通常の負帰還と排卵前の正帰還

視床下部・前葉・卵巣の連絡では、通常は卵巣のホルモンなどが上位の分泌を抑える負のフィードバックが働きます。一方、正常な排卵前に、成熟する卵胞から比較的高いエストラジオールの状態が持続すると、上位への促進的な正のフィードバックが生じ、LHサージにつながります。卵巣から上位へ戻るという方向が同じでも、抑制するか促進するかと、その時期・持続条件が違います。任意の一時点でエストラジオールが高いだけで、必ず正帰還や排卵が起こるとはいえません。血中濃度は分泌と除去などの結果であり、分泌量や組織での作用を一つの値と同じものにしないようにします。

エストロゲンの負・正の帰還

上段は卵巣から視床下部・下垂体前葉へ戻る点線の終端を横線とし、多くの時期の抑制を示す。下段は排卵前に比較的高い濃度が持続する条件を記し、卵巣のエストロゲンから下垂体前葉へ点線矢印が向かい、LHサージにつながる。
卵巣のエストロゲンは多くの時期に上位の調節系へ負のフィードバックを行う。一方、排卵前に比較的高いエストロゲン濃度が持続すると、正のフィードバックが強まり、下垂体前葉のLHサージにつながる。同じホルモンでも、時期と濃度が持続する条件によって調節の向きが変わる。