クリアランスは、速さを濃度で割る

クリアランスCLは、薬物が消失する速度を、同じ薬物の血漿濃度で割った指標です。消失速度の単位が量/時間、濃度の単位が量/体積なら、CLの単位は体積/時間になります。これは、その薬物を全て除いたことに相当する血漿の等価体積であり、血漿全体がそのまま体外へ出るという意味ではありません。腎クリアランスでは尿中排泄速度を使いますが、尿そのものの体積/時間とは別です。仮想物質Xの排泄速度が24量単位/分、血漿濃度が3量単位/mLなら、腎CLは8mL/分です。同じ一定CLでも、濃度が高いほど消失量/時間は大きくなります。

腎の濾過・分泌・再吸収

左は糸球体と尿細管周囲の血側、右は濾液と尿細管腔の連続する空間。上段の遊離薬物は血側から濾液側へ濾過され、大きなタンパク質に結合した薬は左にある。下段では分泌が血側から腔側、再吸収が腔側から血側へ向かう。腔内を下る矢印が尿への方向に続く。
腎では、糸球体の血側から濾液への濾過、尿細管周囲の血側から腔側への分泌、腔側から血側へ戻る再吸収が、尿中へ出る薬物量に関わります。通常の濾過では、小さな遊離薬物が移りやすく、大きな血漿タンパク質に結合したままの薬は血側に保たれます。腎クリアランスCLは、その物質の尿中排泄速度を血漿濃度で割った指標で、尿そのものの流量とは異なります。