基質の蓄積と、元の働き

線維芽細胞は、コラーゲンなどの細胞外基質を産生する細胞です。傷害後に活性化・増殖し、基質が増えて線維化へ関わる経路があります。線維化は、線維性の基質が蓄積して組織の性質が変わることです。たとえば肺胞では、空気と血液の間の壁を通して酸素が移ります。壁に基質が蓄積して厚く硬くなる変化と、血管外へ液体がたまる変化は、いずれも酸素の取り込みに影響し得ますが、別の構造変化です。修復は組織を支える助けになる一方、元の実質の働きが全て元どおりになることを必ず保証するわけではありません。全ての傷害が線維化へ進むとも限りません。

実質細胞の再生と基質による修復

同じ実質の欠損から二つの修復へ分かれる。左は核を持つ実質細胞が補充される再生、右は細胞外の線維性基質が蓄積する瘢痕性修復。下段は線維芽細胞から細胞外基質が産生される関係。基質は実質細胞の細胞内ではなく細胞の外にある。
再生では、失われた実質細胞が細胞の増殖によって補われます。瘢痕性修復では、線維芽細胞などが作る細胞外基質が蓄積し、失われた部分を支えます。残る細胞や足場の状態によって両者の比重が変わり、修復しても元の働きがすべて戻るとは限りません。