混ぜる運動と前へ送る運動

咀嚼は食物を細かくし、消化管の運動は内容物を消化液と混ぜ、先へ送る。分節運動では、近くの部分が繰り返し収縮・弛緩し、内容物の混合に関わる。蠕動では、収縮の位置が順に移り、内容物を先へ送る働きに関わる。これらは機械的消化や輸送である。細かくして接触を増やすことは酵素作用を助けるが、分子の結合を切ることや、上皮を越えることそのものではない。収縮が一か所で見えただけでは、一定量が前へ進んだともいえない。

推進と混和は、違う関係

上の蠕動例は同じ水平の管を時点一と時点二で示す。時点一では左寄りの壁が狭まり、その右に内容物のかたまりがある。時点二では収縮する位置が右へ進み、同じ内容物のかたまりも右へ移る。収縮の指示線は壁へ、内容物の指示線は管腔内のかたまりへ届く。下の混和例でも管の幅と水平位置を同じに保ち、近い複数位置の収縮を前後で変える。丸二個と角二個は同じ内容物の配置記号で、前は同形同士が近く、後は異なる形が交互に並ぶ。粒を減らしたり細胞の外へ通す絵ではない。収縮一か所だけから一定の輸送量を決めず、全生体で同じ位置変化や分節中の正味移動ゼロを保証しない。
同じ管・同じ縮尺で、二つの運動例を時間順に比べます。上は収縮位置が進み、内容物の位置も先へ変わる蠕動の模式。下は収縮位置の変化で内容物の配置が混じる例です。分節運動を常に正味移動ゼロとはしません。形は配置の目印で、分子の切断・吸収や運搬量を表しません。