代理人による占有の消滅事由

法令基準日:2026年4月1日。適用時点は限定的に確認しています。 2026年4月1日を基準とする民法204条全2項・1項全3号。代理人による占有の明文消滅事由を本人の意思放棄、代理人の本人への意思表示、代理人の所持喪失に分け、代理権の消滅だけでは占有権が消滅しない対応を読む。203条の占有回収提訴のただし書を204条3号へ移さない。現実の代理関係・意思表示・所持や消滅・回復・訴えの効果、全法上の例外不存在、164条の取得時効への効果に関する判例・判例旧法は評価しない。

本文の目次

  1. 代理人による占有の消滅事由
  2. 代理権の消滅だけの場合
  3. 代理人による取得から占有の続き方へ
  4. 意思の主体と表示の相手を結び付ける

1. 代理人による占有の消滅事由

204条1項は代理人によって占有をする場合の三つの消滅事由を挙げる。本人が代理人に占有をさせる意思を放棄したこと、代理人が本人に対して以後自己又は第三者のために占有物を所持する意思を表示したこと、代理人が占有物の所持を失ったことである。各号で誰が何をするかを分け、代理人の内心だけの変化を本人への意思表示と置き換えない。

2. 代理権の消滅だけの場合

204条2項は、代理権の消滅のみによっては占有権は消滅しないと定める。代理権が消滅したことだけと、1項の事由が成立したことを同じ条件にしない。現実の代理関係、意思表示や所持の認定、消滅や回復の効果は別に扱う。

3. 代理人による取得から占有の続き方へ

181条で読んだ代理人による占有権の取得に続き、204条では代理人によって占有をする場合にどの事由で占有権が消滅するかを読む。本人の意思、代理人が本人へ示す意思、代理人の所持という三つの対象へ分けてから各号をたどる。代理権という権限の消滅だけで占有権も消滅するという結論には進まない。

4. 意思の主体と表示の相手を結び付ける

1号で放棄するのは本人の、代理人に占有をさせる意思である。2号で表示するのは代理人で、表示の相手は本人、表示する内容は以後自己又は第三者のために占有物を所持する意思である。3号では代理人の所持の喪失を読む。図でも主体、表示の相手、所持をそれぞれの事由に結び付ける。203条の占有回収の訴えについてのただし書を204条3号の文として移さず、現実の回復や訴えの効果は別に確かめる。

204条の三つの消滅事由と代理権消滅だけの場合を分ける

204条の三つの消滅事由と代理権消滅だけの場合を分ける
204条の三つの消滅事由と代理権消滅だけの場合を分ける