神経・感覚のしくみ

本文の目次

  1. 刺激を受け取る
  2. 光が通る道筋
  3. 光の量と焦点
  4. 目の防護
  5. においと風味
  6. 振動から聴覚情報へ
  7. 音と平衡の違い
  8. 入力と出力をたどる
  9. 涙液を作り、表面へ広げ、排出する
  10. 皮膚の感覚と熱交換
  11. 細胞と神経線維
  12. 脊髄での伝達と反射
  13. 移行しやすさを分ける

1. 刺激を受け取る

感覚器は、外界の刺激を受け取って、その情報を脳へ伝える。目は可視光、鼻はにおい物質の化学的刺激、耳は音を受け取る。それぞれの器官の構造と、情報が伝わる道筋を合わせて考える。

2. 光が通る道筋

眼球は眼窩に収まり、入った光は角膜、房水、水晶体、硝子体を透過して網膜に達する。網膜までの光の経路と、網膜から先の神経情報の経路を分けると、各部分の働きを整理しやすい。

3. 光の量と焦点

虹彩は瞳孔の大きさを変えて、眼球内に入る光の量を調節する。遠くと近くへの焦点調節には、水晶体の形の変化が関係する。光の量を変える働きと、焦点を合わせる働きは異なる。

4. 目の防護

まぶたは眼球の前面を覆う薄い皮膚のひだであり、目を防護する。睫毛に物が触れると、反射的に目を閉じる。まばたきによる涙液の広がりは、目の表面を潤して清浄に保つ働きにも関係する。

5. においと風味

におい分子は、鼻腔上部の粘膜にある嗅細胞を刺激し、その情報が脳へ伝わる。同じにおいへの曝露が続くと、感じ方が次第に弱くなる順応が起こりやすい。食品の風味には、嗅覚と味覚の情報の統合が関係する。

6. 振動から聴覚情報へ

耳介で集められた音は、外耳道を通って鼓膜を振動させる。耳小骨は振動を内耳へ伝え、蝸牛では液の振動が感覚毛を揺らして聴神経への刺激につながる。音の機械的な伝導と、その後の神経伝達を分けて考える。

7. 音と平衡の違い

内耳には聴覚と平衡に関わる器官がある。蝸牛は聴覚を担い、耳石器官は主に直線的な加速度、半規管は回転の感知に関わる。音の変化と体の動きの変化は、同じ刺激としてまとめずに整理する。

8. 入力と出力をたどる

中枢は末梢からの刺激を受け取り、統合して、末梢へ出力を送る。随意的な運動の経路を考えるときは、入力が中枢へ届くことと、出力が筋へ届くことを分ける。途中の一段階が保たれていても、その後の到達まで同じ記録で保証することはできない。

9. 涙液を作り、表面へ広げ、排出する

涙腺は血漿をもとに涙液を産生する。涙液は角膜表面を滑らかに保ち、異物や老廃物を洗い流すほか、感染防御に関わる成分を含む。まばたきで表面を潤す働きと、涙点・涙道を経て鼻腔へ流れる排出の働きは、産生と分けてたどる。

10. 皮膚の感覚と熱交換

皮膚は触覚・圧覚・痛覚・温度感覚を得る感覚器でもある。一方、皮膚を通る血管が開いて血流が増すと、体外へ熱を出しやすくなる。体温が下がり始めるときには血管の収縮が放熱を抑える方向に働く。外部の刺激を感じることと、熱を出し入れすることを分ける。

11. 細胞と神経線維

神経細胞の細胞体から伸びる細長い突起を軸索といい、神経線維とも呼ぶ。細胞体と、それに連続する軸索を描いたとき、突起を別の細胞として足して数えない。脳と脊髄は中枢神経系を構成し、そこから各部へ伸びる経路は末梢神経系として整理する。

12. 脊髄での伝達と反射

脊髄は脳と末梢の間で刺激を伝える。一部の刺激には、脳を介さずに刺激を返す脊髄反射もある。明示した模型で脳への枝だけを変えた場合と、脊髄内の局所経路を変えた場合を分けると、どの経路が残るかを整理できる。

13. 移行しやすさを分ける

血液脳関門では、物質の透過の選択性が高い。タンパク質などの大分子に加え、小分子でもイオン化した物質は血液から脳組織へ移行しにくい。大きさとイオン化は異なる性質であり、小さいという条件だけで移行しやすいと決めない。

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眼窩
眼球が収まる頭蓋骨のくぼみ。
網膜
眼球内で光を受容し、その情報を神経の経路へ伝える組織。
虹彩
瞳孔の大きさを変えて、眼球内に入る光の量を調節する部分。
水晶体
形を変えることで遠近の焦点調節に関係する、透明な部分。
嗅細胞
鼻腔上部の粘膜にあり、におい分子の刺激を受け取る神経細胞。
嗅覚の順応
同じにおいに継続して曝露される中で、そのにおいを次第に感じにくくなる現象。
耳介
外耳の、軟骨組織が皮膚で覆われた部分。音を集める。
耳管
鼓室と鼻腔・咽頭を通じさせ、鼓膜の内外の圧の均衡に関わる管。
蝸牛
内耳で聴覚を担う、渦巻き形の器官。
耳石器官
平衡器官のうち、主に直線的な加速度を感知するもの。
半規管
平衡器官のうち、回転の感知に関わるもの。
中枢
末梢の刺激を受け取り、統合して、末梢への出力に関わる部分。
眼筋
眼球を各方向へ向けることに関係する、眼球側面につながる筋。
涙点
涙液が涙道へ流入する、目頭の内側の小さな孔。
軸索
神経細胞の細胞体から伸びる細長い突起。神経線維とも呼ぶ。
血液脳関門
脳の毛細血管が物質の透過を選択し、中枢神経の間質液環境を血液内の組成変動から保護する働き。
脊髄反射
刺激の一部に対して、脳を介さずに脊髄から刺激を返す働き。