イオンには二つの駆動がある

イオンは電荷を持つ粒子で、Na⁺やK⁺は正の電荷を持つ。開いた通路を通る受動的な移動には、濃度差による働きと電位差による働きが両方関わる。濃度による働きはそのイオンの高濃度側から低濃度側へ向かい、正のイオンは電気的には低い電位側へ引かれる。負のイオンでは電気的な向きが逆になる。二つの働きが反対なら、向きだけでは正味の移動を決められない。どちらが強いかを確かめる必要がある。イオンが通れない膜では、駆動があってもそのイオンはその経路を通過しない。

濃度差と電位差を別々に見る

同じ正の電荷を持つイオンについて、外側を左、内側を右にした膜の模型。中央にはこのイオンが通れる開いた通路がある。外側はこのイオンの低濃度かつ高い電位、内側は高濃度かつ低い電位という指定条件である。丸印は指定イオンの濃度を比べるための模式で、液全体の電荷を表さず、他のイオンは省略している。下の実線矢印は濃度差による内側から外側への働き、破線矢印は正のイオンが電気的に低い電位の内側へ向かう働きである。矢印はそれぞれの向きだけを示す。線の長さ・太さは力や移動量を表さず、同じ長さでも相殺を意味しない。二つの強さが未提示なので、正味の移動方向は確定しないと図内にも明記する。負のイオンや閉じた通路へこの条件をそのまま広げる図ではない。
正のイオンが通れる模型です。実線は濃度差、破線は電位差による向きで、矢印の長さは強さを示しません。強さが未提示なので、反対向きというだけでは正味方向は決まりません。他のイオンは省略しています。