ADHは集合管の通りやすさを変える

抗利尿ホルモンADHはバソプレシン、AVPとも呼ばれ、視床下部で合成され後葉から血液へ放出される。正常に応答する集合管ではADHが水透過性を高める。管腔より間質側の有効な浸透圧が高いなど、水を動かす条件があれば、管腔から間質へ水が正味に移り得る。透過性だけを記録しても、勾配や移動量は確定できない。水を作る作用や、腎のすべての区間に同じ水移動を起こす作用ともしない。

通路と、水を動かす条件

上下の集合管上皮を同じ配置で比較する。左は管腔、中央は両側に細胞膜を持つ上皮、右は間質である。どちらもADHに応答して水透過性が高いと図内に置く。一つ目は有効な勾配なしという指定模型で、左右両向きの水移動を示し正味の水移動なしと明記する。二つ目は間質側の有効浸透圧が高い条件で、水の破線矢印が管腔から上皮の二膜を越え間質へ向く。膜を通れる状態と、水を動かす周囲の条件を別にする。ADHが水や髄質の勾配を無から作る形にはしない。矢印は定量の流量や実測された通路数ではない。
どちらもADHに応答して水透過性が高い集合管という、二つの指定条件を比較します。①は有効な勾配がない模型で正味移動なし、②は間質側の有効な浸透圧が高い条件で管腔から間質へ水が移り得ます。通りやすさだけから移動量を決めず、矢印の長さや数を水量の測定値にはしません。全腎の水再吸収がADHだけで始まる意味でもありません。