取消権者と取消し・追認の方法
法令基準日:2026年4月1日。適用時点は限定的に確認しています。 2026年4月1日を基準とする民法120条・123条の基本。取消原因と、制限行為能力者・瑕疵ある意思表示をした者・代理人・承継人・同意できる者という役割、相手方が確定している条件を与える。具体的な取消権者の資格・承継の範囲・同意権限・取消原因や到達の認定、相手方未確定の場合、追認の有効要件・期間・方式の特則は評価しない。
本文の目次
1. 取消原因ごとに取消しができる人を分ける
120条は、行為能力の制限による取消しと、錯誤・詐欺・強迫による取消しを別々の項で定める。まずどちらの原因かを読み、その項に列挙された人を確かめる。取消しができる行為であっても、無関係な第三者が誰でも取消せるとはしない。具体的な原因の成立や人の資格は、ここでは与えられた条件として読む。
2. 1項には制限行為能力者本人も含まれる
行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人・承継人・同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。括弧書きは、他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為では、当該他の制限行為能力者も取消権者に含むとする。法定代理をした人と、その行為の本人となる他の制限行為能力者を分けて読む。具体的な法定代理の事例や別の代理特則との比較は別に確かめる。
3. 2項の列挙に同意権者を自動追加しない
錯誤・詐欺・強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人・承継人に限り、取り消すことができる。瑕疵ある意思表示は、錯誤などの問題がある意思表示という基本的な意味で読む。1項の同意をすることができる者という資格だけを、2項にも自動的に加える規定ではない。代理人など別の列挙された役割もある場合と、同意権だけの場合を混ぜない。
4. 代理人と承継人の役割を読む
代理人は本人に代わって意思表示などをする人、承継人は権利などを引き継ぐ人という基本的な意味で読む。120条のどちらの項にも、代理人と承継人が列挙されている。具体的な代理権や承継の範囲が当然に成立するという説明ではない。問題では役割を条件として与え、実際の資格認定は別に行う。
5. 相手方が確定しているときの方法
123条は、取り消すことができる行為の相手方が確定している場合、取消し又は追認は相手方に対する意思表示によってすると定める。相手方への意思表示という向きを確かめる。相手方の承諾を求める規定や、常に裁判所だけに申し立てれば足りるという規定に置き換えない。到達、相手方未確定の場合、方式の特則や追認の有効要件は別に確かめる。
6. 主体・方法・効果を分けてつなぐ
120条は誰が取り消すか、123条は相手方が確定しているときにどう意思表示をするかを定める。有効に取り消された後の121条の効果や、有効な追認後の122条の効果とは問いを分ける。資格と方法の一部を読めたことだけで、具体的な取消しや追認が有効に成立したと結論しない。追認の有効要件や期間はそれぞれの条件を別に読む。