所有権取得時効の期間と善意・無過失の時点

法令基準日:2026年4月1日。適用時点は限定的に確認しています。 2026年4月1日を基準とする民法162条全2項。所有の意思をもって平穏・公然に他人の物を占有する与件で、1項の20年と、2項の10年に必要な善意・無過失が占有開始時の条件であることを読む。各実体条件が実際に成立するか、占有承継や推定・占有回収、所有権以外の権利、援用や他の時効要件、実日計算、判例や旧法は評価しない。具体的事件での所有権取得全体の認定へ広げない。

本文の目次

  1. 20年と10年の共通の前提
  2. 10年に必要な善意・無過失は占有開始時

1. 20年と10年の共通の前提

162条1項は、20年間、所有の意思をもって平穏にかつ公然と他人の物を占有した者がその所有権を取得すると定める。2項にも所有意思・平穏公然・他人の物の占有という文言がある。この単元ではこれらを与件として期間と条件時点を読む。具体的な占有や所有意思の認定、他の条文による推定や占有承継は別に扱う。

2. 10年に必要な善意・無過失は占有開始時

162条2項の10年の取得時効には、占有の開始の時に善意であり、かつ過失がなかったことが必要である。期間が終わる時だけ善意無過失であればよいという意味ではなく、開始後の任意の1日や裁判を起こした時へ置き換えない。1項の20年にはこの善意無過失の条件を置いていない。具体的事件の全ての取得要件や援用、実際の善意無過失の判断は別に扱う。

所有権取得時効の共通前提と二十年、十年及び開始時善意無過失を区別

所有権取得時効の共通前提と二十年、十年及び開始時善意無過失を区別
所有権取得時効の共通前提と二十年、十年及び開始時善意無過失を区別