占有の承継人の選択と瑕疵の承継

法令基準日:2026年4月1日。適用時点は限定的に確認しています。 2026年4月1日を基準とする民法187条全2項。占有者の承継人が、自己の占有のみを主張するか、自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張するかを選べることと、前の占有を併せる場合にその瑕疵も承継することを分ける。導入事例は前占有に瑕疵があり、その期間も併せて主張したいという条件を与件とする。期間だけを併せて瑕疵を除くとはしない。現実の承継・瑕疵・期間の認定、自己の占有だけの場合を含む取得時効全要件・援用・判例旧法は評価しない。

本文の目次

  1. 承継人が選べる二つの主張
  2. 併せる場合には瑕疵も承継
  3. 前占有の瑕疵と併せたいという与件
  4. 推定の問いから承継人の主張の選択へ
  5. 前の占有を併せる条件から瑕疵承継へ進む

1. 承継人が選べる二つの主張

187条1項は、占有者の承継人が、その選択に従い、自己の占有だけを主張するか、自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができると定める。必ず前の占有を併せなければならないという意味ではない。

2. 併せる場合には瑕疵も承継

187条2項は、前の占有者の占有を併せて主張する場合、その瑕疵も承継すると定める。期間だけを足して瑕疵を除くとはしない。自己の占有だけを主張する場合にも同項が常に前の瑕疵を承継させると広げない。

3. 前占有の瑕疵と併せたいという与件

導入事例では、前占有者Aに瑕疵があり、承継人Bがその期間も併せて主張したいことを与件とする。1項の選択と2項の瑕疵承継を対応させる。前占有の瑕疵があるため自己の占有の主張も禁止するなどの選択肢を区別する。現実の瑕疵認定や取得時効の成立全体は別に扱う。

4. 推定の問いから承継人の主張の選択へ

前章の推定に続き、この章では占有を承継した人が何を主張できるかを読む。187条1項の選択をするのは占有者の承継人であり、自己の占有だけを主張する方法と、前の占有者の占有を併せて主張する方法がある。前の占有を使えるということを、必ず使わなければならないという意味へ変えない。占有の主張を選べることと、所有権や取得時効の成立全体を確定することは別に扱う。

5. 前の占有を併せる条件から瑕疵承継へ進む

2項を読むときは、前の占有者の占有を併せて主張するという条件を先に確認する。この方法を選ぶ場合には、その占有の瑕疵も承継する。期間だけを利用して瑕疵を常に取り除くという結論には進めない。自己の占有だけを主張するという別の選択にも、同項が常に前の瑕疵を承継させると広げない。図では選択の二つの枝を分け、併せる枝から瑕疵承継へ結ぶ。事例では前の占有の瑕疵を与件として用い、その瑕疵や承継の現実の認定は別に扱う。

187条の承継人の選択を自己だけと前占有も併せるに分け後者に瑕疵も承継の対応を結ぶ

187条の承継人の選択を自己だけと前占有も併せるに分け後者に瑕疵も承継の対応を結ぶ
187条の承継人の選択を自己だけと前占有も併せるに分け後者に瑕疵も承継の対応を結ぶ