ミネラルの吸収と体内での調節

本文の目次

  1. カリウムの二つの向き
  2. 割合と量を分ける
  3. リンの形と骨格
  4. リンの腸管吸収
  5. 腎臓でのリンの調節
  6. 皮膚での産生と臓器での活性化
  7. ヘム鉄を細胞内で処理する
  8. 鉄の吸収調節と通常の損失
  9. 食塩相当量は全ナトリウムから求める

1. カリウムの二つの向き

通常の腸管でカリウムが体内へ吸収される過程は受動的である。回腸や大腸から消化管内への放出には能動輸送がある。吸収と放出は向きが違い、同じ輸送としてまとめない。

2. 割合と量を分ける

マグネシウムの摂取量が少ないと、吸収率は上昇する。吸収率は摂取量のうち吸収された割合なので、総量を比べるときには元の摂取量も合わせて考える。高い割合だけで大きい量と決めない。

3. リンの形と骨格

リンには有機リンと無機リンがある。カルシウムとともにハイドロキシアパタイトとして骨格を形成し、ATPや核酸、リン脂質などの構成にも関わる。骨格以外の場所での働きもある。

4. リンの腸管吸収

腸管でのリン吸収には受動輸送と、ナトリウム依存性リン酸輸送体を介する二次性能動輸送がある。通常の食事からの摂取量では大部分は受動輸送と考えられる。主な経路があることは、他の経路が無いことではない。

5. 腎臓でのリンの調節

PTHとFGF23は、近位尿細管でリンの再吸収を抑え、尿中排泄を増やす方向に働く。ビタミンDにはリンの腎再吸収を促す働きがある。それぞれの方向を区別し、作用の大きさを知らずに全体の変化を決めない。

6. 皮膚での産生と臓器での活性化

皮膚ではプロビタミンD3が紫外線によってプレビタミンD3になり、体温による熱異性化でビタミンD3となる。その後の活性化では肝臓、次いで腎臓で代謝される。皮膚で作られる段階と、活性型へ変わる段階を分けて考える。

7. ヘム鉄を細胞内で処理する

ヘム鉄は小腸上皮細胞へ取り込まれ、細胞内でヘムオキシゲナーゼによりヘムが分解され、Fe2+が解放される。非ヘム鉄は還元されFe2+としてDMT1から取り込まれる。異なる入口の後に、Fe2+としてフェロポルチンによる移行へつながる。

8. 鉄の吸収調節と通常の損失

鉄量の恒常性は吸収の調節によって維持される。能動的に鉄を体外へ排泄する経路がないことは、損失がないことではない。上皮内に残った鉄はフェリチンとして貯蔵され、細胞の剥離に伴って消化管へ出る経路がある。

9. 食塩相当量は全ナトリウムから求める

食品中のナトリウムは、食塩以外の化合物にも含まれる。食塩相当量はナトリウムの全量を食塩の量に換算した値であり、実際に含まれる塩化ナトリウムの質量をそのまま示すものとは限らない。由来する化合物を分けると、二つの量の違いを整理できる。

用語を確かめる

ハイドロキシアパタイト
カルシウムとリンを含み、骨格の形成に関わる物質。
プレビタミンD3
皮膚でプロビタミンD3が紫外線により変化した後の形。体温による熱異性化を経てビタミンD3となる。
食塩相当量
ナトリウム量を食塩の量に換算した値。食塩以外の化合物に由来するナトリウムも含めて求める。