憲法9条の本文と政府の説明

法令基準日:2026年4月1日。適用時点は限定的に確認しています。

本文の目次

  1. 1項を前提に2項を読む
  2. 戦力を保持しないという本文
  3. 国の交戦権を認めないという本文
  4. 政府が説明する保持の限度
  5. 政府が説明する判断の対象
  6. 本文・説明の主体・問題の対象を確かめる

1. 1項を前提に2項を読む

9条1項は、国際紛争を解決する手段としての戦争などの放棄を定める。2項は「前項の目的を達するため」で始まり、戦力の不保持と国の交戦権の不承認を定める。最初に、どの項のどの文言を読んでいるかを確かめよう。

2. 戦力を保持しないという本文

2項の対象は「陸海空軍その他の戦力」である。陸・海・空の三つだけを書いた規定ではなく、「その他の戦力」も含む。「前項の目的」の解釈から具体的な自衛措置の結論を出す問題は、ここでは扱わない。

3. 国の交戦権を認めないという本文

2項は、国の交戦権を認めないとも定める。戦力の不保持と交戦権の不承認は、同じ項にある二つの事項である。交戦権という語の国際法上の詳しい意味を、戦力という語の意味と一緒にして覚えないようにしよう。

4. 政府が説明する保持の限度

政府は、わが国の自衛のために必要最小限度の実力を保持することは、憲法により禁じられていないと説明している。これは政府による解釈の説明である。9条2項の本文に「必要最小限度なら保持できる」という文が書かれている、という意味ではない。

5. 政府が説明する判断の対象

政府の説明では、保有する実力が禁止された戦力に当たるかは、国が保持する実力全体について判断する。個々の兵器に関する具体的な基準や可否まで、この単元で判断したことにはならない。全体についての説明と、個別の可否を確かめる問題とを区別しておこう。

6. 本文・説明の主体・問題の対象を確かめる

条文の文字と政府による解釈を区別して読む。政府の説明を、そのまま裁判所の一般判断や学説全体の一致した結論として扱わない。また、必要最小限度の実力を「保持」できるという説明だけで、あらゆる武力の「行使」が許されることにはならない。保持の限度と行使の条件は、別に確かめる必要がある。

憲法9条の本文と政府説明の対応

憲法9条の本文と政府説明の対応
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