法律行為の効力:公序良俗と任意規定
法令基準日:2026年4月1日。適用時点は限定的に確認しています。 2026年4月1日を基準とする民法90条・91条の基本。事例では公序良俗違反かどうか、又は規定が公の秩序に関しないことを条件として与える。具体的な公序良俗の判例評価、個別法令の強行・任意の判定、返還や第三者との関係は扱わない。
本文の目次
1. 法律行為の効力を考える入口
取引で当事者の意思を尊重することと、どのような法律行為でも効力を認めることは別である。ここでは、公序良俗に反する法律行為の効力と、公の秩序に関しない法令規定と異なる意思を表示した場合の扱いを分けて読む。
2. 公序良俗に反する法律行為は無効
90条は、公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為を無効とする。「公序良俗」は、この公の秩序又は善良の風俗を指す。公序良俗違反の法律行為を、取消しがあるまでは有効なものとして扱わない。具体的な行為がこれに当たるかの判例評価は、ここで条文の効果を読むこととは別の検討になる。
3. 任意規定と異なる意思には従う
91条は、法律行為の当事者が、法令中の公の秩序に関しない規定と異なる意思を表示したとき、その意思に従うとする。当事者の異なる意思を優先する側の規定を、ここでは任意規定として捉える。「公の秩序に関しない規定」という対象と、「異なる意思を表示した」という条件の両方を保つ。
4. 意思尊重の対象と限界を分ける
91条は、当事者の意思によってあらゆる法令規定を排除できるという規定ではない。強行規定まで任意規定と同じように扱ったり、当事者が合意したことだけを理由に90条の公序良俗違反を有効にしたりしない。個々の規定が強行規定か任意規定かという具体的な判定を、91条の言葉だけで決めることも避ける。
5. 条件、対象、効果の順で確かめる
公序良俗に反する法律行為なら90条の無効、91条の対象となる規定と異なる意思を表示したならその意思に従う、という条件と効果を対応させる。無効となった場合の返還や第三者との関係、錯誤・詐欺など別の意思表示の規律は、それぞれの条件を改めて確認する。