別制度を分ける
1. 本人・代理人・相手方の役割
99条の基本を、本人・代理人・相手方の三者に分けて読む。代理人は与えられた権限の範囲で、本人のために意思表示をしたり、第三者からの意思表示を受けたりする。表示をする場面では、その表示を受ける人が相手方となる。条文の条件を満たせば、効力は本人に直接生じる。権限があるかどうかや表示の名義から代理を認定することは、条件が与えられた問題とは別の判断になる。
2. 1項は権限内と本人のための表示を求める
99条1項は代理人が権限内で、本人のためにすることを示してした意思表示について、本人に直接効力を生じるとする。本人のためにすることを示す条件を顕名という。代理人を通じた表示であることと、法律上の効力が直接生じる先を区別する。権限内という条件だけを読んで顕名の条件を省かない。
3. 2項は第三者から代理人への表示にも準用する
99条2項は第三者が代理人に対してした意思表示について1項を準用する。1項の代理人から相手方への表示と、2項の第三者から代理人への表示の向きを分ける。受ける場面でも1項の規定を準用するのであって、権限などの条件をなくすとはしない。ここでの第三者は表示をする人の役割であり、善意の第三者保護の文言を付け足さない。
4. 本人のためと示さない表示は100条を読む
100条本文は、代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示を自己のためにしたものとみなす。ただし書もあるため、顕名しない場合すべてを本人への効果なしと決めつけない。商行為の代理など別の法律の特則を、ここで扱う民法の原則と混ぜない。
5. 知り又は知ることができた場合のただし書
相手方が、代理人が本人のためにすることを知り又は知ることができたときは、100条ただし書により99条1項を準用する。実際に知っていた場合だけでなく、知ることができた場合も読む。準用によって権限内など1項の条件が不要になるわけではない。相手方が知ることができたかどうかはここでは与えられた条件とし、具体的な事情からは判定しない。
6. 基本条件と代理の別制度を分ける
まず三者の役割と表示の向きを確かめ、権限内で本人のためにすることを示した条件を読む。顕名がないときは100条本文とただし書の相手方条件を確認する。代理行為の瑕疵、代理人の行為能力、復代理、代理権濫用、表見代理・無権代理などは、それぞれの要件を別に確かめる。