占有権の消滅事由と回収の訴え

法令基準日:2026年4月1日。適用時点は限定的に確認しています。 2026年4月1日を基準とする民法203条全文。占有の意思の放棄又は所持喪失による占有権の消滅と、占有回収の訴えを提起したときのただし書を区別する。本文二事由は両方必須ではない。直接評価はこの条文対応だけ。訴えの提起を勝訴や現実の所持回復と混同せず、占有を奪われた場合や回復した場合の、164条の取得時効への効果、実占有・提訴・勝訴・回復の認定、判例旧法は評価しない。

本文の目次

  1. 消滅事由と回収の訴えのただし書
  2. 意思の放棄と所持の喪失を別々に読む
  3. 提起と勝訴・現実の回復を混同しない

1. 消滅事由と回収の訴えのただし書

203条本文は、占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失うことによる占有権の消滅を定める。ただし占有者が占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない。本文の二事由の両方を要求せず、本文とただし書を分けて読む。

2. 意思の放棄と所持の喪失を別々に読む

取得の章では意思と所持の対応を読んだ。この章の203条では、占有の意思を放棄することと所持を失うことを「又は」で結ぶ。二つの事由を一組にして両方が必要という条件を付け加えない。現実の意思の放棄や所持の喪失があったかを判定することは別の課題として扱う。

3. 提起と勝訴・現実の回復を混同しない

203条ただし書が掲げるのは占有回収の訴えを提起したときという条件である。図ではこの条件をただし書に結び、訴えの提起を勝訴や現実の所持回復と同じ出来事にしない。占有回収の訴えの相手方や期間は前の章の条件として読み、取得時効について侵奪や回復がどのような効果を持つかは別の課題として扱う。この章の条文対応から、実際の占有回復や時効への具体的な効果までは結論づけない。

意思放棄又は所持喪失を占有権消滅に、占有回収提訴をただし書へ結ぶ

意思放棄又は所持喪失を占有権消滅に、占有回収提訴をただし書へ結ぶ
意思放棄又は所持喪失を占有権消滅に、占有回収提訴をただし書へ結ぶ